2019/10/18

フッド:ザ・ビギニング  その他の映画・ドラマ・舞台

珍しくネタバレなし

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「ロケットマン」で勢いついて同じタロンくん主演の「フッド:ザ・ビギニング」を見てきました。

これが「ロケットマン」と同じで期待以上に面白かったです。

と言っても、別のおもしろさなんですけどね、

タロンくんが何かのインタで「アクションを楽しんでね」と言ってましたが、それが本当に楽しめました❤︎

ところでこの原題(英語)はただの「ロビン・フッド」なんですが、珍しく邦題がなかなか優れてて、ロビン・フッドがロビン・フッドになるまでの話なんですと。

なんですと、と言うのは、実は私もとのロビン・フッドの原作もこれまでの映画も見たことがない。でも富裕者から盗んで庶民に還元する、ってことだけ知ってましたがそれで十分スカッと楽しめました。

ロビン・フッドの時代はなんと12世紀の十字軍遠征の時です。

それなのに、こんなにモダンな衣装なんですよ!

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時代劇といえば、兵士や平民は泥だらけでくすんでボロボロの衣装、支配層はギラギラフリフリ、とだいたい決まってますが、

あの時代にはなかった素材も使ってるけどそれがカッコイイので文句なし。

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町の作りも全然イギリスのノッティンガムらしくなくて、架空の町風。

小高い山の上に城のように町ができてるのは、私にはイタリアを連想させましたが、ロケはクロアチアやフランスだそうです。ま、お隣とアドリア海を挟んでお向かいの国ですので当たらずとも遠からず・・・(無理)

そして印象に残るのが、カーチェイスならぬお馬さんチェイスと馬車チェイス。

そんなところは12世紀を再現してますけど、エフェクト撮影だとわかっていてもお馬さんが危険なことするのはハラハラドキドキです。戦火の馬です。

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タロンくんの他に、「ベイビー・ドライバー」でキレた犯罪者を演じたジェイミー・フォックスがイスラムの男、「ザ・フォール」でサイコ・キラーを怖く怖く演じたジェイミー・ドーナンも出ています。敵か味方かはっきりしないところがよかった。

あと、この下の写真のタックという聖職者が飄々として好きでした。

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この巾着は、ムビチケの特典なんですが、映画の中にたくさん出てきて、これが御目当てで買って嬉しくなります。

私はちゃんと中には夫には秘密の隠し貯金を収容しております。

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2019/10/13

アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺  その他の映画・ドラマ・舞台

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このシリーズは実話を元に、被害者は有名ファッションデザイナーのヴェルサーチェ(日本語だと最後の「ェ」はない表記ですけど発音はチェなんですよね)。エミー賞で作品賞、監督賞および主演男優賞を受賞しているそうです。

でもそれよりも何よりも、私の動機は脚本のトム・ロブ・スミスでして、ベン・ウィショー主演のドラマ「ロンドン・スパイ」を書いた作家です。

連続殺人事件を9話に渡って描くこのドラマは、もちろん殺人シーンがあり血を見ます。しかし怖いのはそれだけでなく、1990年代のアメリカでは軍で同性愛は禁止だったため残酷な事件が起きたエピも非常に怖く、私はこのドラマが日本で見られる日を楽しみに待っていての鑑賞だったというのに、恐怖のため2話までしか見られませんでした。

しかし台風に襲われたこの2〜3日、スーパー台風恐怖におののき心が麻痺した隙を狙って残りを一気見することができました。

とてもよくできた脚本で時間軸の使い方が秀逸でした。

エピが進むにつれ、血が飛び散ることや暴力よりも怖いのは、犯人のアンドリュー・クナナンの人格ということがわかります。ドラマはそれを突き止める旅だったのです。

そして自身が同性愛者であるトム・ロブ・スミスによるゲイの社会的地位の現実をわかりやすく見せています。1話約60分の長さなので登場人物とその人間関係に時間をかけてあり、それぞれがゲイであることで社会でどのような目に遭っているかが描かれています。
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2019/10/6

エルトンズ・ソング  その他の映画・ドラマ・舞台

自分でも意外なほど気に入っている映画「ロケットマン」について、以前書き起こした文章を読んだことがある「町山智浩による解説ラジオ番組」の録音をyoutubeで聞きました。

実は私、エルトンの曲って「アイム・スティル・スタンディング」しか知らなかったくらい、全く曲も彼自身についても知らなかったので、

10代の頃からファンだったという町山さんの話、文字で読むよりとても面白かったです。

それで特に面白かったのが、「ロケットマン」で知った名曲「ユア・ソング」、

あれはバーニーがエルトンへの思いを書いた詩で、

でもってその時バーニーはエルトンが自分に恋してることを知っていて、なおかつバーニーは異性愛者なのでエルトンがと同じには愛せないけど、別の意味で彼を愛してるんだ、としれっと愛の詩を捧げたんですね。

でその詩に即曲をつけて歌ったエルトンの心境や・・・!

