仏教の「縁起」の思想は、一人ひとりが世界を変え、一瞬一瞬の行動が未来を変えていくと説きます。平和・人権・環境にかかわる活動を通し、足元から、そして現場主義をモットーに、言いたいことを言わせていただきます。
2009/3/27
徹底的に破壊されたガザの復興は、依然として続く封鎖とイスラエルの実質的な支配により、遅々として進まない状況です。
一方、選挙の結果、以前に増して右傾化したイスラエルの方向性にも、あまり希望は見出せないのも事実ですが、だからこそ、微妙な変化や人々の意識を読み取っていく必要があります。
それらを知る上で、CCPの顧問でもある法政大学の奈良本先生が配信するJPMA通信は、私にとってありがたい情報源です。ML参加者以外にはなかなか読める機会がないので、転載します。≪↓「続きを読む」でご覧下さい。≫
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◆■ 森岡医師、今度こそガザへ ■◆
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2月にガザ入りを拒まれた森岡医師は、4月3日に日本を出発し、再度ガザに入ることを計画しています。すでにラファからのガザ入りにエジプトのOKが出ていて、今度こそガザの病院で活動できそうです。12月から1月にかけてのガザ攻撃では、火災を引き起こす白リン弾が使用され、従来にも増して多くのやけどを負った患者がいます。おそらくシファ病院で、多くのやけどの患者の手術にあたることになりそうです。
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◆■ ニュース速報 ■◆
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イスラエルでは、リクードのネタニヤフ党首を首班とする連立内閣が、4月初め発足する見通しとなりました。労働党が少差で右派政権に加わることを機関決定、ネタニヤフ党首は、組閣に必要なクネセト(イスラエル国会)議席の過半数確保に成功したからです。労働党内左派からは強い反発があるので、まだ、紆余曲折があるかもしれません。
この連立には、エルサレム問題を対パレスチナ交渉議題にすること自体に反対の宗教政党「シャス」も加わります。世俗右翼のリクードにせよイスラエル・ベイテヌにせよ、エルサレムの一部といえども、パレスチナ人に返還したり、彼らと共有することに応じたりするとは考えられません。
象徴的な事件が20日に起きた、イスラエル警察による「エルサレム・アラブ文化祭」記念行事の実力阻止です。これに関連した少年のサッカー大会や風船飛ばしまで徹底して止めさせる。傍目にはパラノイア以外の何ものでもないように映るのですが、これを見ると、今の状況がよくわかるのではないでしょうか。
以下、3月20日以降のニュースです。
《パレスチナ・ニュース》
【3月20日(金)】
■イスラエル、「エルサレム文化祭」を実力阻止■
イスラエル警察は、東エルサレムと周辺で計画されていた「2009年エルサレム・アラブ文化祭」の開会行事を中止に追い込んだ。
この日、イスラエルの警官隊は、いくつかのコミュニティ・センターや学校を急襲、開会行事を準備していた実行委員らパレスチナ人を拘束、参会者を実力で解散させた。警察の報道官によると、8ヶ所で20人が捕まった。
旧市街北部のブルジ・アル・ラクラク協会では、建物の中庭で開催予定の私的な祝賀会を警官隊が急襲、中止を命じ、理事長を拘束した。
若者たちが、母の日を記念して風船12000個を飛ばす計画も阻止された。実行委員会は、エルサレムの文化的伝統の守護者としてのパレスチナ女性たちを讃える主旨だったという。
ラス・アル・アムード地区では、開会を祝うためシリアから運ばれてきたタイマツが押収された。
このほか、エルサレム各地で企画されていた、少年のサッカー大会や子どもの遊びなどの記念行事も中止に追い込まれた。
