オルタナティヴロックバンドVery Apeのシンガー
「Ape」のブログでございます。
基本的には過去のことについて語ります。
2009/6/4
ところで、皆さんは“魔の三時間睡眠”という言葉をご存知だろうか。
恐らくほとんどの人が知らないと思う。
なぜなら、僕が勝手に造った言葉だからね。
「なんだよ“魔の三時間睡眠”って。キメーな。」
「自分で作ったっていうところが更にキメーよ。」
「大体なんだよ“魔の”って。」
とかいう皆さんの冷たいリアクションはもう容易に想像つきますが、このまま話を続けさせていただきます。
僕はその“魔の三時間睡眠”という言葉を近しい友人たちに対してもう5年以上も提唱し続けているのであるが、それは、例えばお酒を飲んでいたりだとかして、いい気分になって飲みすぎたりすると、大概椅子に座ったままだったり雑魚寝だったり布団に突っ伏したりだったりと、形は色々あれど崩れるように眠りに落ちてしまうことは多々あるかと思います。
そういった時はなんでだか知らないけど、大概三時間経つと急にパチっと目が覚めるんですよね。あれホント不思議。でも、痛飲してるおかげでまだ普通にメチャクチャ酔っ払ってたり、メチャクチャ気持ち悪かったりという時もあるんだけど、大体ビックリするぐらいすっきり目が覚めます。
それが例えば宴の最中に脱落して三時間眠りこけてしまっていた場合なんかだと、そこからまた飲み出して宴に参戦できてしまうぐらいすっきりしてたりしてね。さすが“魔の”って付くだけあるなぁとか僕なんかはいっつも感心しておりますけれども、まぁひどい奴だとこれまでの人生の全てが“魔の三時間睡眠”だったとかいう奴もいるみたいですからね。僕の友達にも実際一人いますよ。そんな奴が。はい嘘です。(イミフ)
とまぁそれはさておき、宴の最中じゃなくて家で体感する“魔の三時間睡眠”の場合、椅子寝や雑魚寝の時はそのまま何事も無かったかのように布団を敷いて眠りこけ、布団に突っ伏していた場合も、掛け布団をちょちょっと直して寝なおし、気づけばそのまま朝。
もしくは一瞬おしっこに行くか、凄い勢いでトイレに駆け込み反吐を吐くかなどをしてから寝なおして、そのまま朝。一体あれは本当になんなんでしょうか?なに起きてんだよって感じですよ。
大体一般的に睡眠のサイクルは三時間周期で浅い眠りがやってくるとか言いますが、にしても通常の睡眠の場合には三時間で急に目覚めたりなんかしないくせに、なに急に起きてんすかって感じですよ。
ういー、ちょっと飲みすぎちゃったけど、明日も早いからもう寝よう。うん、今からだと4時間は眠れるか。よーし、おやすみ〜。グーグー。[……三時間経過……]パチっ…って、おい!!
あー、明日はやっと休みだぁ!久々に思い切り眠ってやる〜!いやぁしかし飲みすぎちゃったなぁ。ま、いいや、ボチボチ寝るとしますか。[……三時間経過……]パチっ…って、おい!!ファービーかよ!!
ってなところで、勢いで書いてはみたけど特にオチも出てきそうに無いので、ここらでそろそろ終わりにしときましょうかねぇ。グーグー。[……三時間経過……]パチっ…(イミフ)

2
2009/5/20
複数人で外食をする際などは、居酒屋をチョイスすることがまぁ多いですけども、そんなときは大概大皿料理を注文して皆箸で直接料理をつっついて食べたりします。
しかしそういった場面で、これって多分日本人独特なのかなぁ?例えばサラダとかみたいにゴチャゴチャしているものじゃなくて、小分けされた固形で出てくる食べ物ってあるじゃないですか。鶏の唐揚げだとか、魚の刺身だとか。
そういうのって、皆最初は威勢良く突っつくんだけど、最後の一つとか一切れになると遠慮してるんだかなんだか、知らんぷりとか気づいてないような素振りで、テーブルにいつまでもその大皿が残り、店員も一瞬お皿を下げようと手を伸ばすんだけど「なんだ、まだあんのかよ」という感じで、いつまで経っても片付かないのである。
そんな時、人は(というか日本人だけなのか?)恐らく頭の中で「もしかしたら他の誰かが食べたいかも知れん、これを食っちまう訳にはいかねぇだよぉ…」などと考えているのかどうかは知らんが、まぁ実際自分も無意識的に、恐らく周りに気を使ってその最後の一つを残すことがままある。
でも最近は、どうもあのずっと一つだけ残って時間がどんどん経過していくのが嫌で、あまり時間が経たないうちにしれっと最後の一つを食べちゃうようにしてます。
自分的にはその行動は“最後の一つを残す”よりも“相手に気を使わせない”という逆説的な気ぃ使いの結果に起因している行動であり、僕の中では究極に愛に溢れた行動だと思っているのだが、毎回心に痛みが付き纏う。
どういうことかって言うと、
1. はい、唐揚げ来ました。
2. 皆、一斉に突っつきます。
3. おーっと、唐揚げが残りあと一つだぁ!
