昨日、夜遅くに私の携帯電話が鳴った。こんなに遅く誰だろう?と思いながら出てみると、一人のエンジェルスO.Bでした。
「今日、水戸一高に負けてしまいました。」心なしか元気なく、試合の報告でした。
彼は、明日が初戦・・・と言う、前の晩にも私のところへ来ました。
「いよいよ明日が初戦です。」と・・・。
彼の名は、根本航太郎。常磐大高校の野球部です。
エンジェルスを卒団してから5年半。彼の周りにいろいろなことがあったことは聞いていました。
でも、試合の前の日に、私のところまであいさつに来る選手は、そんなにいません。きっと、心に期するものがあったのでしょう。
尊敬していた監督さんが、大会直前で解任。相当ショックだったと思います。その騒ぎの最中、練習の帰りにエンジェルスグランドに立ち寄ったことも知っていました。何も言わずに、コーチや後輩達にあいさつだけして帰ったそうです。
そして、その水戸一高戦。私はどうしても彼の応援に行くことが出来ませんでした。もっとも、その日に負けてしまうなんて、想像もしていませんでしたから・・・。
気になって、ラジオを聞きながら応援していました。
その常磐高校がピンチの時、伝令に走った彼を見て、ラジオのアナウンサーがこう言っていました。
「常磐大高校には二人の主将が居るそうです。一人は、野球の技術面でチームを引っ張る益子君。そしてもう一人は、チームの精神的柱の、根本君です。」
そう聞いたとき、私は、涙が止まりませんでした。
彼は、試合に出ることもなく、ただひたすらベンチからチームメイトを励ましているのです。二回戦の時も、チェンジでナインが帰ってきたあと、監督の回りに円陣を組みますが、監督の話のあと、その円陣の中心でチームメイトを鼓舞している姿を、何度か目にしていました。
この夏の大会、エンジェルスO.Bの活躍している姿をたくさん見てきました。有名高校の主将をしている選手、もちろんレギュラー選手で試合に出ている選手もたくさんいます。
でも、一番うれしかったのは、その根本君でした。チームの中で、自分が出来ることは何か?一生懸命考えて、フォア・ザ・チームを貫いた彼。
私は、彼を、心から誇りに思います。
きっと、立派な社会人に成長してくれると思います。
あとに続くエンジェルスの後輩達も、彼を見習って頑張ってほしいものです。
お疲れさん、根本航太郎君!

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