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2021/1/27  20:55

手紙2  小説

「それにしても、凄まじい記憶力ですね。予科生ひとりひとりに手紙を書くというのも、なかなか出来ることでは…」

「手紙というのは方便で、実際には評価に加え、一言二言書く程度です。毎年似たようなことをしていましたが、今回で最後だと思ったら、ちょっと張り切りすぎてしまって」

「ああ、もしかして、それで翌朝大変なことに?」

「し、知っていらしたんですか?最後の授業の日、私が寝過ごしたこと」

途端にユリアの声が裏返った。

「知っているも何もあの時間に下りてこなければ、普通にそう思いますよね」

「それで、シェールくんを?」

あのまま眠っていたらあわや大惨事になるところを、小さな隣人に救われた。そう今の今まで思っていたのだ。

「あなたが朝食に現れないことをあいつも気にしていました。なので、様子を見に行くよう促しはしました」

「ありがとうございました!」

唐突にユリアが抱きついてくる。タリウスは驚きながらも彼女を抱きとめ、膝の上に座らせた。

「お役に立てたのなら何よりですが…」

言いながら、ユリアに対してあからさまに非難の目を向けた。

「ああ、その、すみませんでした。あのとき、私、一方的に怒っていたのに。そんなふうにお気遣いいただいていたなんて、全く知らなくて」

問題の日は、例によって喧嘩の真っ只中だった。

「半分はあなたのためだが、残りの半分は違う。よりによって予科生最後の授業に、寝坊して講師が現れないなんて締まらないでしょう」

「ごめんなさい」

「今日はやけに素直ですね」

「だってそうでなくても、私、これではシェールくんに示しが付かないわ」

「あいつのことなら大丈夫です。誰にでも得手不得手はあると理解していると思いますよ」

「そうかしら」

「恐らくは。それよりも、あなたはもう少し計画的に仕事をする必要があったと思いますが」

「タリウス?」

そこでユリアの細腕を掴み、無理やり体勢を変えた。そうして、動揺する彼女のお尻をペチンと打った。

「い、いや!」

「嫌?あんなことをしでかしたのに?」

続いてもう一打を見舞うと、ユリアは羞恥に顔を覆った。

「ああ、タリウス。返す言葉が見付からないわ」

「翌日のことを考えて行動するなんて、出来て当たり前です。下手をすれば、すべてが水の泡になりましたね」

「ごめんなさい」

「しっかり反省しなさい」

「きゃー!!」

叩く手にそこそこ力を込め、続けざまに十ばかり打った。その間、ユリアはジタバタと子供のように暴れた。

「これに懲りたら、少しは良い子にしてください。良いですね」

「いっ!」

最後に一際強く打って解放する。

「私、あなたの娘に生まれなくて本当に良かった」

ユリアがお尻をさすりながら頬を膨らませた。

「きっといつもお尻が真っ赤だわ」

「私はまあ、それでもかまいませんが」

大人になってもこの可愛らしさである。どうせなら子供時分の彼女も見てみたいと思った。

「嫌です!絶対に!それに私、そうなったらたとえ子供でもあなたの奥方に嫉妬するわ」

それまでの甘えた様子から一転して、彼女の声音が鋭く変化した。

「初めてこんな気持ちになりました。この前だって、あなたがエッガーの…」

「エッガー?」

何故今またその名前が出てくるのか。予想していなかった人名にタリウスは驚いて声を上げた。

「つい今しがた、エッガーの話をしていて思い出しました。あの日、バルコニーにいらしたご婦人はエッガーの血縁では?」

「見ていらしたんですか?」

「はい、見ていました」

「あれは全然そういうのではない」

「でも、泣いていらしたわ」

突如として始まった取り調べに、タリウスは辟易した。

「待ってください。おっしゃるとおり彼女はエッガーの姉です。末弟が勘当されて一年、どうにも心配になって様子を見に来たそうです。知ってのとおり、予科生は面会が制限されていますが、無下に断るわけにもいかず、バルコニーから訓練の様子を見せた。それだけです」

「大方、私の予想したとおりでした」

「なら…」

「でも、嫌でした」

声こそ怒っていたが、顔は泣きそうだった。

「不安にさせたのなら謝ります。って、あのとき既に、あなたは私を避けていましたよね」

「そんなこと関係ないわ」

「もしかして、このことで更にへそを曲げたんですか?」

「ええ、若干」

タリウスは深いため息を吐いた。

「正直、あなたがこういうことを言うとは思いませんでした」

「それについては、私が一番驚いています。とにかく誰にもとられたくない、そう思いました」

「誰も取りはしない。ユリア、おいで」

憮然とするユリアをタリウスはもう一度膝に呼び寄せた。

「確かに、あなたが娘でなくて良かった」

「何故?」

ユリアが上目遣いでこちらを見る。その目をタリウスが正面から見返した。

「いつかあなたを嫁にやるなんて死んでもごめんだ」

「タ…!」

それから、些か強引に彼女の動きを封じた。彼女の言った、誰にも取られたくないという言葉の意味がわかったような気がした。




後半はおまちかね?の、いちゃいちゃペチン♡そして、なんだかんだ言って、エッガー家は兄弟仲がよろしいようで。


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2021/7/4  2:31

投稿者:そら

2021/7/3 19:59の方
イチャイチャ見たいですか?!あんまり需要がないと思っていたので、ちょっと意外で、そして嬉しいです。タリウスには苦労ばっかさせていたので、しあわせな姿を書くのが楽しいです♡
確かにシェールや教え子には見せられないですね!ま、ユリアさんがダメダメなのもみんな知らないですしね。

2021/6/22  20:43

投稿者:そら

Tさま
コメントありがとうございます。こちらでまとめてお返事させてください♪
私もエッガーのその後がにわかに気になってきたので、そのうちSSでも書きますね!しかし、エッガーにウィルキンス、ゼインに身分証破られてた名もなき予科生、この三人はほとんどかき分けついてないんで、ちょっと整理します💦
星梅さまの漫画は、2月末に第二弾、今後近いうちに第三弾が発行されます。そして、ステキ過ぎる父子、ぜひともご堪能いただければと思います💕

2021/1/29  1:08

投稿者:そら

2021/1/28 3:42の方
ありがとう!やっぱりたまの甘々は、癒されますでしょうかね。

2021/1/29  0:01

投稿者:そら

Nさま
ニヤニヤ出来ました?早い話がギャップ萌えですかね。タリウスもチビとか叱っているときとはもはや別人で。しあわせなタリウスを書くのは、やっぱり楽しいです。

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