春になると、日曜の北富士演習場では車で来る山菜つみの人がいっぱい。日曜日は久しぶりの上天気で、こんなに来るものかというほど人がいた。遠慮無しに摘めるのでスコップ片手にわんさと採っていく人もいた。
ぼくらもオートバイ遊びをそこそこに山菜摘みに興じた。
そこで採ったのが、ヒトリシズカ、ギボウシ(うるい)、ワラビの3種。
≪ヒトリシズカのからし醤油≫
ヒトリシズカは、まだ葉が展開しない頃の若芽の茎を採る。この山菜は主に茎を食べる。指で挟んで下からこすりあげるとぽきんと折れるところでいい。そうすると後で硬いところを切り捨てる手間がない。
塩茹でして水に晒しておくと黒いアクが出る。ちょっと噛んでみて苦いようならば一晩晒しておく。
3,4センチに切りそろえて、からし醤油で食う。からしポン酢でもいい。たくさんあれば炒めたり、おろし和えにしてもいいかもしれない。歯ざわりが命だ。少しぬめりがあるがそれほど感じないかもしれない。
この山菜は普通あまり採る機会がないので大量に取れない。あってもその可憐さに採る気になれないほどの数しかないことが多い。
北富士演習場ならばそんな遠慮はいらない。どんどん採ってあっという間に手一杯になってしまった。
登山中に、山の斜面では驚くほど茎が伸びて、20センチもある柔らかい茎が群生していることがある。そんな時はとる時間がなかったりするものである。
≪ギボウシの若芽の酢味噌和え≫
ギボウシならば何でも食える。一般的にはオオバギボウシといわれているが何が美味しいかはまだわからない。
これはぬめりが命だ。アクはない。
地方のスーパーに行くと野菜と一緒に「うるい」として売っている。かなり大きいのもあるからけっこう野菜として食べられてるようだ。
芽吹き時の茎は太くて、地面近くでしっかり握って少し横に振ってから素早く抜くと、土の下1cmほどでぽきりと取れる。太い土の中の茎が美味しい。これはゆでて水に放すときれいに展開する。それを元を揃えてあげて軽く絞る。ぬめりが出るほど絞らないことだ。
4cm程に切りそろえて皿に盛り、酢味噌を作ってとろりとかける。食べるときに箸であえて食べるようにすると見た目がきれいだ。
≪ワラビ≫
ワラビは富士山ではあまり見かけなかったが20本ばかり見つけた。同じように若いシダの芽がいろいろ出ているが、食べれないものが多い。太くて三つに分かれて丸まった芽が特徴である。これはゆでて晒し、醤油で食べるおなじみの山菜だ。

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