データの見方や考え方などの参考になりそうだったので。
https://ja-jp.facebook.com/satoru.utsumi/posts/441554595928299
児童虐待は増えている、なんて思っている人、もう一度ゼロから勉強しなおしてください・・・・・
厚生労働省発表の、「児童虐待相談の件数及び虐待による死亡例件数の推移」より、児童虐待数がどのように推移しているかを検討してみたいと思います。
http://www.crc-japan.net/contents/situation/pdf/20120201.pdf
これを見て皆さんは何を考えるでしょうか?ほぼ大半の方々は、この数字の推移により日本では虐待が大幅に増えているのではないか?と考えると思います。
しかしそれは本当であるか、事実に注視しながらしっかり考える必要があります。
まず実際に増えているのは、あくまでも「児童虐待相談の対応件数」であり、「児童虐待認定件数」ではないということです。
厚生労働省はCMやネットを使って、「児童虐待通報」を積極的に行なうよう、国民に周知徹底していますので、「虐待通報件数」は劇的に増加しています。現在の虐待件数はおそらくこの「虐待通報件数」を、厚生労働省は「児童虐待相談の対応件数」と、おきかえているのではないかと推測されます。
厚生労働省は児童虐待の統計を平成15年から取っています。その中に「児童虐待によって子どもが死亡した件数」があるのですが、平成15年から平成22年の7年間で、死亡件数は横ばいです。
児童虐待による「死亡数」は、時代や個人の主観による「虐待」の定義に左右されない、明らかな「虐待」の件数としてカウントできる、「児童虐待」の客観的件数だと考えられます。
その客観的な数字が横ばいであるということは、実際には児童虐待は増えてなどいない可能性があると推測されるわけです。
逆に言えば、@に挙げたように、「児童虐待対応件数」が増えていて「児童虐待認定件数」も増えているという仮定に立つならば、「児童虐待によって子どもが死亡した件数」がほとんど変化なしということはどういうことでしょう?本来最初に防がなくてはならないはずの、死に至るような児童虐待に対して、児童相談所が全く機能していないのではないでしょうか?
ここ数年児童相談所の権限は非常に強化されてきました。その事は後のページで触れますが、強大な権力があるにもかかわらず、実際は全く死を防げていない。このことを私たちは注意深く観察する必要があります。
「児童虐待によって子供が死亡した件数」に関しては、別の意味で見方を注意する必要があります。
平成15年の第一次報告から、よく見てみると、平成19年の第五次報告までは、死亡件数が増えているように見えますが、第一次報告は、たった6ヶ月の死亡数であるのに対し、第五次報告は、15ヶ月もの死亡数になっています。このように厚労省は、死亡数を出す期間を意図的に変えることによって、虐待死数が増えたかのように印象操作している可能性があります。
「児童虐待7万件超 過去最悪」のウソ――減少する虐待死、煽られる危機感
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20140805-00037997/
http://megalodon.jp/2014-0805-0741-38/bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20140805-00037997/
繰り返される壮大なウソ
今夏もまた、壮大なウソが報じられた。「虐待増加」「過去最悪」の報道である。
4日、厚生労働省は2013年度に全国の児童相談所に寄せられた虐待相談の対応件数(以下、相談件数)を発表した。件数は2012年度よりも約7,000件増の73,365件(速報値)に達し、1990年度に調査が開始されて以来、24年連続の増加となった。
この発表を受けて、マスコミ各社の報道には、「過去最悪」「虐待増加」などの危機感を煽る言葉が並んだ。ここで読者の方々に、冷静になって考えてほしいことがある。はたしてこの世の中、子どもと養育者との関係はそれほど劣悪になってきているだろうか。
虐待、体罰、いじめ… 子どもに降りかかる暴力や危害に対して、これほどまでに敏感な時代はない。子どもの人権を尊重しようと、不断の努力を怠らない社会の到来である。虐待防止活動がこの20年余りの間に驚く勢いで拡大し、悲願の児童虐待防止法も制定・施行(2000年、その後複数回にわたって改正)され、また養育者を対象とする子育て支援のサービスも急速に普及した。これほどまでに子どもを大切にする社会において、それでもなお「過去最悪」の事態が訪れているとは、いかにもおかしな話ではないだろうか。
「過去最悪」ではなく「過去最良」!
