子供に英語で話しかける勇気  2) 滝つぼ体験談

子供に英語で話しかける勇気 TB055

私の夫はイギリス人で、うちの子供は現在3歳半ですが、我が家では英語を子供の母国語と決め、私は英語で子供に話しかけています。

かつて大学の教育心理学の授業で、「バイリンガルは知能指数が劣る」というショッキングな事を聞き、それまでのバイリンガルに対する認識を覆された思いがしました。それは、「人間は考える時に言葉を使って考えるが、二つの言語を同時に発達させようとすると、その発達がどちらも浅くなり、深く複雑な内容を考えられない」というような内容だったと思います。

ところが、英国へ来て周りを見渡すと、母親または両親ともが日本人なのに日本語が話せない子供が大勢いて、独身だった私はどうしてそうなってしまうのか、まったく理解ができませんでした。自然と私の頭の中には「日本語で育てている人はいいお母さん、子供が英語しか喋れないのは、お母さんが怠けているから」という方程式が自然と成り立ってしまいました。

やがて私も母となり、我が子に日本語で話しかけていたのですが、出産ギリギリまで働いていた事や日本人があまり多く住んでいない地域だった事、その上、車の運転ができなかった事などから、私は子供がさい1歳以上になるまで、日本人のお友達を一人も見つける事ができませんでした。

子供を通す友達はすべてがイギリス人。英会話だけではく、英語の童謡や手遊び歌など、何も知らなかった私は必死で勉強しました。私の母も、初めての孫で気も回らなかったと見え、日本語の絵本やビデオなど一切送ってくれなかったので、すべての環境が英語なう絵、私は身体を壊し、住み込みのお手伝いさんや夫の姪が同居したりもし、いつしか家庭内の殆どの会話が英語一色となっていました。

このままではまったく日本語から離れてしまうと焦った私は、日本人のお友達作りに精を出し、公文の幼児教室に連れて行ったり、日本語の童謡やビデオ、本の読み聞かせなどを必死にやるうちに、子供も少しは日本語がわかるようになりました。

しかし、やれやれと思ったのも束の間。やがてナーサリー(幼稚園)に行くようになったりすると、今度は他の子供との英語面の発達が歴然としてきました。つまり長男は2つの言語が混ざり、頭の中で混乱してしまったのです。2歳半にして他人とのコニュニケーションの手段を持たない我が子は、自分の思う事がうまく表現できずに苛々したり、突然泣いたりするようになってきました。そして、赤ちゃんの頃から仲の良かった近所の子供に「この子の言っている事がわからないから、もう遊びたくない」と言われた時、「何とかしなければ」と思ったのです。

「子供がバイリンガルになる事は好ましい事かも知れない。でも、今この子にとって、b日本語ができるようになる事が、どれだけ重要なことだろう。それよりも何も言語を持たない弊害の方が余程大きいのではないだろうか。結局私は、自分がいいお母さんという評価を受けたかっただけなのではないだろうか」と気が付いたとき、この子の母国語を英語にしようと決心し、その日から英語だけで話しをする事にしました。

英語に絞ってからは、めきめきと英語が上達し、施行回路がすっきりしたと見え、精神的にも安定してきました。そして、英語に絞った事によって、日本語と英語の区別がはっきりし、かえって日本語も上達するという結果となりました。

私にとって勇気のいる決断でしたが、英語に絞って良かったと思っています。ただ、この事に対して世間の風当たりは想像以上に強く、義姉や近所の人、通りすがりの他人まで、「日本語を教えないとダメだ。後でやっても手遅れになる」と私に説教をするのです。母親の私がそばで見て、今のこのこに一番必要なことと判断しているのに、まったく余計なお世話で私は何度も非常に不愉快な思いをしたものでした。

ただ、私も現在、英語で話しかけているからと言って、日本語をまったく諦めてしまったわけでもなく、子供にとって一番得意な外国語として、さりげなく生活に取り入れて教育しています。

子供の素質や年齢、生活環境、何年こちらに住むのかといった事などで、日本語と英語の教育方針は各家庭で異なると思います。なかなか難しいことですが、世間の目や見栄などに囚われず、その時点でその子に一番適したことを実行する勇気を親が持つ事が、本当の意味での愛情なのではないだろうかと、つくづく思う、今日この頃の私です。


子供はまだ長男一人だけで、イギリスに住んでいた頃の私のエッセイです。(現在長男は16歳)

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