かゆみについての話
又吉のヘウレーカ、というみょうちきりんな番組があって、そこでかゆみについての考察ということだ。
この番組は又吉の絶妙なスタンスでものを考えるという面白い企画である。
そこで、かゆみの研究をしているセンセイたちが出てきて、生理学的なことをひっかきまわして喜んでいるとしか思えない研究を開陳するのである。
ま、好き勝手にいろいろなことをケンキュウするのだが、ま、シロートが考えつくようなことをガクモンテキに並べ立てるだけのこと、しかしそれが面白かったりする。
つまり当たり前のことだ。
かゆみの感覚はあらゆる感覚のいちばん下位に属するので、ほかの刺激を与えるとかゆみは気にならない。まあそんな当たり前のことだ。実際誰でもそうしているさ、すでに。
曰く異物があるとそれが危険でない限りかゆみとして感覚される、虫が皮膚の上を這ってきたとかさ。その線で行くとカサブタのかゆいのも治りかけの傷が、もはやその上に覆いかぶさって傷を守っていたカサブタをもはやもう必要なしと、つまり異物と認識するから、ということになる。話はむつかしいが当たり前じゃなかろうか。
神経は皮膚組織まで到達していないのが普通だが、その神経組織が表皮まで育ってきたから過敏になっているという、だから神経の表皮への侵入を妨げる薬を研究中だともいうが、それは危険なにおいがするな。まるで抗ヒスタミン剤投与とどこが違うのだ。
ついには今やかゆみの研究も脳科学であると、出ましたね、何でも脳から説明してしまう脳がすべて主義もある。ハイハイ。かゆみと痛みの刺激は脳の別のところが請け負っているということが一大発見かのような言葉で説明されたり、もうシッチャカである。そんなことケンキュウしなくてもおおよそ気が付く範囲じゃなかろうか。
なんでもコンピュータで画像が示せば科学らしい。当たり前なのにさ。
一番面白かったのは、かゆみを掻くことは快感であって掻けば掻くほどやめられないという事実は、依存症と同じですねという、これはその通りだと思った。でもこれは解決策じゃないけどね。ただの、あるあるネタだ。

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