料理人に信念を聞くと
「値段じゃない。味で勝負」
また服のデザイナーあたりだと
「知名度じゃない。質とセンスだよ。」
と答える人は多いだろう。
某RAISE A FLAGと言うバンドの元祖ドラムスの某石川氏は、20年前、家宝の如く大切にしていたSGを所有していた。
スタジオの休憩時間でも、
「盗まれるから」とスタジオに置きっぱなしにはせず、肌身離さずロビーまで持ってくる有様。
凄い思い入れなんで、ギブソンあたりの年代物なのかなと、憎い位シブく斜めに書かれているヘッドのローマ字を読んでみると、「Tender」と書かれていた。
「F」じゃない「T」だった(笑)。
思わず俺も突っ込みを入れる。
「テ、テンダー?
誰が盗むんだよ」と。
すると某石川氏は、
「ギターはメーカーじゃない。音だって。この音聞いたら誰だって盗みたくなる逸品だ!!」と反論された(笑)。
俺もバンドマンの端くれ。
そんな凄いサウンドならと、拝借して弾いてみた。
確かに弦高低くて弾きやすい。
しかし…
コードを奏でるとハムなのにシングル並みの軽さ。
ソロに関しては、思った通りの音が出せないネックのそり具合。
やっぱり「T」故のサウンドだったのだ(笑)。
トイレ借りるのに入った、リサイクルショップで安価なギターが売っていたので、他愛もない話だが、20年前の記憶が甦った。
俺から言わせてもらえば、石川氏の例は
「ギターはメーカーじゃない。加えて音でもない。愛情だ。」
になるのだ(笑)。
俺も色んなギターを持ったけど、今はモーリスのアコギ一本。
サウンドホールがティアドロップ型になっていて、ハウってしまうことが多いけれど、しっかり愛情を注いでいきたいね。
それともう一つ。
「男か顔じゃないぜ。ココだよココ(がっちり胸叩いてまっせ)」。

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