2019/10/31
ヒックとドラゴン聖地への冒険/東京国際映画祭 その他の映画・ドラマ・舞台


12/20公開の、ドリームワークスのアニメ映画「ヒックとドラゴン」の3作目が東京国際映画祭でプレミア上映されました。
同日、3の前に1と2も上映されたのですが、そちらは吹替だったのでパス、字幕版のこちらだけ見に行きました。
吹替は子供連れが見込めるので劇場で多いのは仕方がないですが、せめて国際映画祭だったら海外の観客のためにもオリジナル音声でやってほしいかな・・・(というのは表向き、やはりオリジナルで楽しみたい!)
上映後にはディーン・デュボワ監督のトークもあって盛り上がりました!
ですので、内容は予告編さえも見ないほうが驚きがあっていい(私は知識ゼロで見てとても感動したシーンが予告編にあって初見でラッキーだったなあ!と思ったものですから)くらい美しい映像で、音楽もいい、
正直言うとドラゴンやバイキングのキャラは私の好みの絵柄ではないのですが、世界に入ってしまうと、もうそんなことはどうでもよくなり、何かと涙が出てポイントメイクは全部涙で流れてしまうほど・・・
というわけで、涙の後の監督さんのお話をレポします。このラストにネタバレあり、もう1度警報出します。
スタッフさんからのQ:世界中でヒットしているシリーズの人気の理由はなにか
A:ドラゴンというのは人気のトピックで、世界中どの文化にも存在し、2を製作中にはアフリカにもいることがわかった。実在した恐竜と神話を足したような存在と友達になったり背中に乗って飛ぶという夢が見られるからではないかな。
Q:キャラの作り方は?
A:この答えはドラゴンと人間の2種類ある。
人間の方は、兄弟や友達を観察してリアルなキャラを目指し、ヒロイックなキャラにも短所があって共感が得られるような像を目指した。
ドラゴンの方は現実の動物からデザインとパーソナリティーの両方を取り入れています。
Q:ナイト・フューリーのデザインがシンプルで他のドラゴンたちと違うのはなぜ?
A:いい質問ですね。ナイト・フューリーは真っ黒で闇で姿を消す怖くてパワフルな存在なんだけど、同時に抱きしめたくなるような愛らしさも欲しかった。他のドラゴンの方が早くデザインが決まって見てみると皆爬虫類ぽくて、それでナイト・フューリーはブラックパンサーのような哺乳類を参考にした。動きも猫科の動物を取り入れ、さらにサラマンダー(トカゲ)の要素を加えヒックが乗って丁度いい大きさにしました。
この下にネタバレきます
Q:シリーズの1から10年経って、人間とドラゴンが離れ離れになるのはなぜ?
A:今この世界になぜドラゴンがいないのかを説明したかった。1と2では人間はドラゴンと共生していた。人間は自然を守らなくてはならなくて、その問題を解決したらドラゴンは帰ってくる存在なんです。自然の象徴です。またドラゴンと人間はお互いに出会ったことによってインパクトを与えあい、また別れる、という複雑なエンディングにしたかった。

2019/10/30
NTLive「イヴの総て」先行上映 その他の映画・ドラマ・舞台
映画や舞台の名作としてネタバレも何もないんですが、先行でしたのでネタバレはやめておきますね。
でも、とても面白かったです!
対談つき。登壇は翻訳者の戸田奈津子さんとジャーナリストの佐藤友紀さん。
映画字幕の戸田さんがなぜ演劇の対談に出演かというと、戸田さんはCG映画がお嫌いなので昨今の作品は見たいものがあまりなく、生身の人間を楽しめる舞台に最近お熱で特にオペラがお気に入りなんだとか。
方や佐藤さんは、外国に舞台を見に行き必ず出待ちをするそうで、そうするとその1年後くらいに映画宣伝で来日俳優を取材するとき、「あれ、どこかで会った?」って話になり、舞台を見に来てくれた佐藤さんは質問の内容も他の記者とは異なるのでインタビューで俳優さんも喜ぶのだそうです。(いいなあ!そのお仕事!)
それで佐藤さんの取材で戸田さんが通訳を、ということでお付き合いの長いお二方ということです。
NTLiveということで、戸田さん曰く「ハリウッド映画は昔から主役にアメリカ人のスターを据えて脇を英国俳優の実力者を固めるのよ。英国俳優は層が厚く、シェイクスピアを生んだ国ですから血が違う。実力俳優さんをインタビューすると、役者は皆ハムレット、ヘンリ−5世、チェーホフかもめのトレープレフを演じるべきだ、と言うのよ。」
リリー・ジェイムズの事を佐藤さんからは映画「シンデレラ」でケネス・ブラナーに見出された文字通りのシンデレラなんですよ。
*しましま感想:
NTLive先行上映に来るような客層ターゲットにこの対談は果たして・・・・(出席なさった方のツイートで「とても楽しかった」というのを見かけたので、人それぞれとは存じますけど。)
このお二方、仲良しさんなのは戸田先生の「ユキちゃん」という呼びかけでわかるのですが、映画や俳優の話になると全然合ってなかった。というのは興味対象があまり共通してないんだと思いますw
ジリアン・アンダーソンはアメリカ人ってことで話が終わってたし。