4. 皆、知らんぷりで他のお皿を突っついてる。
5. 僕、唐揚げパクリ。
6. 唐揚げ全部なくなりました。
7. 店員、お皿下げる。
8. 皆、他のお皿を突っついてる。
9. 僕、知らんぷりだがちょっと得意げ。
10. 皆、他のお皿を突っついてる。
ちょっと待て!
僕は皆に変な気を使って欲しくなくて、逆に気を使って最後の一つを早めに平らげたっていうのに、もしかして皆、僕が遠慮とかそういった日本人独特のわびさびも奥ゆかしさも分かっていないような、鈍感な阿呆だと思っているんじゃないだろうか!そして、僕が「唐揚げが食べたいから、今食べましたが何か?」とか開き直るほど唐揚げが好きなクソ馬鹿末っ子根性丸出しのキンタマ野郎だとトイレでコソコソ悪口を言ってるんじゃないだろうか!クッソー!こいつら!!僕の気も知らないで!!!!
こ、これはなぁ!遠慮することをも遠慮した、究極のダンディズムなんだよ!分かってくれぇぇぇええええ!!!!
とか心の中で叫んで、心の痛みと一緒にビールを胃袋に流し込んで、またフラフラになって、お腹を膨らましたまま自宅に戻ってひっくり返っている自分がいるのです。

5
2009/2/6
先日、近所の焼肉屋さんが期間限定で生ビール一杯5円(何杯でも可)という熱い企画をやってまして、行ったことのないお店ではあったが、これは行くしかないということで、早速予約を取り、行ってみましたとさ。
で、当日、お店にやって来たらば、あら結構小奇麗なお店じゃない。まぁ取り合えず生ビールを一杯いただけるかしら。私は今日は自分の限界にチャレンジしてみたいのよ。自分は一体何杯の生ビールを召し上がることが出来るのかしらと。自分で勝手に作り上げた常識の向こう側が見てみたいのよ。まだ見ぬ新しい世界を見てみたいのよ。しかも、そんな無謀ともいえる挑戦の結果、仮に私がここで100杯の生ビールを召し上がったとしても、お値段なんとたったの500円!おいおい、いつもの一杯分じゃねーか!
と、そうこうするうちに生ビールが運ばれてきましたよっと。どーれ、ちょいと飲んでみようかね、グビグビ、んまーい!こんなん何杯でも飲めますよ!もしかしたら100杯なんてすぐじゃねーのか?