この文化祭は「アラブ連盟教育・文化・科学機構」の支援だが、イスラエル当局は、パレスチナ自治政府の企画がエルサレムで行われることは許さないとしている。イスラエルは、1967年の第3次中東戦争後、エルサレムの一方的併合を宣言、「イスラエル領内での自治政府の活動」をすべて禁止している。
エルサレム・アラブ文化祭の開会記念行事は、同様の理由でナザレでもイスラエル当局に阻止された。
文化祭開会式は、ナーブルス、ラーマッラーなど西岸地区の諸都市、ガザ地区、レバノンの難民キャンプでも行われた。(3/21 Maan News, Reuters)
【3月22日(日)】
■ハマース、アメリカとの対話に期待■
同日付のイタリア紙La Repubblicaによると、ハマースのハレド・メシャール政治局長は、アメリカのオバマ大統領がイランとの対話に触れたことを指摘、同大統領が中東について「新しい用語」を用いているとコメントした。
「この地域に向けた新しい言葉使いがあらわれている。これは、アメリカとヨーロッパの政策に本当の変化が起こっているということだ。ハマースと(欧米)の対話は、時間の問題だ」とメシャール政治局長は語った。
(3/22 Reuters)
【3月23日(月)】
■国連人権委理事会「イスラエル軍が少年を『人間の盾』に利用」■
イスラエル軍のガザ作戦に関連して、国連人権理事会は、ジュネーヴで開催、同軍がパレスチナ人の少年を「人間の盾」に使ったことなどが報告された。
国連事務総長特別代表のラディカ・クマラスワミ氏の報告によると、イスラエル軍がガザ市南部に侵攻した1月15日、数時間にわたり11歳のパレスチナ人少年に軍部隊の前方を歩くよう命じ、建物にも先に入らせるなど「盾」として利用した事例があった。爆発物の有無などを調べるため、複数のパレスチナ人のカバンを少年に開けさせたりもしたという。
また、母子が残る家屋をブルドーザーで破壊したり、住民を建物に移動させた後に砲撃を加えたりした事例もあると述べた。
ガザ地区の現地調査は、2月初め、クマラスワミ特別代表らによって行われた。
イスラエルのアハロン・レシュノ・ヤール代表は、報告が「テロリストの脅威を無視、軽視している」と反論した。(3/24 Reuters, 3/24 朝日)
■シャスがリクードとの連立に参加■
リクードのネタニヤフ党首は、同日未明までに最大の宗教政党シャスと連立を組むことで合意した。
ネタニヤフ氏は、これまでに極右政党「イスラエル我が家」との連立に合意している。シャスとの合意で、リクードを含めた3党の議席数は53議席になった。
イスラエル放送などによると、ネタニヤフ党首は内相や副首相などのポストを提示し、シャスが受け入れた。また、児童福祉予算の増額にも応じた。シャスは、パレスチナとの2国家共存に不可欠なエルサレムの分割を拒否している。(3/23 朝日、Reuters)
【3月24日(火)】
■労働党、リクードとの連立決める。■
イスラエル労働党は、リクードのネタニヤフ党首が組閣を進める連立政権に加わることを決めた。リクードとの協定で、バラク党首は、国防相の地位を維持することになる。リクードは「イスラエル我が家」「シャス」の右派2党とも既に連立合意しており、4党合わせた議席数は計66。新政権発足に必要なクネセト定数(120)の過半数に達した。
労働党は同日の中央委員会で、激論の後、連立協定を賛成680票、反対507票での少差で承認したが、クネセト議員13人は賛成、反対の両派に分裂した。7人いると見られる反対派の議員は「右派主体の政権と労働党の世界観は矛盾する」などと反発しており、「新政権承認の投票を棄権する」「連立に入っても与党の投票行動に従わない」という議員もいる。
この日の党大会で、バラク党首は「私は、誰かの(右派色を隠す)イチヂクノの葉にはならない」と演説した。労働党とリクードの連立協定では、イスラエルは「この数年間に政府が結んだ、国際協定を順守する」ことになっている。労働党の閣僚イサク・ヘルツォグ氏は、「これは、アナポリス宣言やロード・マップを含むものだ」と述べた。 (3/25 朝日、3/24 Reuters)
