2009/6/6  15:54

模範解答はありません。  しっぽコラム/エッセイ

NHK「課外授業ようこそ先輩」、いろんな分野で活躍している人が
自分の母校の小学校で授業をするという番組。
これが毎回とても素晴らしい。
私も子ども達と一緒に座って授業を受けたいと思うくらい。

先月、コラムニストの天野祐吉さんが母校の子ども達に
こういう問題を出していました。

【問題】次の言葉をわかりやすく言いかえなさい。

@その件についての情報は入手しておりません
A事態の紛糾は必死の情勢です

子ども達は言葉の意味を調べ、あれこれ考えていました。
おもしろそうなので、私もやってみたのですが、これが意外と難しい。
子どもたちの答えを聞いた後、天野さんはこんな解答を出してきました。

【解答】
@知りません
Aもめるに決まっています

目からウロコとはこのこと。
こんなに簡単だったんだ・・・なるほどね。

天野さんが言うには、政治家が難しい言葉を使い、まわりくどい
言い方をするのはカッコつけているからだって。
相手にわかりやすい言葉で伝えればそれでいいのだと。

「親に感謝」「先生に感謝」「友達に感謝」などと書いた子ども達の
作文を読んだ天野さんは、

いい子にならなくていい。
素直に自分の気持ちを書けばいい
」って。

そう、人間の心なんて、そんなにきれいな物ではないもの。
いろんな色の気持ちが渦を巻いているはず台風

小学生の頃、私は国立競技場内の水泳教室に通っていました。水泳
帰ろうと外へ出ると、何やら人だかりが。
覗くとそこには小柄な一人のマラソン選手がいました。
一緒にいた友人が

「あの人知ってる?増田明美っていうんだよ。
すごい記録出す人なんだよ。」

そう教えてくれました。

当時、注目されていた彼女を囲むように、たくさんのカメラ。
その中で彼女は、それはそれは力強くストレッチをしていました。
若さと自信に満ち溢れ「どうぞ私を撮ってください」と言わんばかりに。
あんなに自信に満ち溢れた人を、私は他に見たことがありません。

キリッとしたその姿と眼差しは、子どもだった私の心に強く焼きつきました。
小さな体のどこからあの力強さが出てくるのかと思うくらい、
とっても輝いていました。
あれから20年以上たった今でも、あの姿をふと思い出すことがあります。

数年前、その増田明美さんが「ようこそ先輩」に出ていたんです。
彼女は子ども達にオリンピックで途中棄権した時の映像を見せ、
涙を流し、こう話していました。

がんばろうと思えば最後まで走れたかもしれない。
でも、あの時、自分の心はとても弱かった
。」

小学生の頃私が見た彼女の姿とはまったく違っていました。

注目されればされるほどプレッシャーは大きくなり、
本来の力が出せなくなります。
持ち上げるだけ持ち上げて、期待に答えられなければ
心無い言葉を浴びせられスランプに。

心は折れ、逃げ出したくもなるでしょう。
もろい心を持っている、それが人間でしょう・・・そう思いました。
胸が苦しくなって、気付いたら私も涙。
とてもいい授業でした。

心が弱くてあきらめたことは、必ず 後悔 へと変わります。
その葛藤は一生頭から離れることはありません。
大人は自分の経験からそれを知っています。
だからそれを子どもに伝えようとするのでしょう。

それには情けないその姿をさらけ出せばいい
カッコなんてつけなくていいんだ。
この番組はいつも私にそう訴えかけてきます。

人間にとって、これが一番難しい・・・
私の学生時代、過去の挫折をさらけ出して涙まで見せる先生は
一人もいませんでした。

番組の出演者は先生ではないから、自分の弱い所、挫折、後悔、
涙をリアルに見せてくれます。
感極まって涙するその姿を、どの子もジィ〜っと見つめています。
彼らはその瞳の奥で何を思っているのだろう・・・

この番組をみているといろんな子がいます。
泣き虫さん、はずかしがりやさん、声が小さくて自信がなさそうな子、
元気でリーダーシップを発揮する子、大人社会と変わりません

子ども達の中で、いったい何人がこの日の授業を
いつまでも覚えているのだろう?
何人がこの日教わったことを思い出以上の記憶
として残してくれるのだろう。

彼らが成し遂げたい何かを見つけた時、この授業が、
夢を想い続け、それに向かって進み続ける心の支え
になればいいのだけれど。 
そう思いながら、若く可能性に満ちた彼らの瞳を見つめてしまうのです。

学校のテストでは「1+1=2」と書かなければ「×」にされます。
でも、社会に出てみると「1+1=2」ではないんじゃないか?
と感じることがたくさんあります。

答えよりもそれに取り組む 過程対応力 が重要だと
感じることが多いのです。
その対応によって答えは大きく変わっていきます
答えは1つではありません。

突然のトラブルが頻発し対応に追われる社会人生活に
模範解答はないようです


「1+1」が「3」にも「4」にもなってしまう、そんな学問はあるのかしら?
あれっ!?もしかしたら になっちゃうかも!!!
なんて言ってくれる先生がいたら、
勉強嫌いな私の心もときめいてしまうのだけれど。 キラリ〜ン

そんな先生に、私はまだ出逢えていません。
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