新型コロナワクチンの接種が日本でも始まり、
実際に注射している場面の映像を目にしますが、
海外の注射方法はなんだか違うような・・・。
注射針が血管に刺さっていないことを確認するために、
針を刺した後少しピストンを引いて血液の逆流(逆血)を確かめる
というのが私が40年以上前に学校で習った方法ですが
海外の映像では、針を刺したら、そのまま薬液を注入しています。
でも、日本の映像では、血液の逆流を確認している。
日本語版の様々なサイトを調べても、そうするものだ、みたいに書いてあります。
新たな知見、エビデンスが見つかったのだろうか。
ということで、調べててみました。
英国の看護雑誌 Nursing Times のウェブ版に
https://www.nursingtimes.net/clinical-archive/assessment-skills/injection-technique-1-administering-drugs-via-the-intramuscular-route-23-07-2018/
(Google 翻訳)「注射器を挿入した後、注射器を引き戻して、注射針が血管内にあるかどうかを確認するのが一般的な方法です。臀部の動脈に近接しているため、臀部の筋肉を使用する場合は吸引することが重要ですが、他の部位の筋肉注射には必要ありません(PHE、2013; Malkin、2008)。
とありました。このサイトで、臀部への筋肉注射は「推奨しない」となっていました。
引用元のBridget Malkin(2008)の論文 Are techniques used for intramuscular injection based on research evidence?(筋肉注射の手技に研究データ・エビデンスは使われているのか?)はPDFでダウンロード可能です。
https://www.researchgate.net/publication/23936355_Are_techniques_used_for_intramuscular_injection_based_on_research_evidence
なになに・・・・
WHOも2004年から臀部への筋肉注射は推奨しておらず、注射部位から臀部が外れれば、そもそもピストンを引いて血液の逆流(逆血)を確かめる必要はない・・・。
おおおおお。納得。日本の筋肉注射手技は、最新のエビデンス・知見を反映していないことになりそうです。そして、悲しいかな、世界から遅れているみたいです。