【3月25日(水)】
■「ガザ地区への物資制限、容認できない」と国連事務次長■
リン・パスコウ国連事務次長は、イスラエルによるガザ地区への厳しい物資搬入制限について、「容認できない」と述べた。
同日の国連安全保障理事会で、パスコウ次長は、ガザ地区への物資搬入が増えてはいるが、「質、量ともに不十分」で、国連は、イスラエルに対し「国際人道法上の義務を守り、ガザ地区再建に必要な建設資材と緊急支援物資の搬入を認めるよう求めている」と報告。そのうえで、「ガザ地区に通じる検問所での過酷な制限は限度を超えており、ガザの人々を救援し、希望を持たせることを妨げている」とイスラエルを厳しく批判した。
イスラエルは、依然、ガザ地区へのセメントや鋼材の搬入を認めていない。
これに対し、イスラエルのガブリエル・シャレフ国連大使は、検問所の物資搬入緩和は、イスラエル兵シャリット伍長の釈放とリンクして議論すべきことだと述べた。
また、パスコウ事務次長は、イスラエルの占領地における入植活動を批判、「いわゆる人口の自然増対策」も含めて、凍結すべきだと述べた。
PLOのリヤード・マンスール国連代表は、「入植と和平プロセスは両立しない」と述べた。
(3/25 Reuters)
■ネタニヤフ党首、組閣へ■
リクードのネタニヤフ党首は、党議員団の会合で「来週中に国会に組閣(名簿)を提出する」と述べ、新政権発足の陣容が固まったとの認識を示した。
AFPによると、リクードの幹部は、新政権の正式発足が30日、または、31日になるとの見通しを示した。ネタニヤフ氏は会合で、「労働党が加わることにより国民の希望通り、安定した、強い政府が発足する」と述べ、安定した政権運営に自信を示した。
同夜、ユダヤ教政党「ユダヤの家」(3議席)が連立参加に同意、ネタニヤフ党首は、政権樹立に必要な過半数、5党、69議席を固めたが、政権安定のため、さらに連立交渉を続ける。
ネタニヤフ氏の組閣期限は4月3日。それまでに組閣の内容をペレス大統領と国会議長に報告し、1週間以内に国会で承認を受け首相に正式に就任する。
(3/26 朝日, 3/25 Reuters)
――「パレスチナ側と交渉つづける」――
ネタニヤフ党首は、同日、経済界との会合で、「われわれの政府が、平和、安全保障、経済発展にかんしてパレスチナ側とのパートナーになる」「これは、私がパレスチナ自治政府(Palestine Authority)と交渉するということだ」と語った。同党首は、イスラエル、パレスチナの2国共存による解決策には直接触れず、パレスチナの「経済発展」を強調した。
自治政府アッバース大統領のナビール・アブー・ルデイネ顧問は、イスラエルが「明確に、2国解決を追求すると表明することが肝心だ」とコメントした。(3/25 Reuters)
【3月26日(木)】
■イスラエル機がスーダン空爆?■
今年1月にイスラエル機がスーダンからエジプトに向かっていたコンヴォイを空爆したとされる事件について、オルメルト首相は3月26日、ヘルツリーヤで開かれた会議で演説、「われわれは、テロリストのインフラを叩くためなら、遠近を問わず地球上のどこでも作戦を行う」とコメントした。空爆への関与は、肯定も否定もしなかった。
欧米やアラブの報道によると、空爆は、イスラエルによるガザ攻撃の時期に行われ、コンヴォイは、イランからの武器を積んでエジプト経由ガザ地区に届ける予定だったという。ハマースは、空爆が「スーダンを攻撃するための言いがかり」だとして、武器密輸説を否定。
また、スーダンのムバラク・マブルーク・サリーム運輸相は、高度な空爆の技術からみて、アメリカ軍による攻撃に違いないと述べたが、米軍は否定した。
同運輸相によると、1月の空爆ではトラック16台が破壊され、コンヴォイは、各国のアフリカ人と軽火器を輸送中。また、2月11日にも移住者を乗せたトラック18台が攻撃を受けたが、このときは、武器は積んでいなかったという。