で町山さんも言ってたけど、人間としてのお互いの愛には、お互いの天才的な才能への愛も含まれてるじゃないですか。

だから愛の種類が違ってると知りつつも離れられないふたりの関係の切なさよ。

それでラジオで、バーニーの「ユア・ソング」に対するエルトンの答えが「エルトンズ・ソング」だ!と曲が紹介されました。



その詩が、めちゃくちゃ辛い片思いなんです。

Staring all alone and your grace and style
一人でかっこいい君を見つめてると
Cut me to the bone with your razor blade smile
君のカミソリのような笑顔は僕の骨に刺さる
I watched you playing pool
ビリヤードで遊ぶ君を見てた
It's all around the school that I love you
学校中どこでも君を愛している
I love your gypsy hair and dark brown eyes
ジプシーのような髪と濃い茶色の瞳を愛してる
Always unprepared for your pointed replies
君の的を得た返事にはいつもどうしていいかわからない
Cynical and lean
シニカルで短いから
I lie awake and dream about you
横たわって目は覚めていても君の夢を見る
If you only knew what I'm going through
せめて君がこの気持ちを知っていたら
Time and again I get ashamed to say your name
何度となく君の名を口に出すと恥ずかしくなり
It's hard to grin and bear when you're standing there
笑って耐えるのは辛い 君がそこに立っていると
My lips are dry, I catch your eye and look away
唇が乾いて 君と目があうとそらしてしまう
Sitting in my room, I've got it bad
自分の部屋に座り 思いつめて
Crying for the moon, they think I'm mad
ありえないことを望む 気が狂ったと思われるよ
They say it isn't real but I know what I feel and I love you
本気じゃないと言われても自分の気持ちはわかってる 君を愛してる
(しましま訳)


バーニーがあっけらかんに「愛してる」と言えるのに対して、それ以上のものを望むエルトンの心境はこんなにも苦しいとはなんて関係だ!とのたうちまわってしまったんですが、

さてここから私が調べてみたら、二つの曲の発表年は70年と81年と11年も離れてるんです。

だから必ずしもYour Songへの回答がElton's Songとは言い切れないです。

が、この2曲の間にエルトンはカミングアウトしているので、ずっと片思い続けてたバーニーへの想いをやっと公表した、とは言えますね。

ラジオで町山さんはElton's Songはエルトンとトム・ロビンソンの共作だと言ってたんですが、クレジットにはエルトンの名前はありません。ただエルトンは詩を書かない人なので、エルトンの話をトム・ロビンソンが歌詞にまとめたってことはあり得るし、トムが書いた詩をもらったエルトンが「エルトンズ・ソング」とタイトルをつけたということなので、その歌詞が自分の感じていたことだった・・・!と思ったことは事実。

さらにこの曲のプロモビデオは(MTV全盛期の訪れを感じる!)、

舞台は学校なので少年時代のエルトンの思い出も重ねられてると思え、しかし全寮制の男子校なので、労働者階級の子だったエルトンの実体験ではなく、動画は映像作品として脚色されています。

とはいえ、結局少年の頃からの美少年への片思いがバーニーで最高潮になり、この曲にて10年もかかって返事をするとは、歌詞にある通り

Always unprepared for your pointed replies
君の的を得た返事にはいつもどうしていいかわからない


なエルトンだったんですね!


町山さんのラジオのyoutubeはこちら

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2019/9/29

「エセルとアーネスト」岩波ホール  その他の映画・ドラマ・舞台

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すごい久々に岩波ホールへ行きました。

最後に行ったのが一体いつなのか、多分ヴィスコンティとかベルイマンとか見てもよくわからないのに見に行ったような気がします。

で今回は「エセルとアーネスト」が東京で唯一の上映館だったのです。

神保町駅だと駅ウエとでも言うのでしょうか、とにかく駅から垂直移動しかない真上で便利なのですが、私は定期のある千代田線から歩いて10分ほどだったので、電車代節約と運動を兼ねて歩きました。

途中「タコベル」にもよってタコを食べ、神田の街の、書店とお手頃なレストランがひしめき合ってる様子に昭和にタイムスリップしたような気がしました。


「エセルとアーネスト」は試写を見たので2度目になります。

で今回はアーネスト役のジム・ブロードベントが本当にうまいなぁと感心することしきり。というのも、アーネストは20代の若者時代から71歳までがでてくるんですが、最初は若者に聞こえるんですもの。それに陽気で気のいい牛乳配達の労働者階級の人なんて、私が今まで見た彼の役とは全然違っててジムさんだと忘れてしまいます。

牛乳配達といえば、以前にも書きましたが「ヒマを持て余した主婦の浮気相手として英国では認識されている職業」なので、「奥さんが更年期でオレの手にあまるから頼まれてくれないか・・・」と顧客にしっかり相談されていて、吹いてしまいました!

