ただいま、大阪市内のネットカフェに滞在中です。
ネットカフェといえば、大抵時間制でパソコンが使い放題と
ドリンク飲み放題という形式であります。
私はその中の「カルピス」に目がとまりました。
カルピスが創業者三島海雲がモンゴルの酸乳をヒントにした
研究開発でうまれて85年、日本人がつくりあげたおいしくて
健康的な飲料はいまはコンビニでも必ずにしますが、
こうやってコップで飲むのは久しぶりのことであります。

コンビニで買ったカルピス
カルピスといえば私自身、幼い頃からよく飲んできました。
夏の暑い日に、外から帰ってきて、冷蔵庫の氷をグラスに
入れ、カルピスを下のほうに少し、そして水道の水で薄めて
ごくごく飲む。扇風機のダイヤルを強にして高校野球や
子供アニメ大会などをたたみの上に寝転がって見る。
そんな夏の日を思い出します。
そして近所に住んでおられたUさんを思い出しました。
気のいい親父さんと、優しい奥さん、3人の子供さん、
年中何故か怒っている愛想の悪い頑固なおばあさんと、
逆に毎朝挨拶していた愛想のいいお爺さんの一家が3階建ての
洋館にすんでおられました。
下の息子さんがちょうど弟と同級生で、私も時々Uさん宅にて
遊ばしてもらっておりました。
ある日もそうやって遊んでいると、お婆さんは「うるさい」だの
なんだの機嫌が悪く仏壇の前でぶつぶつ言っている。
そこに現れた奥さんがまあまあと婆さまをなだめながら
私たちを手招きする。私たちはそんな婆様に「あっかんべー」
しながら奥さんのほうへ駆け寄っていく。
そして振舞ってくれたのはガラスに入った冷たいカルピス。
きりっと冷えてて、優しい甘さでした。
また、冬の日は、お湯でうすめたカルピスを頂きました。
どちらもその味は今でも覚えています。
数年後、一家は京都の北の方へ引越しをされました。
上の優しかったお兄さんがお亡くなりになったと聞きました。
学校のクラブ活動中の不幸な事故だったと新聞で知りました。
下の息子さんは恐らく今は27歳のはずであると思います。
とても大きく見えた3階建ての洋館は、その後取り壊され、
今は月極駐車場となっています。
そんな一家のことを思い出しながら、しみじみ飲むカルピス。
ちょっと特別な飲み物かなと思いました。

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