ダラダラ中につきカメ更新 感想など、ちょろっとでも書き込んでいただけましたら泣いて喜びます🎵

2012/1/4  20:15

初夢  小説

「わん」

ある朝目覚めると、一匹の仔犬が隣で尻尾をふっていた。

「シェール、これはどういうことだ。シェール!」

しかし、室内にシェールの姿はなく、彼はそのまま階下へ向かった。まったくエレインときたら、道端に落ちているものを拾ってはいけないと、息子に教えなかったのだろうか。

「タリウス、おはようございます」

「おはようございます。シェールを見ませんでしたか」

「いやだわ、シェールくんなら後ろにいるじゃないですか」

「は?」

ユリアに言われ、後ろを振り替えるがもちろんそこにシェールの姿はない。ただ先程の仔犬が相変わらず尻尾をふっているだけだ。

「ほーら、ぼくちゃん。ご飯ですよ」

そこへ女将が現れ、仔犬の前に皿を置いた。シェールの奴、いつのまに女将まで味方につけたのだろう。

「ほんとにぼくちゃんはお利口さんだねぇ」

女将は仔犬の前へ屈み、よしよしと頭を撫でまわした。仔犬はといえば、目の前の餌には食い付かず、耳をぴんとそばだで、こちらをじっと見つめていた。

「ご主人様がいいって言うまで、ちゃーんとこうしておあずけ出来るんだもんね。そこいらの子供よりか、よっぽどきちんとしつけられてるよ」

「本当にイイコですね、シェールくんは」

「ま、まさか」

こぞって仔犬を撫でる女性たちを前に、タリウスは卒倒しかける。

「ちょいと、いい加減食べさせておやりよ」

「あ、ああ」

恐る恐る仔犬に目をやると、

「わん!」

と、嬉しそうに一啼きし、皿に食い付いた。

「そんな、そんなバカなことが…」

確かに可愛いは可愛い。幸せそうに餌を頬張るその姿も、見ようによってはシェールに見えないこともない。だが…

「最近あたしには、この子が人間の男の子に見えてきてね」

「いやあね、女将さんてば。シェールくんはわんちゃんですよ」

「嘘だ…。こんなもの、嘘に決まっている!!」

ああ、神様、王様、エレイン様!!頼むから、シェールをお返しください。


「ねえとうさん。とうさんてば、大丈夫?」

「シェール!!帰ってきたのか」

「ちょっと、どうしちゃったの?」

「いや、どうもしない…」

夢か。息子の前で思い切り寝惚けるとは、自分としたことが情けない。一息吐いて、いろいろな汗が混じりあった額を拭う。すると…

「わん!」

「な、なんだ、そいつは!」

シェールの足元で仔犬が啼いた。

「お正月の間だけ、仔犬を預かることになったっておばちゃんが言ってたじゃん」

「そういえば、そんなことを言っていたような…」

昨夜はひさびさに飲んで帰ったため、記憶が曖昧だった。

「あー!ひとの話はちゃんと聞いてなくちゃいけないんだよ!」

「ああ、わかった、悪かった。頼むから大きな声を出すな」

「風邪でもひいたの?」

反射的に頭を押さえると、小さな手が額へと伸びてきた。

「違う」

ただの二日酔いだとは言えるわけもなく…

「だったら散歩行こ!」

その直後、彼は絶不調の身体を引きずりながら、二匹の仔犬に振り回されるのだった。




正月早々、今年って何年だっけ?てな話で申し訳ない。。
いや、もうミゼットがネコな以上に、シェールはイヌなんです。


Anunaの「Gaudete」より。
逆から読んでもAnunaですね。




毎年恒例年末のお楽しみ、ケルティック・クリスマスにてハマリました。透明な歌声が耳に心地良い〜聴く者を中世へと誘う、神秘的混声合唱団です。
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2012/1/14  16:25

投稿者:そら

ほりこしさま 
「克己」のシェールがあまりに気の毒だったので、おとうちゃんにも泣いてもらった次第です。

なるほど、ビーグル!コーギーのイメージで書いていたのですけど、ビーグルもかわいいですね。もとはお昼寝しているフェネック(キツネ?)の画像を見てて、びびっときたのです。

辰→龍→ドラゴン…シェールが好きそうですね。

2012/1/9  22:08

投稿者:ほりこし

コミカルな楽しい話ですね(^^)シェール君は犬の中でも「ビーグル」かな〜って思っちゃう♥ たまにはスパのないこんなかわいらしい話も良いですね。 さすがに辰 龍の出てくる話はムリでしょう、、、ね。

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