2020/3/10


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メインイベントの「A MUNBER」です。このために2月末という寒い時に、新型ウィルスでアジア人ヘイトに会う危険も冒して行ったんですよ。

しかし2月のいいところは航空券がオフシーズン。

航空会社のカレンダーで値段をチェック、底値は2/26までで2/27には1万円アップ、その後は劇的にアップということを確認、2月の寒さにビビって少しでも遅ければ暖かいかもと27にしたのですが、結果、その27日から気温は劇的にダウンでした!

こんなことなら2/26に飛んで2/27,28,29と3夜連続で観劇をし、浮いた1万円で帰りの飛行機を夜にすればよかったと後悔です。BA1日3~4便あって(予約当時コロナ前)遅い出発の方が高額なのです。

ブリッジシアターは意外にも新しいモダンな商業ビルの一角でお隣はオシャレなレストランTHE IVY。本当にタワーブリッジの麓でした。

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客層は老若男女『知的』というのが共通項です。そこにちょっと異質な濃いオタク女子がいたらそれはコリンファン(笑)。

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ストール(日本でいうアリーナ)席は1階ロビーの手前にある階段を降りて入場するのでなかなか気付かなかったのですが、ギャラリー(2、3階)席入り口のあるロビー奥には、リハ写真が展示されていました。

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この写真を撮るために前に立っていた紳士に退いていただきました。お納め下さい。

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さて、ストーリーは・・・

「A NUMBER」の意味は調べると「多数の」という意味。Salterは妻に自殺され、その後様子がおかしくなった一人息子Bernardを施設に入れ、自身の更生のためにもその息子のクローンBernard 2を育てた。やがて成人した二人の息子たちはその事実を知ると、2は「自分はコピーだ」と動揺し、幼少時代以来会ってなかったオリジナルの1にも責められる。しかも2以外にもSalterの知らないうちに複数の他のクローンが作られていた。やがて1は2を殺して1は自殺してしまう。息子の喪失に自分とは関係がないと思っていた「その他のクローンたち」に会う気になったSalter。その一人めMichael Blackに会ってクローン人間であることについて何かを聞き出そうとしたが、家庭も作り幸せなMichaelには出生のドロドロについてはどうでもいいことだった。

と、実はMichael Blackが出てくるまでが本編というか長いのですが、その長さでSalter一家のことがSalterにより説明され、彼にとってはBernard 2こそが本物の自分の息子であり、1はオリジナルとして無視できないものの、その二人以外のクローン達は存在もずっと知らなかったので遺伝子的には子供とはいえ下手すると人間としても認めていなかったからこその大どんでん返しでありました。

*しかしですね、私の小さな脳みそは最初Barbard1と2がふたりともクローンだと思っていてオリジナルは本当に死んだと思っていたので、この話がめちゃめちゃわかりませんでした。なぜそう思ったか、それはこの作品について検索した時に、自動でWikiの日本語翻訳が現れたのを読んじゃったんですね、『父と息子の対立を中心に構成されています。2人は最初の息子のクローンです。』完全に誤訳ですね。自動翻訳を信じてしまった自分の愚かさが憎い。


見どころは、コリン・モーガンによる同じ姿の3人の息子たちです!一人3役♪1粒で3度おいしいグリコモーガン。

登場順に人物紹介しますと、

Bernard 2はSalterが人生をやり直そうという思いで手塩にかけて育てた息子です。当然、性格がいい。コリン、かわいい!35歳で親と同居してるあたりもパパと相性よく暮らしてる現れですね。白Tにグレーのジャージに白スポーツソックスで居間とキッチンをうろうろし、ソファに犬のように座ってソックスの中の足指をモゾモゾ、好きな飲み物は牛乳ですよ、ティーンエイジャーか(苦笑)と思いながらも牛乳の似合う30代、それがBernard2 !

