昨日の続きです。
主人公の学校を、長年応援してくれた近所の「ザワ爺」さんのお葬式で読まれた弔辞です。
高校野球とは・・・・負けることに神髄があるんだと、わたくしたちはザワ爺から学びました。高校野球で勝ち続けることのできる学校は、甲子園で優勝する一校しか有りません。どこの学校も負けるのです。負けることが高校野球なのです。サワ爺、あなたはわたくしたちに、負けても胸を張れ、と言い続けてくださいました。負けることの尊さとすばらしさを、わたくしたちに教えてくださいました。わたくしたちは、大人になっても負けることばかりです。勝ち続けているひとなど、きっと、誰もいません。でも、そんなとき、ザワ爺の声が聞こえてきます。『ようがんばった、ようがんばった』と・・・・・。おとなになってから、ザワ爺、あなたの声が、高校時代以上にくっきりと聞こえてくるのです。その声に救われて、励まされて、わたくしたちは、人生という名のグランドに立って、幸せとという名の白球を・・・・・いえ、熱球を追い続けているのです。ありがとうございます。自分を応援してくれる誰かがいてくれるというのは、ほんとうに幸せなことなのだと、わたくしたちは、あなたに教わったのです。
ある意味、高校野球の「神髄」を教えてもらったような・・・。
本当に、すばらしい小説です。

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