2019/6/21

マシュー・ボーンのロミオとジュリエット  その他の映画・ドラマ・舞台

プリマスに行った目的は、マシュー・ボーンの新作を見るためでした。
「ロミオとジュリエット」ワールド・プレミアです。

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劇場はシアター・ロイヤル・プリマスといい、イングランドの西の先にしてはマシュー・ボーンという近代的なバレエ・カンパニーを定期的に呼んでいる革新的な劇場かと思います。前の銅像は国技館(どすこい!)みたいだけど・・・

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プリマスはこちらのカップル。8月にロンドン、サドラーズ・ウェルズで4週間公演が国内最終地としてあり、そこでも3、4週目にこの配役の予定です。

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私は「All My Sons/みんな我が子」2回の予定を真ん中に10日間の日程を決めてから、その期間で他に興味のある舞台を探した時に初めてマシュー・ボーンのロミジュリを知りました。

その時4月にはすでにチケットは発売されていたので、もう1階から2、3階席まで後ろの方しか残ってませんでした。

1箇所だけ「・・・ここならば・・・?」と思ったのが端っこの2階の最前列。

1時間ほど迷いましたが、もう視界のクオリティより見たい欲が勝ちました。

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「視界に難あり」の分、お値段は隣の席は1番値段が高い席なのにここは1番安い席。

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果たしてその「難」とは具体的にどういうものだったかというと、こちら。

手すり。黄金のバーが座ると目の前に。

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少しかがんでバーの下からの視界はこちら。

舞台前オーケストラ・ピットも見えます。生演奏だ!私が見たことがある日本公演では録音だから、これは嬉しい。

悪くない、と正直思いました。チビでラッキー。縦にでも横にでも大きいとかがめない。

東京文化会館の5階席よりも安くてよく見える。地方公演はこんな良さがあった。(旅の発見)

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右にはあと5席、椅子が置かれてました。

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反対側は2階席が1階までなだれ落ちてる不思議な構造で、この劇場は1階席でも結構段差があり、前の人の頭が邪魔にならない作りでいいですね。その割になんで2階席の手すりがあれなの?笑

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では、作品のレポに入りますので、ネタバレがお嫌な方はここまでですよ。



「ロミオとジュリエット」はご存知シェイクスピア原作です。

が、マシュー・ボーンですので、去年この作品をやると発表になった時には、ゲイのロミジュリになるという記事が出たり、本人インタビューでも「当然古典とは違うものを期待されてるよね」とおっしゃっていました。

幕が上がりますと、白が基調のセットが組まれ、正面上方に「VERONA INSTITUTE」の文字。(実はINSTITUTE部分は私の席から見えなくて、終わってから2階中央に移動して発見したのでした。視界に難ありの1番の「難」はこれだったかも。)

その文字の下の2つのドアに「BOYS」「GIRLS」とあり、鉄格子がはまっているので、男女別に監禁されているような感じ。男女共白い制服を着ているので入院患者のよう。

プロコフィエフのあの曲で、男女がそれぞれチームに分かれてエネルギッシュで苦悩的な踊りをする。原作では対立するのは貴族の2家族だけど、ここでは男女別に分けられた世界があるのか、と思う。

大人は看守(これがティボルト。原作ではジュリエットのキャピュレット家の従兄弟)、看護婦、教師ぽい人。大人が管理し、若者が管理されるという意味ではそういう対立もある、とここで思う。

チームに分かれアクティヴィティをしたりの団体行動が行われ、お薬の時間というのがあり、ここで精神的な疾患があると思われる子女の全寮制の学校というカタチをとった精神病院らしい。ドラマ「レギオン」が頭をよぎる。わー、そう来たか。