Bernard 1はママがいなくなりパパにネグレクトされ精神が荒んでしまった子供です。施設に行った後もその傷みが癒えることはなかったところに40歳になって自分のクローンが自分の席を占め父親の愛を受けていた事実を知る。その怒りと悲しみを直立不動の全身から滲み出し、着古した黒いジャケットとジーンズも人生にくたびれたように見える。Bernard2も1も髪は無造作なくしゃくしゃなんですが、1は怒りで頭まで立ち上がってる感じ、顔はHUMANSのレオの時みたいな追い詰められた豹でした。

Michael Black 親にも知られず生まれたクローン人間。育ち方は不明ですが、前出のふたりのBernardの混乱ぶりから複製人間とは一体どんないきものなのか・・・とみんなに思わせといて、気立てもよく成績優秀だったと見えて髪に櫛の通った数学教師、奥さんと3人の子供にも恵まれた完全な爽やかでお茶目な青年。

と、ここまで書いて、きっと脚本家が狙った3人像をコリンが演じることで意図しなかったキャラクターが出来上がったんだろうなあ、と思います。だって初演のダニエル・クレイグだったらきっと違ってたはず!絶対Bernard1が1番真に迫ってたんじゃないか?!

こんな3人と対峙するパパSalterのロジャーさん。チェックのシャツにカーディガンとジーンズ。ふふふ、ジーンズ。そして近未来という設定のわりにちょっとレトロで質素な居間のインテリアは多分Salterが若い頃から変わらずずっとそうなんだそうなと思わせます。下の舞台写真では奥が窓ですが、この舞台、場面が変わるたびに90度ずつ回転して奥の壁もそれに合わせてあと3方がぐるりと見える仕組みになっています。暖炉やTV、本などのラックの面、キッチンにつながった面、それと入り口ドアのある面なんですが、どこもきちんと片付いていて、Salterの性格も落ち着いてるんだな、と想像させます。

なので、息子たちとの話で、オリジナルが2歳の亡くなった奥さんは(多分うつ病で)電車へ投身自殺、その後からなのか多分現実逃避で酒かドラッグに走ったとわかった時はびっくりです!温厚な男の意外な過去。

しかも「オリジナルの息子は亡くなった」と最初はBernard2に嘘をついてましたが、実は、施設に入れたというんですよ。ここが私も最初信じられない部分だったんですが、イギリスは日本よりも子供の人権を尊重し実の親たりとも育てる能力なしと判定されると子供を保護するために親から引き離すんですね。きっとそういうことだったのかな、と思ってみたのですが、その男に子供のクローンを発注させる許可がよく降りたものだとそっちも不思議でなりません。

そこらへんは不明なのですが、とにかくも酒類依存からは2度目の巻き返し子育てに成功したSalter。片付いた部屋のように精神的に復活しましたが子供にバレて自分も動揺してます。かわいい2に苦しまれて「そうだ勝手に余分なコピーを作った医者たちを訴えよう。アイデンティティーの侵害だ。」と自分への責任追及を逃れるための提案まで。

その場では笑いが出るのですが、これ、よく考えたらSalterのちゃらんぽらんぶりが。ロジャーさんは勝手に私の中で「知的」レッテルを貼られてるのですが、「モース刑事」のサーズデーだって情に深く判断力はあるけど知的というよりむしろ腕っ節が売りな人なんですよね。

Salterは普通の人、むしろ最初の息子を忘れてクローンで人生をやり直そうなんて自分のことしか考えられない人だったんですよねー。奥さんがうつ病になったのだって彼に原因がなかったとは言えないし。ま、そういう愚かなところのあるので、自分勝手な奴めと思いつつも観客はついSalterに同情して感情移入しまうんですね。冷静になるとSalterのしたことって共感しづらいんで、こちらもキャスティングが成功してますね!

コリンはもちろん役が変わる時に衣装替えで舞台からいなくなりますが、Salter役のロジャー・アラムは舞台に残っているので、約1時間ロジャーさんの文字通り出ずっぱりも堪能できます。これがもし好きになれない俳優だったら・・・?!ずっと1時間はうっとおしいでしょう!

では長くなってしまいすみません。多分もう1回書きます。

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上3枚の写真はツイッターで観客の誰かが撮った開演前のセットと会場。ブリッジシアターはストール席が少な目で2階3階席からもステージが近くよく見えそうです!
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