あっけなく源氏は死んじまったらしい。らしいというのは、その記述がないからだ。
2章も使って奥さんの紫の上の死を扱ったのに、主人公光源氏の最後がこれ?っとずっこけてしまった。
どうも紫式部って人はシュールである。
かって文の途中でなぜか終わってしまった章があった。まだ文が終わってないじゃん!と思ったがそれも計算の上らしい。
例えれば、あの突然プツッと終わってしまう楽曲のようだ。そういう曲、時々あるでしょ、最近多い。少しわざとらしいがね。あんな感じで終わってしまうのだ。
となるとである、この源氏の死も記述せずに突然消える。これも一つの技巧だ。何たってその章が「雲隠れ」という題名だけの章なのだ。中身の文は無い!これにはビックらこいた。こんな作法は現代芸術でもないんじゃないの?しかもこの章が「雲隠れ」というんだからおふざけが過ぎますよ式部さまっ。
てな具合で、源氏も紫の上も死んじゃったし、何かこう気が抜けたな。
しかし紫式部がこれから何をやってくれるのか、先が楽しみでもあるわけだ。
ここまでくると、ひっきりなしに何かというと泣いてばかりいるとか、女は言いなりじゃんとか、ま、苛つく記述は数あれど、そんなことにゃ慣れました。ドラマチックな展開を期待して読み切りましょ。

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