ノゾキのスリルが味わえる?
今回紹介する作品は、巨匠
「アルフレッド・ヒッチコック」作品
「裏窓」です。
脚を骨折し動けないカメラマン「ジェフリー」は、近所のアパート住人の生活を覗き見る事で、暇な時間を潰していた。ある晩向かいのアパートのセールスマンの行動から、彼が同居していた妻を殺害したのではないか?と推理した彼は、証拠を掴もうと恋人の「リサ」と共に動き出すが・・・
毎回毎回、素晴らしいオープニングから始まるヒッチコック作品。スルスルと上がって行くブラインドから、この物語は始まります。
彼の作風として、人物描写の巧みさがあるが、この作品も、主人公の置かれた状況を、セリフではなく映像だけで上手く表現している。主人公だけではなく、恋人、看護婦、アパートの住人まで無駄に描かれる存在がないのは、素晴らしい。逆に言えば、無駄な人物は登場させないのではないだろうか?
恋人のリサは、上流階級の人間だが事件の経過後、活動的なパンツルックになるという描写もニクい演出だ。
展開上、動きが少ない作品だが、
「覗き」というある種の後ろめたさのある緊迫感が刺激的で、観る者を惹き込みます。
更に上手いのは、肝心な殺害現場を見せておらず、全て状況証拠のみで描かれている点。当然警察は手が出せない。しかし、どう考えてもヤツが犯人としか言えない。この歯がゆさと主人公自身が身動き出来ない状況が重なっています。
ラスト、犯人との攻防も主人公のハンディがあるからこそ、
「ジワジワ」としたサスペンスが味わえる。
「ボディダブル」等、この作品へのオマージュ的作品は多いが、それらがサスペンス色を濃くしているのと違い、それだけではない所がこの作品の特徴。覗き視点の限られた視界と、通常の生活空間を行き来する作品だが、普段の会話やシチュエーションはユーモアがあり、絶妙なアクセントとなっている。
他人の私生活に立ち入る過ぎると、手痛いしっぺ返しを喰らうという判りやすいテーマと、覗きという非日常のスリルが上手く相乗効果をあげている名作だ。
「裏窓」 1954年 アメリカ映画
竜騎士採点(5点満点)
★★★☆☆ 元祖(?)だけあり、ソツ無く面白い。しかし、個人的にはサスペンス色の強い方が好みだ。
女優度数(5点満点)
★★★★☆ 「リサ」役は
「グレース・ケリー」。メチャキレイ!そしてキュートです!

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