「元旦に搾った久保田の生酒が呑める」という言葉につられ、見樹院の修正会を終えて上越新幹線に飛び乗った。
長岡に着くと友人の高野君に迎えられ、タクシーで彼の実家のある栃尾に向かった。駅の正面に見えた山並みをトンネルで抜けると、雪の量が増えたと思う間もなく、競輪の“場外”が出現。こんなところに、と思うが、地元にとっては重要な経済スポットで、県内各地から人が集まると言う。
ものの20分足らずで栃尾の町に入る。市町村合併で、今は長岡市の一部になっている。もうひと山越えると山古志村というところだが、地震の被害は少なかったそうだ。小学校の社会で習ったことのある「雁木」は、葉抜け状態で断続的だ。
家に着くなり、やはり帰省中の弟君と3人で酒盛り。普段は一人暮らしの母上にもてなされ、正月も2日の明るいうちから、いくら寿光院(うち)へ来れば酒を飲んで“都の西北”を高唱するタカノの実家とはいえ若干以上の後ろめたさを感じるが、搾りたての久保田は旨い。景虎も旨い
そしてつまみの目玉は、ご当地栃尾の油揚げ。「厚揚げ」と言いたくなるような厚みだが、やはりこれは「油揚げ」。栃尾の町では豆腐屋ではなく「あぶらあげ」の看板が掲げてある。焼きたてに生姜醤油をつけて、いくつ食べたか覚えてない。
飲み明かそうと息巻いていたものの、年末から正月行事を済ませた疲れには勝てない年齢、日付が変わる前にダウン。結局、うちにいてはありえない時間まで朝寝坊。こんな正月は何年ぶりだろうか。


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