今回のお題は、
「プラトーン」が火付け役となり、雨後の竹の子の様に造られた”ベトナム戦争”物の一つ、
「ハンバーガー・ヒル」です。
実際の闘いをモチーフとした造りでありますが、全体を通して淡々とした描写で物語は進行していきます。
そのストーリーは、”アシャウバレー”という軍事拠点(と思われる)高地を占領しようと戦うアメリカ兵の物語で、ただ高地の頂上を目指し闘っていくと、いう物。前半は、前線に出る前の一時を描いていて、静かな出だし。後半、前線である”アシャウバレー”についてからは、阿鼻叫喚の地獄絵図と、なります。画面は頂上を目指すが迎撃され、滑り落ちる兵士だらけ。そこ等中で兵士は叫び声をあげています。そんな光景がラストまで続きます。
出撃しては迎撃されると、いう展開の合間に、各兵士のエピソードが挟み込まれ、物語に深みを与えています。ある新兵は、彼女の手紙に涙し、新米中尉はシャバに戻った時の夢を語ります。
そんな中、ベテラン軍曹”アーチェスター”が、しみじみ言います。(うろ覚え)
「俺が帰国した時、出迎えてくれたカワイ子ちゃんがくれた・・・袋を空けると・・・犬の糞だ・・・それはいい」
「家に帰ると、女房は瞑想中で、ベッドには長髪の男が寝ていた・・・それもいい。どうってことはない」
「馴染みの店に飲みに行くと、親父さんに手紙が届いていた。それにはこう書いてあった”御宅の息子さんが、親愛なる北べトナムの人民に殺されて良かったですね”・・・」
「俺が何故再志願したか・・・そういう事です」
この場面は、私の中での名場面で、後の”アーチェスター軍曹”の運命を思うと、深く考えさせられる場面です。
ベトナム戦争物は、アメリカの謝罪がテーマの物が殆どだと思いますが、この映画は、それ程メッセージ色を出していなくて、逆にそれが心に響いてきます。これを戦争物として観てしまうと、大変つまらない作品でしょう。しかし、この作品は、立派な反戦映画だと思います。機会があれば、観てみましょう。みなさんは、どう考えるでしょうか?
尚、上記の感想は、TV放送を見た感想である。先日DVDを購入したが、吹き替えが無く、字幕では、ややソフトな表現になっている為、この作品は、日本語吹き替えで鑑賞して頂きたい!と、力説する。
この作品に限らず、DVDには日本語吹き替えは最低付けて頂きたいオプションではなかろうか?TV放送を見て気に入る作品は多いものだ。
ハンバーガー・ヒル 1987年 アメリカ映画
竜騎士採点(5点満点)
★★★☆☆ 1回観ただけでは、この作品の良さは判らない。何回も観て評価して頂きたい。アクションだけを求めない人にお勧め。
女優度数(5点満点)
★☆☆☆☆ 戦場に女は要らない、という事で女優といえば売春宿の女達くらい。女は無くても、話は良いぞ。

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