暑っつい。昼間の太陽が熱い。
自転車で月曜の一号線を走ったが暑い。今日はみんな仕事だったのだ。すっかり休日気分でいたのがいけなかった。道路は車だらけだ。
しかし途中でけっこうロードバイクが走っているのを見て気合が入った。それでつい、五反田あたりで涼しいサテンに入ろうかと思っていた気持ちに火が点いてしまった。こんな暑い日にさらに火をつけてどうするんだ!バカみたい。
後ろに真っ黒い顔の青年が迫ってきた。なかなか追い越さないので赤信号で会釈をして言葉をかけた。ぼくもそっちですというので一緒になって三田まで走った。ハンチング帽でロードに乗ってる人を初めて見ましたよと言う。そうかい、と言いつつも一段とペダルを回す足に力が入ってしまったようだ。彼はピタッと後ろに着いているんだもの。
ぼくは近くのサテンに入るのでここら辺でさようなら、と言って次の赤信号で振り返ると彼はどっかに行ってしまっていた。それでなにか肩の荷がおりた様でぼくはサテンに入る気が失せそのまま走った。
と、東京タワーの信号待ちで後ろから近づいてきた異様なバイカー。なにが異様だって、この暑いのに長袖で汗だくになっている。思わず声をかけざるを得ないではないか、なんで?と。
で、ぼくはそうした。
この暑いのに長袖かよ、とか何とか言った。
すると意外な答えだ。
わたし日本語分からない。という返事。エッ?まったく想定外の答えだった。
そう、彼は韓国からの旅行者だったんだった。どっから来たの、と問えば空港からという。空港って・・ナリタだろ?ゲゲッと思ったね。
そ、それでどこへ行くの?とそれでなくともカタコト英語のぼくは、日本語でさえカタコトになりそうだ。
すると少し困っている風。なぜかというとまだ決まってないという。どこぞのビジネスホテルにでも泊まろうと思っているのだそうだ。
いやはや今どきそんなバックパッカーもどきの旅行青年がこの日本に居るんだった。
グッドラック、いい旅を。
なかなかの根性である。
お茶の水に着いたらもう身体中が火のかたまりのように熱くなってしまった。たまらなくなりドトールに飛び込んだが、さすがの「悪魔の冷房」も物の数ではなかった。
ついコーヒーと注文してから少し力をこめて「アイスで!」と言ってしまった。
氷が美味かった。

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