よーし、取り合えずお食事も注文するとしようか。おっと、メニューはこれね、はいはい、えーっと…
ここで私、驚愕。
メニューに記載されている一品一品のお値段がいつもの自分の1回の飲み代とほぼ同額、いや、よく見ると3回分ぐらいのお値段のものまでございますよ。なにこれ?何人前?え?全部一人前ですって?………畜生、はめやがったな………。
しかし、こんなことで動揺しているようでは大物になれない。そう、僕は大物になりたいのだ。こんなアルバイトだかなんだか分からない茶髪の青二才にはめられて、一番安いお肉を注文するほど僕は弱い男じゃないぜ。と、メニュー全体の平均的な価格のお肉を一通り注文して、フンフン鼻息を荒げて、肉たちが来るのを5円のビールを飲んで平静を装って待つこと数分。おっと、来ましたぜ、僕の飲み代1回分、いや、2回分の肉たち…。てめぇ、これ骨ついたまんまじゃねーかよ!あ、いいの?そのまま焼くの?あ、焼いてくれるの?そう、悪いねぇ。なに、もう食べていいの?まだ?どっち?ああ、裏返すのね。あ、なにそれ?ハサミ?ねぇ、ねぇ、それハサミ?何に使うの?肉切るの?あ、切った。もう食べていいの?あそう、じゃ、いただきます。
ここで私、本日2度目の驚愕。
………!なんだこりゃ!こんなに美味しい食べ物が世の中にあるなんて、全く知らなんだ!僕は勢いづいて、この際思いっきり贅沢してやろうと、様々な上等な肉たちを次々に注文し、一心不乱に喰らったった。
そうして、お腹を膨らました僕は、生ビールが次第に進まなくなり、しかも何だか酔いも程良く回り、入店からわずか1時間半程で限界を迎え、もう帰りたいなぁなんて、日和った頭の中で冷静に自分が召し上がった生ビールの数を数えてみると、およよ、なんと、自分たったの4杯でギブアップやないですか!弱っ!
でもいいのです。自分の限界に挑もうなんて、そんな下らない挑戦のことはもう忘れましょ。美味しいお肉と程よいお酒の回り具合で、こんなにも素晴らしい気分になれたじゃないですか。店員さん。そうそう、そこの茶髪の君よ。君ね、もう僕は帰りますよ。お会計をお願いね。
ここで私、本日3度目の驚愕。
ほよっ!お、お会計が…いつもの飲み代と一桁違うんですけど…!!僕は生ビールが一杯5円だって聞いてこうして気軽にやって来たのよ!でも、将来きっと大物になるであろう僕は、もちろんこんな風に動揺していることを悟られてはいけない。何の迷いも見せぬように支払を済ませ、結構安いんだねぇとかほざいて、あ、なに?ガムくれるの?僕に?あそう、悪いねぇ。なんてって、そのままフラフラお店をチリリーンと出ましたよ。目には薄っすら涙を浮かべて、下唇を強く噛み締めながらね。
帰り道、ポッケから先程もらったガムを取り出して、包み紙を見た私。なにこれ?変なの。これハングル文字かなぁ?ねぇねぇ、これハングル文字?なんか○ト○トっていっぱい書いてあるよ。そっか、韓国って焼肉が盛んなんだっけね。確かうちの母親がそんなこと言ってたような気がするよ。エヘラエヘラ。おおっ!ガム超うめー!なにこれ!?何味?何味って書いてあるんだろう?読めねーー!!!うひゃひゃひゃ!!!
気付けば、たった4杯の生ビールで、僕はすでに立派な酔っ払いに成り下がっていたのである。その証拠に、帰りがけに寄ったコンビニで、何の迷いも無くアイスクリームを4つ購入して、その場で3つ立て続けに食べてましたからね。ヘヘへ。
そうして僕は、家に辿り着くなり豚のように寝こけてしまった訳だが、今にして思うと、生ビール100杯を飲むという過酷な挑戦よりも、こんな風にたった20円分の生ビールで気持ちよく酔っ払ってしまう方が、よっぽど挑戦的であり、革新的であり、素晴らしいことなのではないかと、無理矢理自分を正当化することしかできない、駄目な人間のだなぁ。僕は。いっつもそうやって何でも誤魔化して生きている。なんとも情けない男であるよ。僕は。
あれ?なんの話だっけ?まぁいいや。

0
2009/1/12
空が白けていくよ。僕の脳が白けていくよ。
ヘラヘラしつつフラフラしているよ。
頭が痛いやら気持ち悪いやら眠たいやら、いつだって飲みすぎて帰る朝はそんな感じで、片目だけ薄っすら開けてフニャフニャ歌なんだか独り言なんだか訳の分からぬ声を漏らしつつ、上体を老いた百合の花のように前方にぐったりと垂らし、鞄の重さに操られて路地の端から端までヨタヨタ必要以上に歩いて、いつまで経っても自宅に辿り着けないので、毎度本当に困るのだ。
しかし恐らく、今まで私と酒の席を共にしたことのある方々の中にも、そんな私の醜態を目撃したことのある人はほとんどいないのではないだろうか?
