2016.7.27(水) しまなみ海道でUに会う
さて今日はいよいよ自転車でしまなみ海道を走る日だ。と言ってもとにかく寒かった冷房のせいで早く目が覚めちまった。結果的にはそれはよかったのだが、とにかく6時半にはもう桟橋についていたのだ。店が開いているでなく、ぼくは何も食わず飲まずでとなりの向島に渡った。
この渡船は埠頭に並んで三カ所にあってなぜか110円と70円だそうで、ぼくは一番宿に近いところから渡った(110円)。ひっきりなしに行ったり来たりしているいわば住民の足である。向島はすぐ目の前にあるのだがこれに乗らねば渡れないのだ。ただ自転車に乗って乗り込みそしてついたらそのまま出ていくのだ。料金は船の中にいる船頭さんに払う仕組みになっている。乗り込んだのは二人だけ、ゆらゆらと短い船旅だがこれが意外とこの旅の印象に残ったのだった。
向島に着いたらもう走るだけ。朝の涼しいうちになるべく走ろうかとも思ったが、それもちともったいないと写真を撮りながら進むが、やっぱりすぐに走る快感におぼれてしまった。あっという間に次の因島(いんのしま)大橋の鉄橋に着きその上下二段階になった下の自転車道を渡る。足元に広がる海を見て走るのはいい感じだが高所が苦手な人はちょっと目眩がするかもしれないと思った。メニエルのUはどうだろうか。
因島に入ってぼくはさすがに朝の食糧確保に心が行った。うかうかしてコンビニもない島だったらどうしよう、などと考えてしまったのだ。シャリバテは怖いのだ。しばらく走るとそのコンビニがあってとにかくその店の前で買った弁当を頬張った。まだ人は少ないし時間はある。ゆっくりと飯を食ってから出かけた。
ここからは少しの坂がつづくがその下りは気分良し。海岸通りに出ると道が広くなり自転車の区画も広くなって走りやすい。瀬戸の島々を眺めながら快調に生口橋に着く。その橋を渡り切ってゲートをさっと降りて生(い)口(くち)島に入ったがこのゲートにまた戻るとは思いもしなかった。
ぼくはその後も快調に走り、もう島の街なかに入って抜けるあたりで、どうやら道を間違えたらしいのだ。青いラインに沿って走っていたのだがなぜかまた大きな橋が見えその橋を渡りきったら因島南などと言う標識が見えるのだ。それで因島に戻った?と不思議に思う。
それからまた走り出したが今度は大通りに出て右の道をとった、これがまた反対方向で生口島の南側の自転車道だったのだ。
しかしこの道路にも青いラインが見えるのでぼくは今治まで何キロという表示を目安にしてただ走ったのだ。今治行きならば間違いはない。これは全く反対側の道路とも気づかずに乗ってしまったので仕方なくその道を行くしかないと覚悟した。
途中男の人に聞いてみてもやはりこの道で行けば良しという。しかしどっちに行こうが同じですヨという言葉に少し戸惑ったが。それでやっと多々羅大橋に着いたのだ。どうも島を一周してしまったらしい。
この橋を渡れば待ち合わせていた大三島(おおみしま)の休憩場所がある。
そこはちょっとした休憩所が何軒も連なっているところで、「サイクリストの聖地」なんていうモニュメントもある(大げさ!)。まだ朝早いので開店準備中という感じで客もまばら。一服したが何せ早いのでここで何時間も待つのはもったいない。それで少し先を走ってみると道は一本で向こうから宇津木が来ればわかるはずなのでそのまま走ってしまった。どっかで出会えるだろう。
この大三島(おおみしま)は広いが走るしまなみルートの距離は短いのであっという間に突き抜けて大三島橋を渡り伯方(はかた)島に着いてしまった。この島のルートも短くすぐ伯方・大島大橋だ。ここまでUと出会わなかったので少しは行き違いの不安があった。
もうすぐ11時で、この橋を渡って会えなければ生口島まで戻ってみようと考えてこの橋を走っていると、来ましたね、向こうから、それらしきチャリが。
もうほとんど橋のど真ん中というところで宇津木に出くわしたのだ。Uはそんなことを考えることもなく漕いでいるらしく、すれ違いざまに、こんちわ!などと通り過ぎようとした。ぼくは、おおいU!と叫んでやっと振り向いた。みごと橋の上で再会の時を迎えたのだ。思惑通りだ!
記念にそこで写真を撮りぼくらは今夜の宿のある生口島目指して走った。
せっかく再会したので少し行ったところの道の駅で一服して積もる話でもしようとコーヒーを頼んだ。正午近くで日も高くなったので体を冷やすのにもよかった。ついでにカレーで食事をとった。
伯方島を出て大三島を快適に飛ばし、くだんの待ち合わせ場所の休憩所に戻った。炎天下を走った後のソフトクリームをと店に入ったが500円!!察した店の人がシャ−ベットなら350円ですというので迷いなくそれにする。
この上に見えるのが壮大な多々羅大橋だが、それを渡っている途中でリアの空気が抜けてきたのだ。なにかを踏みつけたか、大橋を渡り切ったところでおしゃかになってしまった。橋を少し下ったところにある休息所でパンク修理する。ちょうど日陰になっていたので助かった。
生口島のレンタサイクルの店で空気をキンキンに入れ直し、Uを先導役にして気分よく走った。なんかあっという間に今日の宿の近くに来てしまった感じだ。まだ早いので再び近くの喫茶店で一服。このあたりに平山郁夫の美術館があるというだけで何やら妙に小奇麗でしゃれた店なのだった。ふーん。
今日はこれまで。あとは一休という名の民宿に泊まることになる。

0