ジュリエットは目立たない美少女で、やたらと偉そうにしている労働者階級ギャングの親分みたいな看守に目をつけられ、逃げ回る。

なぜ目立たないかと思ったら、もうひとりブロンドのロングヘアのキレイな子がいるからで、その子も別の公演ではジュリエット役なのでした。紛らわしいな。

団体行動の合間に、ついにジュリエットはその看守に捕まり、密室に連れて行かれてしまいます。パワハラでセクハラです・・・や、やばい話になってきた・・・

原作通りだとすると、ジュリエットは13歳、中2です。舞台では白いワンピースの制服で体格がわかるのでさすがに13歳には見えないけど、大人の体格になった15、6歳だとしても少女虐待です。

ロミオは転校生で、お金持ちっぽい両親に連れられて理事長か園長先生のような部屋にやってきます。このおぼっちゃま、去年の「シンデレラ」日本公演で王子/ハリー役だったアンディー・モナガン。あの時は表情がない人だなあと思ったのですが、ロミオでは打って変わって17歳くらいに見えてとてもかわいい。

ロミオを馴染めない学園に迎え入れるマキューシオ率いる不良男子トリオはマキューシオとベンヴォリオがカップルです。このふたりがウルトラかわいいです。マキューシオは親分肌、ベンヴォリオは乙女です。

通常は男女分かれての生活のヴェローナ学園にも、ダンスパーティー、プロムとかボールとかいう例の西洋の学校の一大行事がやってきました。

これをいそいそと準備する学園長のおばさまがかわいいのなんの。違う話だけどかぼちゃの馬車を出すおばあさんみたいなキャラです。かわいいおじさんは数あれど、かわいいおばちゃんキャラって珍しいと思う。新種キャラ。

ミラーボールのライトに包まれてロミオとジュリエットは出会います。

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ダンスパーティー後、学友たちの協力を得て大人の監視の目をくぐり抜けふたりきりのデートをするロミジュリのダンスの美しくエロいこと。

しかしそのエロさが高まった時、ジュリエットの脳内ではロミオが看守に見えるという悲劇が?!かつての虐待のトラウマの幻覚に襲われるジュリエット。

・・・ショッキングな設定があまりにもリアルでもうおとぎ話ではなくなってしまいました。新作なのでまったく予備知識がないとショックも大きい。

肝心のここからのシーン、見てから日が経っているのと(なんでメモをとっておかなかったのか!)ショックのせいで記憶にちょっと自信がないのですが、

ジュリエットが錯乱して騒ぎになり、本物の看守、ロミオの友人トリオも出てきてもみ合い、看守を殺してしまうのです。マキューシオも傷を負い、原作通り。

ラストは原作の仮死状態になる毒薬は登場せず、ロミオがまずナイフに倒れ、白い制服を血に染めて亡骸となったロミオをジュリエットが抱えながら踊るという、古典バレエとは男女が入れ替わったシーンがとても印象的でした。そしてジュリエットも自らを刺して純白の衣装が赤く染まって終わります。


女子、男子とひとりずつアジア系の容姿のダンサーがいて、身長が低くて目立つのかふたりともコミカルな役で活躍してました。男子の方は日系の苗字でこれからも活躍してほしいです。

それと学校という設定なのは、若い才能を育てるというこの作品のプロジェクトにもぴったりで、各公演先の地域でオーディションをし16~19歳のダンサーを5人ずつ配役しています。その他のスタッフも若い人たちを起用しているとのこと。

しかし観客の方はプリマスではやはり年齢層が高いです。もちろんダンスやアート好きの若い人もいますが劇場でのマジョリティは高齢者。でもマシュー・ボーンを見に来るのだから革新的なおじいちゃん&おばあちゃんですね。

もしかしてイギリスでも地方は若い人が減ってるのかな・・・それでもチケットが売れてるのだから文化の衰退にはなってないからいいのか。

そんなグループから、1個余っちゃったからとアイスをもらいました。

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あまりにもカジュアルにくれたんで、「はあ・・・」みたいな感じで頂きました。美味しかった。

日本に来るのはいつでしょうか。記憶がないところを確認しにまた見なくては。

とりあえずは新版「白鳥の湖」が来月来日するので楽しみです。*しかも今ならバックステージ見学付きS席というのが発売されていますよ!

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