それもそのはず、私は外で友人知人やその他の人たちなどと一緒にアルコールを交えて食事をする際などは、グデグデになった自分の情けない姿を絶対に人様に見せまいと、とは言え本人的には本当はそんなに意識をしているつもりは無いのだけれども、どうやら自分は鉄のパンツを履いた乙女のようにガードが固いらしく、大酒を喰らって酔っ払った際などもなんとか臨界点ギリギリのところで、平静を装った阿呆面を晒してその場に居座っているというのがほとんどなのである。
ただ、いわゆる団塊の世代の方々が得意とされているようなダジャレ的なことをグダグダ繰り返しほざいて一人で大笑いをしていたり、大声で吉川晃司氏の歌を熱唱するなどの、軽く痛い感じのキャラになってしまうこともしばしばで、とは言え周りも皆当然グデグデなので、案外その痛さも目立つことなく、宴が終わる頃までギリギリ人と会話が出来る程度の理性を保っていられるのだが、「じゃあ、さいならー」ってことで、皆散り散りに帰途につき、ふぅ、やれやれ、ようやく一人っきりになったぞっという段になると、まさに、マリオネットの糸が断ち切られたかのように、ガクンと、もしくは、漫画「キン肉マン」に出てくるアシュラマンの顔がクルッと変わるあの時のように、ほんの一瞬で、上述のとおりの見るも無残な醜態を世の中に晒すことになる訳です。
まぁ、多くの場合は漫画「北斗の拳」第一巻で「み、水を…」と、うわごとを言いながら砂漠を歩く半分白目を剥いたケンシロウのごとく、今にも死んでしまいそうなギリギリの状態でなんとか自宅に辿り着き、最後の力を振り絞って靴を脱ぎ、鞄を放り投げ、上着を脱ぎ捨て、靴下はイヤミのようなことになっているけれども、そんなことには決して構わずに、布団を引っ被って着の身着のまま眠りこけてしまうのであるが、悪酔いした日などはもう悲惨で、ズボンの裾やらズックの先っぽやらに壁やら地面から跳ね返った自分の反吐を大量に浴びて帰ってくるという惨状なのである。
自分でも驚くほどに毎度見事にそのような孤独な千鳥足の男に成り下がり、ポッケに手を突っ込んでまるで唾でも脇道に吐くように歩行を止めずに反吐を噴射したり、電車に乗り込んで三つの県を二往復ぐらいしたりしながら、なんだかんだ無事に家に帰ってきてしまうから、なんか帰巣本能だけで生きてる変な動物みたいで自分のことが可愛らしくてしょうがない。
そんな自分は元々体質的にアルコールが合ってないんじゃないかしらん、とか思うけど、それでもまた飲みたくなってしまうから不思議なもんです。というか、そんな状態になる時は大概楽しくって自分のキャパを完全に越えた量を飲んでしまっているだけなんですよね。そんな自分はまるで学習能力のない馬鹿な動物みたいでこれまた可愛らしい。
今回は、そんな僕の、飲酒にまつわる様々な思い出を掘り起こしていくシリーズです。
いつもシリーズ物の記事は長く続かないんですが、それは毎回わざわざご丁寧に、自分は本来ズボラな性格で部屋とかも引き散らかしていたりするくせに、マンガ本とかCDなどは、著者やアーティスト順などで、整然と自室の書棚に陳列せんと気が済まないなどといったように、妙なところだけ基地外な几帳面ぶりを発揮して、今までのこのブログのシリーズ物でも、全て自分史の順序を正して書かないと気がすまないという大変不便な性格によるものであり、それに気付いた僕は、今回は自分で勝手に作り上げてしまったそのような愚かな既成概念を無視して、思いついたことをどんどん書いていけばもっと気軽に更新していけるのではないかと思いついた訳ですよ。
じゃあ何を書こうって、少し考えたら、なんかすぐにパッと頭に思い浮かぶのは、こんな風にウェブ上で気軽に書いたりしまっていいのかどうか迷うような、あまりに強烈な思い出たちばかりで、じゃあどうしましょうってまた考えるわけですが、う〜ん、そうさねぇ、それでは一番最近アルコールを摂取した話でも書きましょうかねぇ。
