平成15年九州場所、
横綱武蔵丸関が引退し、平
成19年名古屋場所の
横綱白鵬関の誕生で、幕を閉じようとしている
横綱朝青龍の一人横綱時代。約3年半も続いたこの時代に前人未到の
7連覇達成や、2005年には
年間最多勝の84勝をマークし、歴史に残るさまざまな大記録を残した。
朝青龍関が横綱になったばかりの頃は、気迫を前面に出す取り口が横綱相撲とは思えず、正直俺の抱いている横綱像とは馴染まず、なかなか受け入れらることができなかった。しかし、さまざまな大記録を達成していくその勇姿に、どんどん吸い込まれていって、魅了されていったのも事実である。
平成15年5月場所に「
東の正横綱」という位置に番付を置き、来場所で25場所になる。夏場所までの24場所の間に前述の大記録だけではなく、さまざまな
記憶と
慣例を根付かせた。
来場所から、すっかり慣れ親しんだ本場所の光景がいっきに変化する。
朝青龍一人横綱時代から、相撲ファンになった人に何が変わるかお伝えしよう。
まずは、来場所の
名古屋場所から変わること。
「
結びの一番が偶数日には白鵬関がとる。」・・・・2日目・4日目・6日目と偶数日の結びは、白鵬関になる。つまり、一番前で勝利した朝青龍関が結びの白鵬関の相手に
力水をつけるというシーンが見られるようになる。あの時間一杯でぐるっと回転し、左手で締込みをばんと叩いて、1日が終わるというのは、奇数日のみとなるのだ。朝青龍関のことを好き嫌い関係なく、あの緊張感のある仕切りは俺自身は毎日結びで観たかったので、少し寂しい気もする。
そして、来場所白鵬関の成績が朝青龍関の成績を上回った場合の秋場所では。
なんと、東西の横綱が逆転し、
東が白鵬関・
西が朝青龍関となるのだ。つまり、テレビで観ている場合いつも左にいる朝青龍関が、右で仕切ることになる。懸賞を受け取る時に正面を睨み付けるシーンも向正面を睨むようになるのだろうか。
もちろん、結びも偶数日に朝青龍関ということになる。
同じ横綱という地位であっても「
東の正横綱」というのは、最高位に位置し、絶頂期を越えた
貴乃花関が久しぶりに「東の正横綱」に戻った時は、アナウンサーが、「貴乃花関が定位置に戻ってきました。」と言ったくらいである。
さて、最高のポジション「東の正横綱」。横綱朝青龍関はこれを死守するのか。
俺の来場所の見所はそこである。

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