日曜日に「コズミックフロント」という番組がありなかなか面白い。それを何本か日中ずっとやってたので見まくってしまった。
それはたしかに面白い番組に仕上がっていた。最後は宇宙への夢とかに思いを馳せるように出来ていたし、宇宙の脅威に対しては胸をなでおろすような結末にもなっていた。まっこと見事なできばえだった。
しかし見終わってふと我に返ってみると、その番組はすべてドラマ仕立てになっておりそのほとんどは研究者たちの苦労話だった。事実がどうなのかという主題の核はほんのわずかにすぎなかった。
それにしても凄い技術だなと感じたのは、遠い星星を観測し映像に捕らえる技術である。そしてその宇宙船への遠隔技術の見事さである。どうしてそれほどの科学技術が可能なのか、本当に気の遠くなるほどの驚きなのである。凄いのである。
で、テレビのチャンネルを変える。そしてぼくは現実に舞い戻る。
目の前で起こっている原発内の注水装置さえもままならない体たらくに。
ほんの見えるところで起こっている事態の内部映像さえ撮れない、遠隔操作で何をするわけでもなく人命を犠牲にして長靴で入っていく事態。これはいったい何なんだ?
今見ていた素晴らしい宇宙技術とはいったい何なのか。
水を装置内に入れることさえできない事態とは何なのか。放射線が強いからと言っても、宇宙空間の放射線の中で作業をしている一方の映像を見てしまっているぼくにはその言葉が怠慢としか思えないのだ。
またしても金、なのだろうか。原発と宇宙とは掛けている金が違うとでもいうのだろうか。
それならばそれほどの気の遠くなるほどの金を掛けた宇宙科学とは何なのだろうか。ぼくらはドラマ仕立てされた番組で凄い凄いとなにかいいものを観たように思わされているが、だからどうだってんだろう。宇宙がどうだっていうのだろうか。
はっきりしているのは宇宙物語が莫大な金を掛けて仕掛けをしても、ぼくら一般国民に与えられるものは一切無いということだ。ぼくらはそんな事を知りたいと頼んだ覚えはない。与えられるのはつまらない夢物語だけだ。

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