5/29は昼夜2本立てのコンサート三昧の日々を楽しんだ。「フェイス・フィルハーモニー管弦楽団」は世田谷区深沢を根拠地に音楽を楽しむアマチュアオーケストラである。(FACE Philharmonic Orchestra)場所は都立大跡地に立てられためぐろパーシモンホール。いつも小ホールのコンサートだったか、今日は大ホールである。1300人は入るだろうか?こういう場所で演奏は楽しいだろうな?
演目は、モーツァルト、ドンジョバンニ序曲。31歳のモーツァルトは徹夜で作曲、朝方写譜屋に手渡した。ああ、あのSax machines の10年の譜面を書き上げる悪夢が思い起こされる(笑)。いつも時間との戦いなのだな?作曲家の仕事は!!
そして、サンサーンスのバイオリン協奏曲3番Bマイナー、独奏の竹田詩織さんはまだ芸大を出たばかりだが、受賞歴も多く、素晴らしい表現力の若きバイオリニストである。
http://profile.ameba.jp/annaandjiro/
ブログを拝見すると、ポップス系も沢山経験している今風の人である。クラシックのソロイストを聞いて感心するのはその表現、技術よりもむしろ記憶力である。よくぞあの長いコンチェルトを記憶できるものだ。 指揮者の沖野のどかさんも、あどけない可愛らしい風貌に似合わずダイナミックな指揮ぶり。
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さて中野ゼロホールに、移動すると今度はジャズである。長崎のアートオウルジャズオーケストラ、そして東京でアートクロウジャズアンサンブルを率いる内田真嗣氏が、長年の念願だった、穐吉敏子さんとの共演を果たしている・・との感動が伝わってくるのと、我が菊地道場の優秀な生徒であった、小野塚豊(ts,fl)、遠藤理史(ts)が共演すると言うことで、これは聞かないわけには行かない。
もちろん二人の快演と、オーケストラと穐吉さんの素晴らしい演奏は言うまでもない。小野塚君の堅実で、嘘のない音楽的な演奏、遠藤の、存在感のある硬質なテナーサウンドは健在で思わず拍手を何回もしてしまう。
穐吉敏子さんの曲は大好きで昔良く聞いていたが、その記憶が鮮やかに甦る懐かしい経験をさせて頂いた。20代でアメリカに渡り、その時自分はまだ生まれていない(笑)。
ジャズの歴史を現場で肌で感じながら生きてこられた方で、アメリカで認められている日本人ジャズ音楽家としてその功績は全てのジャズに関わる日本人が頭を垂れて讃えるべき方であり、瑞々しいピアノ演奏と、素晴らしい作曲作品は、新鮮な息吹を今日も失わない。
指揮の仕方や、その立ち姿は、80代女性とは思えない凛として美しいもので、その存在に感動した人も多いだろう。
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昨日は、友人から勧められたアメリカでゲイや、黒人、アジア人、障害者の解放に尽くしたハーベイミルク氏の伝記映画「ミルク」を見た。なかなか理解を得られないゲイの人達に勇気を与えて世の中に認めさせた功績は大きいが、感心したのはそのユーモアのセンスである。
駅で通りすがりの若者に声を掛けるが、「40代以上の男は相手にしていない。」との答えに、「良かった、今日誕生日で40歳になるが、それまで3時間有る、どうだい?一緒に?」と交渉成立(笑)。
成立後にベッドで「駅で声を掛けられたからと言って、のこのこ着いていったりしたら駄目だよ。」とお説教(笑)。
サンフランシスコで政治家になったのち、頭の硬いキリスト教系の、ゲイを認めない論者に、「人間の基本は家庭にある。男女が集って子供を作り、育てる。君たちには子供を作ることは出来まい。」に笑いながら答えて「いつも努力はしているのだがね?」
日本人音楽家に最も欠けている、この余裕、ユーモアのセンスを学んだら、この行き先不透明な難しい時代もきっと乗り越えられるに違いない。(爆爆)(^_-)

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