サッカーを見ていると必ず言われる言葉に「システム」というのがある。
4−5−1とか3−5−2とか。
もしくはフォーバックだとかスリーバックだとか。
そして、ワントップだとかツートップだとか。
こんな事は、見ていて分かるもんじゃない。頭の中のイメージなのだ。
だからそんなことを言いたい人には言わせておいて無視するのが肝心だ。言っている人だって絶えず変わる陣形を分かって言っているわけじゃないのだ。そんな言葉に惑わされずに見ればいい。あまり意味の無い事柄なのだ。
ぼくは便宜上、先発選手発表の際にディフェンダー(DF)ミッドフィルダー(MF)フォワード(FW)として一応の陣形を示す必要があって、適当に発表していることだと思っている。試合が始まったらそんなことは忘れていいのである。
サッカーは立ち止まって陣形を組んでいるスポーツじゃないのだ。
絶えず動き、相手を惑わすためにどんどん陣形を変化させるのだ。右にいた選手が左に行き、守りの選手がゴールを奪いに行く。
誰がどう動いたかをテレビでは確認できるわけが無い。だからスポーツアナが必要なのだ。
選手がどう動き、ボールに誰が絡んだかを伝えないアナウンサーは、だから2流なのだ。選手の名前を次々と言えないアナウンサーや解説者は噴飯モノなのだ。彼らはそのために一番いい席に陣取って、それをわれわれに伝える仕事をしているのだから。
だから視聴者と一緒に浮かれている場合じゃないのだ。
ぼくらは、システムどうこうなんていう言葉に惑わされずに、ゲームを見ていれば良い。
一見通ぶった言葉がサッカーを人々から遠ざけているのだ。
「サッカーはわからない」というひとの多くは、そんな意味の無い「専門家」の言葉によってかえって遠ざかっていく。
ぼくらはそんな御託に惑わされずに、ボールのある所で今何が起こっているのかを楽しめばいい。
そこで起こっていることの解釈は人それぞれ、自由に判断すればいい。
審判でさえサッカーにおいては、1人の「判定者」に過ぎない。
こんな単純なスポーツは、無いのだ。

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