今回の教室の生徒さんの参加は約20名、ギャラリー、スタッフを入れて40名弱のセッションは、楽しい。場所は目黒・音の箱。
我が菊地サックス、フルート道場は、今年は転換期に入った。それは、音感ソルフェージ教育が、ジャズの演奏、ひいてはアドリブには必要不可欠との思いから、移動ドレミ読み、聴音に今年からは今までにも増して力を入れてきた。
私が小学生の頃は、当たり前のように、ハ調が、ト長になると、ソがドになるんですよという風に習ったものだが、現在40代より若い人達は、固定ド教育を受けてきたという事である。道理で出来ないわけだ。
私はもともと移動ドの人間なので、固定ドの状態というのがそもそ想像しないと出来ないのだし、ジャズのフレーズなども、当たり前のようにしょっちゅう、同じフレーズを違うキーで演奏するわけだから、移動読みを広める良いチャンスが来ているという風に考えることにした。
ささやかながら、我が道場では、12のキーをそれぞれドレミと歌える音楽として健全な音感の人を増やすべく、これを方針、及び具体的練習法の探求、実践を続けているのである。
ジャズのアドリブや、機能和声って、移動読みでやらないと効率悪すぎて、固定読みのジャズ屋さんは、人に言われぬ苦労をしているのは事実である。
日本の音楽教育に一石を投じる著作、啓蒙活動は道場とは別に構想があるので、それはおいおい明らかになっていくことだろう。ただ、移動か固定かは、音楽のとらえ方の根幹なので、その必要を感じない人には、移動読み教育は行わないし、それは選択制であり、希望者には教えるというシステムでもあるのだ。
さて、一年に二度有るセッション及び発表会では、初心者は、いい音で、曲を間違わないで演奏するのが目標。更に力のある人は、創作したアドリブ、即興演奏の業を披露するのだが、聞いている私は、はらはらドキドキ。(笑)
良い音楽の持っているスリルとは全く意味が違う。初心者がちゃんと間違わないで終わりまで行ってくれよという、祈りにも似たはらはらドキドキなのである(笑)。
今回はレッスンで、ちゃんと吹けることを確認し認定した曲しかエントリーを認めないシステムにしたので、安心感は大幅にアップした。やけ酒を飲むことはなくなった(笑)。
皆さん、いつもの努力の成果を発揮してそれぞれ満足、達成、悲喜こもごもの結果だったと思うが、個々の名前は出さずに、演奏の発達段階という事を考えてみたくなった。
まず、音楽の3要素だが、それは、決して、酒、女、麻薬では決してないのだ(笑)。まず、メロディ、そしてリズム、最後がハーモニーだろう。
だが、実際に演奏するときに第1に必要なのが、リズムだろうな?リズムを取ると言うことは、手拍子、足踏み、そしてスィング、体の動きなのである。
日本人は農耕民族だから、田植えのリズム(盆踊り)、そして海の民の櫓を漕ぐリズム(ソーラン節系)、阿波踊りのようなちゃんかちゃんかいうリズムも体に持っている。
ジャズやロックの、ファンクやラテン、サンバなどのリズムも、慣れると出来ないことはないのだ。今日のホストバンドの百瀬君は日本が産んだ素晴らしいドラマー・ジョージ大塚の弟子で、菅原正宣(b)のスピードのあるベースプレイと共に、私は今日はその素晴らしいスィングに酔ったが生徒の皆もそれを感じてくれたことだろう。なに?自分のことで精一杯で感じる余裕が無かったって?それは残念だね?
君たちの良い演奏は彼らの素晴らしいリズムに支えられていたのだよ。
また特に昔の教育を受けた人達は、休符を無視する傾向がある。
まずメロディをリズムを正確に演奏して記憶すること。
次に音の高さを知覚し記憶しなくてはならないが、音には高さはあるが、それを楽器に翻訳するには、まずドレミを知覚し、その運指を即座に呼び出せないと演奏は出来ないわけだ。
音感を付ける事、それには、色々なメロディをドレミで歌い、記憶し、指と関連づける練習が必要になる。楽器の練習だけしていても駄目だと言うことだよ。
ちゃんと吹けるのだけど、バックが聴けない人もいる。アウフタクト(引っかけで入ること)が理解できない人もいる。例えばいそしぎの様に引っかけで入る曲。これも本番でやり直しさせると、傷ついて立ち直れなくて辞めてしまう人もいるから気を付けないと・・・(笑)
要するにバックのコード進行などの音が頭の中で鳴っていないのだろうね?どうしたら鳴るようになるのだろう?じっくり考えてみたい。
フルートの K さんのように、非常にゆっくり上達して、何回も発表会、セッションを見学した上で今回参加の人もいる。教えている身としても、今日の快演は、感激ひとしおなのである。
名古屋から参加の H さんの伸びのある素晴らしいアルトサックスの音にも皆度肝を抜かれていたようだ。個々の詳しい講評はおいおい載せる予定だが、個人的には、久保崎師範代との二人羽織(吹奏:久保崎、指の操作は私)によるブルーボッサのソロが、思いの外うまく行き喝采を浴びたのが愉快(笑)。
未体験の人は、いつか体験してください。おかしくてその後吹けなくなっても当局は関知しませんので・・・(笑)
また、生徒の演奏と同名の曲(バードランドの子守歌、サテンドール)などを里ひろみの歌と私の伴奏で行ったのも面白かったと思う。(続く・・)

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