アーネストは労働者階級に誇りを持ったステキな人なんですが、

エセルって、息子の髪型に敏感で泣いたり注意したり。政治や戦争のことはよくわからないなりに持論でぶった切る。ヒロシマの原爆で10万人が亡くなったと聞いて「みんな死んだら戦争が終わるからいいわ」とか言ってしまう・・・・私の頭の中の典型的なムカつく白人のおばあさんなんですよね。

アポロの月面着陸では、もうだいぶ弱ってたのでテレビも見えてなかったようで
エセル「月に行って何してるの?」
アーネスト「その辺を歩き回って帰って来る」
エセル「ピクニックしてくるのかしら、いいわね」
アーネスト「お茶がポットから飛び出しちまうな」
エセル「あら、そんなに風か強いの?」
アーネスト「重力がないから」
エセル「そりゃそうよね」
って会話が可愛くて好きでした。

それと、ふたりが出会った時にエセルはメイドとして働いていたのですけど、実際は家の掃除もしてましたから小間使いの仕事もしていたのに、「私はレディズ・メイドよ!」と労働者階級ではない、と主張してるんですが、

「ダウントン・アビー」で覚えた使用人の階級、レディズ・メイドは奥様の身の回りの世話をする、男性なら旦那様の衣装係のヴァレットに相当するかなり地位の高い使用人ではあります。

エセルはかなりズレてるけど、アーネストが包容力のある人で羨ましいなあ。



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2019/9/23

マイ・ビューティフル・ランドレット  その他の映画・ドラマ・舞台

英国公開は1985年、日本では1987年の本作デジタルリマスター版が映画館上映されると知り、一生に一度のチャンスかも?!を逃してはならぬとオタクの重い腰を上げ恵比寿まで行ってきました。

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タイトルではクレジットの文字が洗濯中の洗濯物のようにクルクル回り、音楽は泡がプクプク言ってる曲が延々と流れてかわいいのなんの・・・!

しかし私はこの映画を見てダニエル・デイ=ルイスの大ファンになったというのに、話はほとんど覚えてなかった・・・というか、よくわかってなかった。

主役はダニエルのジョニーとは言いながら、パキスタン人青年のオマールの方が出番が多く、彼の父親から叔父一族までオマールのすべて見せます的。

対してダニエルの方は家族は誰も出ないし家もほぼなく、パンクでナショナルフロントな友人もジョニーがオマールと働き出したら移民のために働く裏切り者と敵になってしまった・・・・こ、孤独!

そしてオマールがまた曲者で、無邪気な好青年かと思いきや、母国語も話す親の世代と違ってイギリス育ちなので家族をも裏切っても成功しようとする上昇志向者。

なのに、ニコニコとジョニーに近づいて彼の目をまっすぐ覗いて犬のようにフレンドリーな顔と、昔、移民排斥のパレードに参加したジョニーの過去を責め続ける・・・という別の顔も見せるんですよ!なんだお前!

ジョニーの方は罪の意識を感じ、もう悪党の仕事は辞めたのに、オマールのために犯罪を犯すわ、オマールの叔父に見込まれて、かつて自分がされた空家に住み込んだ住人を追い出す仕事まで受けてしまう。

ダニエルの美しい腕や肩や長い脚を鑑賞しながら、ダニエル大丈夫か!と始終ハラハラさせられました。

見かけは強い不良だけど、ダニエル、すごく優しい。病気の友達を看病したり、昔から移民に好かれていたってオマールも言ってたけど、まあ、きっと繊細だからイギリス人よりおとなしい移民が好きだったのかも。

しかし昔見た時はパキスタン人にも興味がなければイギリス社会のこともよくわかってなかったので、そんな難しいことは出てこないのにぼんやりとしかストーリーを味わえてなかったんですね。

今見ると、80年代はまだサッチャー政権で、イギリス自慢の社会福祉や労働者の保護が減り、労働者階級の荒くれ者が自分達がまともな仕事に就けないのは移民のせいだ、と過激派がああやって暴力をふるってたんですね。

それに空家に勝手に住み込むスコーティングもまだ盛んだった。それがどういう政府の方策があったのか詳しくは知らないけど今はほぼない・・・サッチャーもまだ福祉を根こそぎにはできなかったから失業手当で長期生きてる若者が溢れていた。

ダメダメでも一応生きていけてる時代で、しかし今見るとやはりあの暮らしはひどい。前に見た時は私も若かったので汚いフラットでもあまりそうは思わなかったけど、今は色々経験したからあの汚さが手に取るように想像できちゃいます。

掃き溜めの鶴だったジョニーのことをオマールも「ボロボロになっても美しい」って言ってて、暗い映画館でウンウン、と一人リアクションしてきました。


そのジョニーを思わせるような、ダニエルの近年の姿。このタトゥーはいつからあるんだろう。ジョニーの時はなかった。

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