セミリンガルの恐怖3  1) セミリンガルの恐怖

うちの子は大丈夫

うちの長男が2歳半になった頃、当時イギリスに住んでいた私は、初めての子供を「英語と日本語のバイリンガル」に育てる事に意欲を燃やしていました。

でも実際には長男の言葉は年齢より遅れ気味で、長男もそれで苛々している様子だったので、私も色々と悩み始めていました。

そこで私は先輩のお母さん達に色々アドバイスを求める事にしました。

ご主人が英国人で当時10歳位のお子さんを持つMさんに相談したところ、Mさんは、「あら、でもAちゃん、まだ2歳でしょ? 心配ないわよ。うちの子なんて4歳になるまで一言も喋らなかったわ。」と笑っていました。

ご主人がドイツ人で英国に住んでいるSさんには3人のお子さんがいて「お子さん達を3ヶ国語で育てている」というのを自慢にしていました。

彼女とは日本語、父親とはドイツ語、学校では英語だがドイツ語の家庭教師もつけているという事で、特に一番上の5歳位の男の子はとても頭がいいとの事でした。

そうこうするうちに、その男の子が、3歳位の妹さんに暴力を振るい出したのです。

それも凄い勢いで怪我をするのではないかと思う程だったので、周りの人達も驚いたのですが、Sさんは「うちの子、ちょっと乱暴なの。いつもこうなの。」と話していました。

ご主人がイタリア人で英国に住んでいるNさんには男のお子さんが二人いらして、やはりお子さん達を3カ国語で育てている事を自慢にしていました。

特に上のお子さんは優秀で、有名私立にも合格し、3カ国語をきちんとこなし、礼儀正しくて感じもよく、私は心から関心しました。

そこへ下のお子さんが現れました。もう10歳以上であろうに、何だかちょっと挙動不審で変な感じです。

そのうちに何かの事で癇癪を起こし出して収拾がつかなくなり、その子は子供部屋に追いやられてしまいました。Nさんは「あの子はちょっと頭がおかしいのよ。」と言いました。

こんな風にチラッと垣間見ただけで、他所の子供の事を結論付けるのは傲慢な事だと思います。

また、どんな環境にいようと、生まれつき言葉の遅い子供も、乱暴な子供も、少し変な子供も、時には生まれて来るものですから、すべてを「バイリンガルで育てている事」と関連付けるのは短絡的な見方だとも思います。

でも少なくともうちの長男に関しては、生まれた時から毎日接して来た母親の私の意見を信用して頂けるなら、生まれつき穏やかな性格だった長男の当時の「イライラ現象」は、「バイリンガルで育てている事に対しての子供からのサインである事」に間違いはないと、私には確信する事ができたのです。

日本人の両親を持ち、日本に住んでいれば、日本人になる事も、母国語を持つ事も、普通に生活してるだけで取り合えずは誰にでも達成できる「人間として当たり前の事」です。

でも海外に住む子供達は、こうした「人間として最低限の権利を剥奪された過酷な環境」に生きているのです。

だからこそ、まずは親がその事を自覚した上で子供の教育方針を決定するべきであると私は思います。


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2006/1/10  9:03

投稿者:RainyLondon

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