虐待の件数を、ゼロ件にする方法をご存じだろうか。その答えは、「目をつぶればよい」である。養育者が子どもを殴っていても、見て見ぬふりをすればよい。あるいは、見たりまたは報告を受けたりしても、「しつけ」だと考えればよい。このとき、児童相談所が把握する「虐待」の件数はゼロ件になる。
逆に、私たちが子どもの人権を尊重し、虐待を許さないと私たちが真剣に考えるならば、そのとき児童相談所の相談件数は増加する。7万件を超えた事態というのは、「過去最悪」ではなく、むしろ「過去最良」なのである。公式統計がもつこうした特徴は、犯罪学や社会学の世界では常識であるものの、まだまだ一般には知られていない。
減少する虐待死
「じゃぁ、本当のところはどうなっている?」という疑問が出てくるだろう。ここでは「死亡」にかかわる件数を見るのがよい。なぜなら、死亡はそう簡単に目をつぶって済ませることのできない事態、つまり私たちの意識の敏感さにかかわらず、ある程度客観的に実態が把握されるものだからである。死亡は、警察や病院関係者による精査を経て、それが虐待によるものであるかどうかが決定される。
下の図を見てほしい。棒グラフは、相談件数である。折れ線グラフは、実線が虐待による死亡児童数、点線が無理心中による死亡児童数である。実線も点線も総じて下方に向いている。つまり、子どもが養育者によって殺害されるケースは減少しているのである。
相談件数は急増し、死亡件数は減少している。これはけっして不思議な事態ではない。なぜなら、子どもを大切にする社会では、子どもの死亡は減り、それと同時に子どもが受ける小さな危険が次々と表面化するからである。安全な社会ほど、(小さな)危険が目立つ。「安全と危険のパラドクス」とでも言うべき作用がここに生じているのである。
本当に減っているとしても「減らしたい」という主張が認められるべき
虐待防止活動は、正義であるがゆえに、その主張が批判されることはあまりない。しかし、現実を直視しない、現実を捉え損なった主張が毎年のように繰り返されることは、けっして好ましいことではない。虐待防止に携わる人びとの絶え間ない努力によって、死亡数は減り、また児童相談所への相談も次々と寄せられるようになってきた。もちろん、個々のケースでは、信じがたい凄惨な事件がいまも起きている。しかし日本社会全体としては、虐待防止活動の成果が実を結びつつあると評価すべきである。
虐待問題を論じるときにいま必要なのは、虐待が実際に減っているとしてもそれでも「減らしたい」という主張が認められることである。私たちはなぜか、「悪くなっているから、改善しましょう」という論を立てたがる。しかし大事なのは、「悪くなっていないとしても、改善しましょう」と主張できることである。
「本当に虐待が増えているから、減らしましょう」とウソの根拠を立てる場合、「本当に減っている」というエビデンスが出されたとき、もはや「減らしましょう」と言えなくなってしまう。そして上記の虐待死や無理心中死の変動は、まさにそのエビデンスであった。もうそろそろウソをやめて、現実に見合った議論を展開すべきである。
2013年度も、1年の間に養育者の虐待によって子どもが54名亡くなっている(虐待死25名、無理心中による死29名)。これだけで十分に大きい数字である。「本当に減っているとしても、それでも減らしましょう」、皆がそう言えるようになったとき、子どもたちにとって本格的に安全な社会がやってくるのだろう。
※続編では、「虐待増加」の説明に注目し、相談件数が24年間一度も減らないことの謎に言及する予定である。
【図の補足説明】
○虐待死と無理心中死については、次の警察庁の統計資料を参照した。『児童虐待から子どもを守るために』(2007)、「平成25年中における少年の補導及び保護の概況」(2014)。なお,統計データは1999年から警察庁により集計・公表されるようになったものである。
○児童とは18歳未満を指す。
○児童虐待防止法がいうところの虐待行為が,刑法犯等(殺人や傷害致死)として検挙された事案である。
○出産直後の嬰児殺を除く。
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