(3/26 Reuters, 3/27 Haaretz)
■イスラエル兵とパレスチナ人政治囚の交換交渉再開?■
ハマース幹部ウサマ・アル・ムザイーニ氏がAPに語ったところでは、イスラエルのジラド・シャリット伍長とパレスチナ政治囚の交換交渉が再開された。
捕虜交換をめぐる交渉は、釈放される政治囚の人選や釈放後の処遇などで、イスラエルとハマースの意見が対立、暗礁に乗り上げ、ネタニヤフ首相は「交渉打ち切り」を宣言していた。
ムザイーニ氏によると、イスラエル側は、ハマースに対する政治囚釈放リストの見直し要求を引っ込め、仲介のエジプト政府高官が、24日から25日までイスラエルを訪問したという。
(3/26 Haaretz)
■イスラエル軍、ガザ攻撃のパレスチナ人犠牲者数発表■
イスラエル軍は、昨年12月末から22日間に渡った、ガザ地区作戦によるパレスチナ人の死者数を発表した。死者1166人、うち709人がハマース "militants"で、一般市民は295人、これは子ども89人と女性49人を含む。また、162人の男性は、一般市民か"militants"か不明だとしている。
この数字は、パレスチナ人権センターの発表した1417人より少なく、また、前日にイスラエル国防省が挙げた数字(1370人)を下回っている。国防省によれば、パレスチナ人の非戦闘員は、少なくとも309人。
同人権センターは、軍発表の数字が文民警察官(noncombatant police
officers)を"militants"に加えるなど、統計をねじ曲げていると批判している。
(3/26 Haaretz)
【3月27日(金)】
■イスラエル兵釈放交渉の進展を否定■
イスラエル首相府は、シャリット伍長とパレスチナ人政治囚の交換交渉に新たな進展があったという、ハマース幹部の話を否定した。その一方、イスラエルとハマースを仲介しているエジプトの高官が24日にイスラエルを訪問したこと、イスラエル側のシャリット伍長問題担当者とも接触したことは認めた。(3/27 Jerusalem Post)
■「スーダン空爆はイスラエル軍」とアメリカ当局者■
同日のニューヨークタイムズによると、複数のアメリカ当局者は、1月にスーダンでコンヴォイを爆撃したのはイスラエル空軍だと、語った。
アメリカの情報専門家は、イランがガザ地区への武器密輸に関与しており、イランの革命防衛隊の部隊が、そのためにスーダンで活動しているとみている。(3/27 New York Times)
(主な出典:Haaretz、Maan News、New York Times, Reuters、朝日)
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◆◆ ガザ緊急医療支援にご協力ください ◆◆
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昨年暮れに始まったイスラエルによるガザへのまれに見る激しい攻撃は、ガザの人々の生活を徹底的に破壊してしまいました。医療も例外ではなく、病院までイスラエルの攻撃にさらされ、壊滅的打撃をうけました。日本パレスチナ医療協会は、この状況を少しでも和らげるため、ガザへの緊急支援に乗り出しました。2月に森岡医師をガザの病院へ派遣しましたが、イスラエルにガザ入りを拒否され急遽エリコ病院で活動することになりました。
その間の経過はニュースレター59号(ガザ救援特別号)に詳しく載っています。
また現地医療機関・医療NGOを通して資金を送ることを計画しています。カウンターパートであるPRCS(パレスチナ赤新月社)へ5千ドル、PMRS(パレスチナ医療救済協会)へ1万ドル、アハリ・アラブ病院(ガザ市)へ1万ドルをすでに送りました。さらに別の病院へも支援を計画しています。また、さらに医師の派遣も考えています。
そのため緊急に資金を必要としています。是非ご協力をお願いします。
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