2022/1/24 1:00
続カーラさん 小説
「親父に会いたいぃ?!」
アルウィン=リードソンは、未来の義弟から、来訪の目的を聞くなり、目を丸くした。
「何だって急にそんな………ああ、あいつを貰いたいとかそう言うことなら、構わないから好きにかっさらえ」
だが、すぐに合点がいったらしく、今度はこちらに向けてシッシッと手の甲を振った。
「そういうわけにはまいりません」
「何でだ。そもそもあいつは勘当になったも同然、いや、あいつが親父を勘当したのか…?ともかく今更くれてやるような、そんな御大層なもんじゃない」
「しかし、このままでは遺恨が残ります。お手を煩わせて申し訳ないのですが、どうかお力をお貸しください」
「全く面倒な奴だな。ま、筋を通したいという貴殿の気持ちもわからなくはないが」
アルウィンは下顎をさすりながら、しばらくの間思考した。やがて、腹は決まったとばかりにタリウスへ向き直った。
「わかった。近々実家に連絡する。だが、親父は偏屈で如何せん話が通じない。それは必ずしも貴殿に問題があるわけではなく、誰が来ようと…」
「お心遣い痛み入りますが、もとより歓迎されるとは思っておりません」
奥歯に物が挟まったような言い方をする義兄を前に、タリウスはきっぱりと言いはなった。
「お前も食えない奴だな。ま、あいつには、それくらいで丁度良いのかもしれないが。言っておくが、返品不可だ。何遍捨てようが、必ずお前の元に送り返す」
「そのようなことは…」
「その代わり、もしお前がユリアに捨てられた日には、この兄が存分に慰めてくれる」
そう言っていかにも愉しげに笑うアルウィンに、タリウスは何も言い返せなかった。
もうちょい続く
7
アルウィン=リードソンは、未来の義弟から、来訪の目的を聞くなり、目を丸くした。
「何だって急にそんな………ああ、あいつを貰いたいとかそう言うことなら、構わないから好きにかっさらえ」
だが、すぐに合点がいったらしく、今度はこちらに向けてシッシッと手の甲を振った。
「そういうわけにはまいりません」
「何でだ。そもそもあいつは勘当になったも同然、いや、あいつが親父を勘当したのか…?ともかく今更くれてやるような、そんな御大層なもんじゃない」
「しかし、このままでは遺恨が残ります。お手を煩わせて申し訳ないのですが、どうかお力をお貸しください」
「全く面倒な奴だな。ま、筋を通したいという貴殿の気持ちもわからなくはないが」
アルウィンは下顎をさすりながら、しばらくの間思考した。やがて、腹は決まったとばかりにタリウスへ向き直った。
「わかった。近々実家に連絡する。だが、親父は偏屈で如何せん話が通じない。それは必ずしも貴殿に問題があるわけではなく、誰が来ようと…」
「お心遣い痛み入りますが、もとより歓迎されるとは思っておりません」
奥歯に物が挟まったような言い方をする義兄を前に、タリウスはきっぱりと言いはなった。
「お前も食えない奴だな。ま、あいつには、それくらいで丁度良いのかもしれないが。言っておくが、返品不可だ。何遍捨てようが、必ずお前の元に送り返す」
「そのようなことは…」
「その代わり、もしお前がユリアに捨てられた日には、この兄が存分に慰めてくれる」
そう言っていかにも愉しげに笑うアルウィンに、タリウスは何も言い返せなかった。
もうちょい続く

2022/1/31 0:47
投稿者:そら
今回はひたすらたじたじしている予定です!あとちょいとお付き合いくださいませ。