あっと、その前に、まず大前提として私は自宅で一人で飲酒をしたりはほとんどしません。人と一緒に話し込むときとか騒ぎたい時しか基本的には飲まないんですよ。一人でいる時は冷静に物事を考えたり、自分のために本とか色々な媒体から知識を得たり、パソコンに向かって細かい作業をしていることがほとんどで、それらのことを僕は少しでも酔うと満足に出来なくなってしまうんですよね。なので、一番最近飲酒をしたのは1月9日のロザンナ企画のイヴェントに出演させてもらった際の打ち上げですね。
いやしかし、当日のライヴはせっかくここ最近良い流れが出来てきてたのに、また自信を喪失せられるよな悲惨な内容でした。私のバンドVery Apeはこの長いキャリアを持ってしても未だに、完成とか安定とか、そういった当たり前にプロフェッショナルなパフォーマンスができないのである。
体調とかメンタルとかその場の空気にすぐに左右されてしまい、綿密に練り上げたはずのライヴの構成がすっ飛んでしまい、頭が真っ白になってグワーッてテンションが間違った方向に行ってしまい、急にライヴ中に孤独を感じてしまったり、情緒不安定になるともう駄目。
それがいいと言ってくれる奇特な人もいるにはいるが、やはりライブというか音楽とかのこういった表現活動というのは究極の自己実現であるべきだし、自分が納得のいく内容でなければ、例えお客さんが楽しんでくれて結果オーライみたいなことになっても、それではいけないと思うんです。
そういう意味では僕らは、どんな状況下でも安定したライヴができるある種大人的なバンドのような状態ではまだ無いんだなという、妙な安心感と不安が入り混じり、でもこれしかできないんだからしょうがないよなとか思いながら、永遠に成長中の未完成のクソバンドであるのだなと再認識した一日でした。
長い付き合いの中で、そんな諸刃の剣のような僕たちのことを理解してくれた上で大事なイヴェントに呼んでいただいたロザンナには本当に感謝してます。
ちょっと話を元に戻すと、今回飲酒のネタを書こうと思った時、彼等の顔はやはりすぐに思い浮かびました。なんと言っても彼等と夜な夜な一緒に飲んで経験した様々な出来事はインパクトが強すぎましたので。
血まみれのサラリーマンを救助して群がる野次馬にフライヤーを配布したり、ボーリング場で場違いなXの「紅」のPVを流して大騒ぎしたり、グレッチという名前の(こっちが勝手に付けたんだが)日本語がほとんど話せないアジア系の男と新宿三丁目の路上に座り込んで不毛な会話を延々したり、酩酊状態のVery Apeの奇行に触発されて温和なロザンナ阿野氏がフライドチキン店の壁をガンガン蹴りまくったりと、今となってはまったく訳の分からない思い出ばかりであるが、それらが今に繋がっているのだなと思うと非常に感慨深かったです。
その当時から比べると、ロザンナというバンドは本当に素晴らしい成長を遂げたんだなと、当日のライヴを観て改めて感じさせられました。それでも打ち上げなどで一緒に飲むとメンバーそれぞれは以前となにも変わらず、ちょっと変だけどすごく真面目で、人間としてとても好感の持てる純粋な人たちで、そりゃあ皆に愛される訳ですよ。
それに引き換え我々Very Apeったら、当時から何も成長していないし、自己中心的で天邪鬼で、愛想がない狂犬病の野良犬のようで、更に腹黒い。そりゃあ皆に蔑まれる訳ですよ…。
帰り道、元々体調の悪かった我々Very Apeはライヴハウスから出た途端、張り詰めた糸がプツンと切れたように、瞬時に冒頭のような醜態を晒すことになり、突然ゴミ捨て場に機材ごとひっくり返ってブツブツ文句を言っている清水嬢をぼんやりと眺めながら、フニャフニャと訳の分からぬ歌だか声を発しながら直立もできぬ自分は、フラフラしながらなんとかタクシーに乗り込み、砂漠をフラつくケンシロウのような顔で、なんとか自宅玄関の扉を開けることに成功したのであった。
あとがき
そんな状態でライヴハウスに忘れていった、ビニール袋に詰め込んだままでぐしょ濡れだった衣装を本日受け取りに行ったのですが、恐る恐る中の匂いを嗅いだら地獄のような異臭が立ち込めており、戦慄が走りました。

0
1 | 《前のページ | 次のページ》