2014/10/29

マーガレット・サッチャー〜政界を夢見て〜  その他の映画・ドラマ・舞台

しばらくhuluを見ていないので解約しようとコンテンツを眺めて見つけたのがこの2008年放送の「The Long Way to Finchley」でした。1949~59年の若いマーガレット・サッチャーが政界入りを目指して、女性と労働者階級への偏見との戦いの時代を描いたBBCドラマです。

サッチャー役のAndrea Riseboroughという女優さんは、甘い容姿が気になったのですが、終盤、彼女の当選を阻む競争相手のオッサンをやり込める山場でそれが豹変し、鉄の女の片鱗を見せた変わりようがすごい演技で、すっかり彼女のペースに巻き込まれドラマが終わった時には私はサッチャーの味方となっておりました。

しかし実は「このドラマを見よう!」と決めた理由は、夫のデニス・サッチャー役のローリー・キニアが良かったからです。



ローリーでもNTliveで見たハムレットはあまりピンとこなかった(たぶん衣装が好きじゃなかった)のに、50年代のツイードのクラシックな格好した彼はジワジワと胸に来ました。目立つ役ではないのに、強い妻の尻に敷かれるでもなく彼女を応援し見守る夫の存在感がありました。

プロポーズのシーンが傑作です。何度かデートしてもプロポーズをしないデニスに、マーガレットは唐突に尋ねるのです。「あなたがもしもプロポーズするつもりなら、言っておくけど、答えはイエスよ。」私ももしも将来そんな状況に遭遇することがあったらこの台詞は使える!と感銘を受けました。

デニスの友人役(と思う)でシャーロックのアンダーソンことジョナサン・アリスも出てます。

さらに、保守党党員で、ストーリー上重要な役のテッドを演じたSamuel West、どこかで見たと思ったら、「ハワーズ・エンド」でヘレナ・ボナム・カーターの恋人を演じた人でした。(あの時も中産階級のお嬢さんと恋する労働者階級の詩人という役だったけれど、このドラマでも彼の階級が話の展開上キーとなっていて、なぜ彼はかっこいいけど労働者階級の役なんだ?って思いました。ジェイムズ・マカヴォイもそうよね。イギリス人には労働者階級の魅力的な男子の典型的なイメージってあるのかな。)彼は今年のThe Riot Clubや来年公開のSuffragette(ベン・ウィショーが出る)など気になる映画にも出ているそうで楽しみです。

さて、肝心のサッチャーの成功ストーリー、ひたすら女性差別との戦いでした。

今の英国はエマ・ワトソンが国連でスピーチをしたのをきっかけにセレブの男性も参加しフェミニズムが盛り上がっています。でも日本に住む私たちには、女王様を抱えサッチャーを出した国として、そして演劇の世界でも女性スタッフがたくさん活躍していて既に女性差別がほとんどないように写ります。

しかしサッチャーの選挙演説への聴衆からの質問は男からも女からも「あなかには家族がありますか?」「母親不在は子供に良くないから家庭にいるべき」「朝も夜も政治家はいつも勤務せねばならないが育児ができるのか?」などという、まるで現在の日本のオッサンのようなことばかりなんですよ!!

だけど、それは60年以上前のことです!
同じことを書いたのを思い出しました。それはドラマ「The Hour」の感想でした。あれもやはり50年代が舞台なので、女がテレビのニュース番組プロデューサーをやるのに主人公が差別と戦う。

そういう歴史を見ると、イギリスも昔は女性が政治なんてできるわけないと思われていた土壌で出てきたサッチャーさんという人は、やっぱりすごい人なんだな、と改めて思いました。

このドラマには続編があり、リンゼイ・ダンカンがサッチャーで失脚までが描かれているらしいので、そちらもぜひ見たいです。その二つのドラマがセットDVDになって出ているのですが、日本アマゾンでも1149円よりというかわいいお値段で輸入版は出てはいます。でも政治のお話みたいな不得意分野は日本語字幕が欲しいものです。
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