「桜の花は満開の 人の心も春めいて なんとなくいい気持」
これは二代目広沢虎造の浪曲「石松金毘羅代参」の始めの部分にでてくる一節です。
この言葉の通り、気持ちいいですねえ。
どちらを見ても満開の桜。
この浪曲に歌われているとおり、
昔から花と言えば桜
桜と言えば花見
人の心もウキウキと、沸き立ってくるものです。
そこで、今日は少々江戸時代の花見について。
江戸の庶民にとって、花見は年に一度の楽しみでした。
準備に大騒ぎし、楽しみを待ちわび、興奮する当時の人々の様子をいくつのの川柳がうたっています。
花見の前の日、人々の心は明日の天気はどうだろうか?ということに関心がいく。
今みたいに天気予報があったわけじゃないから。
○花の雨寝ずに塗ったをくやしがり
と時間を掛けて塗った紅や白粉はもちろんのこと、前夜からの準備が無駄になるばかりか、本来ならば花のもとで歌って踊って過ごすはずの一日がパーになったことを悔しがる。
また、ふるともふらないともつかない空を眺めながら
○花曇り傘で半時ほどもめる
と傘を持つかどうかで意見がわかれ、家の中では
○腰帯をしめつゆるめつ花曇り
と行くか行かないかに気をもむ。
だから前の晩
○花の宵処処に坊主の首くくり
○花の宵紙をまるめて祈るなり
と、よい天気を祈ってテルテル坊主を作る。
また、
○花の宵下女コンニャクによりをかけ
○髪を結う側で重詰めあけて見せ
といった川柳からは弁当に特に手を掛けたということがわかるし、
○あすの花下女すそ幕に夜をふかし
と、主人のしたくをおえたのち、使用人もまた心をときめかせながら着物の裾や袖をつくろい、自身の晴れ着を準備した。
翌朝早く起きて
○下女がおもても白々花の朝
と、念入りに化粧をすれば、
○花の朝いやぁと下女もほめられる
と、下ばたらきの女でさえ、いやぁどこのお嬢さんかと思った、とからかわられるほど女ぶりがあがる。
いくつか川柳を紹介しましたが、家族も下女も、町中が花見となれがウキウキする江戸の花見。
いまでも同じでしょう。
震災の今だからこそ、せっかくの満開の花で、みんなウキウキしたいですね。
今日は、江戸の花見についてでした。
参照:江戸の花見 小野佐和子
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