昨日(6日)はJVC(日本国際ボランティアセンター)の25周年のイベントが代々木のオリンピック記念青少年センターでありました。昼間は法務(法事などお寺の仕事)があり、記念シンポジウムには間に合いませんでしたが、パーティーに出席し、懐かしい人々とも久しぶりに再会しました。
現在、理事として組織に関わっていますが、JVCは私にとって最初のNGOです。80年代、国連も認めず内戦の最中にあったカンボジア国内で活動する唯一の日本のNGOだったJVCの門を叩きました。
当時事務局長だった星野昌子さんがスピーチで、
「今ここにいる顔は25年前とは全員が同じではないが、顔つきは全く同じ。それはここにいる誰一人、動員されて来ているのではなく、そして国家を背負って活動しているのでもない。それぞれが自発的な意志で、人間として活動している顔だ」
とおっしゃいました。まさにNGOそしてボランティアの原点です。だからこそあの時代にカンボジアにいたわけです。
国交もなく国連も承認してないところに行ったり支援したりするとは何事だと、非難されたり非国民呼ばわりされたこともありました。しかしそんな中傷や妨害は、自分勝手な立場を守るためか、現実を知らないか、本当の正義とは何かを考えないから出てくるものです。自ら問題を見つけ、自らの意志で飛び込み、自ら考えることで、人間は自らの責任を果たし自らの信頼を築き自らの命を生きることができます。それを学び、実践する場がJVCであり本来のNGOです。
そんな「初心」を思い起こしつつ、25周年に集う「同志」の顔を見渡して考えたのは、自分を含めそもそも私たちを駆り立てたものは何だったのかという疑問です。まずは悲惨な状況を知りじっとしていられないと言う共感や慈悲心があります。では、それがない人との違いは何なのでしょうか。あったとしても行動するかしないか。それぞれの人格の基礎となるヒューマニズム、社会思想、宗教、文化、等々に根ざした情熱でしょうか。
ボランティアが行動規範に組み込まれている宗教もありますが、それとは違う次元で内部から突き動かすものがあります。集団の意志ではなく、神や仏、あるいは真理や真実と向き合った個人の意志を自覚するからこそ、宗教や民族、思想信条を超えてつながり、尊重し合い、支え合い、高め合い、共通の歴史を認識し、現在を生き、未来の夢を共有できる。そんな実感を改めて感じた夜でした。

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