せっかく作った2日の連休はどうも雨がちで、どこへも行かずでは体が鈍ってしまいそうだ。
それで意を決して久が原から立川市まで多摩川を遡り、すぐに還るということをやってみることにした。
多摩川のサイクリングロードをただ突っ走るのである。いつもならせっかく立川市まで行ったのだからと国立駅まで足を伸ばして友人に会うのだけれど、今日はただ走るのだ。
なんたって月曜日を休日にしたんだからな。日曜日は人がいっぱいで、歩行者優先ですスピードを控えめにゆっくり走ろうと、どこが「サイクルロード」なんだ?こんな状況なのだ、この多摩川河川は。
いったい何のためにサイクルロードを作ったのか分からないのだ。「サイクルロード」とは自転車優先道路じゃなかったのかい。そこに「歩行者優先」と書かれているのだから悪い冗談としか思えないな。
ま、ラニングや散歩道を真っ先に作らないってのが問題だわな。ここのサイクルロードなんてぶつ切りだし、もう思い付きで作ったとしか考えられない。
まあ小言はこのぐらいにして。
しかし、いつもの習慣というものは意外と自分を縛り付けているものだと思う。何も用はないはずなのにあれもこれもとザックに詰めてしまった。なぜか手ぶらという事に慣れてないのね。それなのに肝心要を忘れてしまったのだった。
KHS(というメーカーのロード自転車)で最初は快調に30キロほどで走るがそのうちに向かい風となり25`に減速することになる。
府中街道を過ぎ鎌倉街道の手前でパンク。何となれば、先を行く車椅子の人を避けようとして左の砂利道に入った途端やってしまった。後輪があっという間にしぼんでいく。あーあ、と自転車を草むらに投げザックを開けるといつも入っている携帯ポンプがない!あっちゃー。
余計なものは持っていても肝心な道具を忘れてしまったのだった。仕方ない、これだけ自転車が通るんだ、誰かに貸してもらおうと、まずはパンクしたチューブを替える。これはすんなりいったのだ。
が、ロードで走っている連中はどれもポンプを装備していない様子。しかもスピードを出している彼らを止めるのも気が引けるので、何となくチャリを引っ張って鎌倉街道の交差点まで来た。この辺には休んでいるロード連中がいるので誰かしかつかまるだろうという希望的気楽さである。
そしたら案の定いました。中年ロードの人がさあ走ろうかという体勢だ。そこでちょっと待っておくんなさいな、これこれでポンプを必要としているんですがあったら貸してくださいと言ったわけだ。どんぴしゃで当たり!持ってました。しかもそれほど急ぐ様子もなし。助かりました。空気はほんの数分で入ったのであっという間だった。
少し暑さにやられていたのでそこで大休止。近くのコンビニに入って冷たい飲み物を補充した。それで元気が出てまた多摩川に戻って先を急いだ。しかしけっこう疲れていることが分かる。おまけに風が強くなってきた。一気に速度が落ちる。
サイクルロード突端の立川市に着いたが、することもないので一服してすぐに戻ることにした。そうだ、今日は当初から往復するつもりで来た訳だし。
このサイクルロードは途中に「風の道」と銘うった所もあり以外と風があるのだ。しかし追い風なら歓迎だが今日は生憎帰り道は向かい風のようだ。疲れているのでさらに速度は落ちる。
そのうちに腰がキンキンと張ってきてどうにも辛くなってきた。もう一定の姿勢を保つのが辛いのである。ひっきょうハンドルに体をあづける形になってしまい、手のひらがひりひりしてきた。もう走っているママチャリを追い越すのも難儀になってきた。ま、ゆっくり行こうと何回も休んで走った。
水を飲んでザックをあけた。そういえばおにぎりを持ってきた事を忘れていたのだった。それで疲れが倍増したかもしれない。もうエネルギーが枯渇してきたようだったからな。
土手に坐ってそのにぎりめしを食っていたらイヌが二匹やってきて何やらくんくんと言う。かわいい奴だったがすぐ主人にたしなめられてしぶしぶ去っていった。
いよいよ日が落ちてきた。3時過ぎに家を出てから4時間半、もうすぐ二子多摩に着く。さらに丸子橋から仲原街道に入って雪谷大塚駅のドトールで休んだ。
もうすぐ家だというのに喫茶店だ。いやもうすぐ家だからこそ一休みなのだ。せっかく持ってきた本を読まずに家に帰ってしまっては何のために重いものを担いできたのかわかんないもの。意地でもここで数ページでも読もうって算段だ。おかげで『地中海世界』って本を読み終えた。
それにしても腰が痛い。

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