ずぶ濡れになりながらラグビー大学選手権の決勝を観戦した国立競技場から、一路新宿へ向かった。ビルの地下1階にある「青年劇場スタジオ結(ゆい)」は意外と広く、天井も高い。「問川ビル」というこの建物の元のオーナーは、隣にある浄土宗太宗寺の住職のご兄弟で医師だったそうだが、演劇活動を支援するため、建築当初から稽古場として設計され、深く掘り下げ、柱もない空間が提供されたという。
ここで今日は、“安保体制打破 新劇人会議 反核フェスティバル”と銘打って『タバスコホステル』という芝居が上演される。
映画を専攻する大学生が、ニューズウィーク日本語版で読んだ記事をきっかけに、卒業制作脚本の題材として、パレスチナの少女による「自爆テロ」に関心を持ち、現地を訪ねていろいろ考えたという内容だ。その芝居の上演に先立って、1時間弱、パレスチナの話をするというのが僕の役目だった。
1週間ほど前、パレスチナ子どものキャンペーンの理事会の折に、昼の部は代表の北林が話をするが、仕事があるので夜の部をやって欲しいと言われたのだ。歩く百科事典みたいな北林の後というのはチト荷が重いし、ラグビーの後の精神状態への不安もあったが、みんな「なんだかよくわからない」と首をかしげる芝居への興味もあって引き受けた。(続きは後ほど)

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