「昨晩は、ルードナルドソン(as)を鑑賞に、青山ブルーノートへ。」
音楽エッセイ


もう80才に成らんとするご老体だが、威厳とユーモアを感じさせる出で立ちで登場、堂々たる演奏を堪能しました。そのサックスの音に、歌い回しと、リズムの乗りに、優しさと懐かしさ、ユーモアが渾然と立ちのぼり、聞いていて、古ーい映画を見ているような不思議な感動がありました。
バラードの他は、全てブルースだったが、16ビートのシェイクのリズムで、ジェームスブラウンを感じさせるようなダンスビートもあり、「何故みな立ち上がって踊らないのか??」
一瞬不思議に思ったが、そうだここは日本だから、踊る文化は無くて、ジャズは聞く芸術だと皆が思いこんでいることを思い出した。(笑)
ギタリスト・ランディ・ジョンストンや、ターバンのオルガンのおじさんDr. ロニー・スミスも良かった。ドラムの田井中 福司さんは、さすがの快適なビートと良く聞いてバンドを鼓舞する快演を聞かせてくれたが、やはりジャズの人の8ビートや16ビートって、ロック屋さんの乗りと全く違うね?どうしても軽く聞こえてしょうがない。
この日の一番に印象に残ったのは、ルードナルドソンが、ソロが終わると、サックスを捧げもののよう頭の高さまでかざして目を閉じ敬虔な表情で客席に向かってお辞儀をするところだ。
なんて美しい仕草と表情なのだろう。お客様に対して、自分に対して、音楽に対して、神様に、感謝と敬虔な祈りのようなものを、一瞬で表現している。それが80年も生きてきた人がするのだから、説得力がないはずはない。美しいものを見せてもらった。有り難う、招待してくれた船井由美さん。

0