ジリアン・アンダーソンは小顔なのでバランスはいいけど公表身長160mmで日本人並みの小柄なので、隣に並んだリリー・ジェイムズは、「ダウントン・アビー」や「ベイビー・ドライバー」で可憐な女の子というイメージだったのに(そこが好きだったのに)とても大女に見えました!なんか私の好きなリリーちゃんじゃない!
そのせいもあってか、ジリアンの役マーゴをつい応援しました。

ベテラン女優の若い女優への嫉妬というテーマは、イヴォ監督のイメージにどうもピンとこなかったんですが、テーマのドロドロした感じと監督の持ち味のドライな感じのバランスが私のツボにパーフェクト。
それと音楽のPJハーヴィーも最高で、私はライブに行ったこともあるんですが正直こんなに彼女の曲がいいと思ったのも初めて。

女同士の争いの話でも黒幕は年寄りの男、というのも今世紀のセクハラ問題を具現化してたし、
脚本家、ベテラン女優、新人女優のパワーバランスが面白く、当時は脚本家(男)が上で、唯一大スターの女優だけがそれを覆すとワガママと捉えられてたのか、とか。
マーゴの恋人が良かったな。

ジリアンは大人の女性としてロール・モデルにしたいです。
はて、それはなぜだろうと考えてみると、さかのぼることThe Fallでの役柄、正確に言えば部下アンダーソン(コリン・モーガン)との関係にありますね。しかしそのためには警視正とかになって部下を持たないとダメなのであった!
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でも、とても面白かったです!
対談つき。登壇は翻訳者の戸田奈津子さんとジャーナリストの佐藤友紀さん。
映画字幕の戸田さんがなぜ演劇の対談に出演かというと、戸田さんはCG映画がお嫌いなので昨今の作品は見たいものがあまりなく、生身の人間を楽しめる舞台に最近お熱で特にオペラがお気に入りなんだとか。
方や佐藤さんは、外国に舞台を見に行き必ず出待ちをするそうで、そうするとその1年後くらいに映画宣伝で来日俳優を取材するとき、「あれ、どこかで会った?」って話になり、舞台を見に来てくれた佐藤さんは質問の内容も他の記者とは異なるのでインタビューで俳優さんも喜ぶのだそうです。(いいなあ!そのお仕事!)
それで佐藤さんの取材で戸田さんが通訳を、ということでお付き合いの長いお二方ということです。
NTLiveということで、戸田さん曰く「ハリウッド映画は昔から主役にアメリカ人のスターを据えて脇を英国俳優の実力者を固めるのよ。英国俳優は層が厚く、シェイクスピアを生んだ国ですから血が違う。実力俳優さんをインタビューすると、役者は皆ハムレット、ヘンリ−5世、チェーホフかもめのトレープレフを演じるべきだ、と言うのよ。」
リリー・ジェイムズの事を佐藤さんからは映画「シンデレラ」でケネス・ブラナーに見出された文字通りのシンデレラなんですよ。
*しましま感想:
NTLive先行上映に来るような客層ターゲットにこの対談は果たして・・・・(出席なさった方のツイートで「とても楽しかった」というのを見かけたので、人それぞれとは存じますけど。)
このお二方、仲良しさんなのは戸田先生の「ユキちゃん」という呼びかけでわかるのですが、映画や俳優の話になると全然合ってなかった。というのは興味対象があまり共通してないんだと思いますw
ジリアン・アンダーソンはアメリカ人ってことで話が終わってたし。

ジリアン・アンダーソンは小顔なのでバランスはいいけど公表身長160mmで日本人並みの小柄なので、隣に並んだリリー・ジェイムズは、「ダウントン・アビー」や「ベイビー・ドライバー」で可憐な女の子というイメージだったのに(そこが好きだったのに)とても大女に見えました!なんか私の好きなリリーちゃんじゃない!
そのせいもあってか、ジリアンの役マーゴをつい応援しました。

ベテラン女優の若い女優への嫉妬というテーマは、イヴォ監督のイメージにどうもピンとこなかったんですが、テーマのドロドロした感じと監督の持ち味のドライな感じのバランスが私のツボにパーフェクト。
それと音楽のPJハーヴィーも最高で、私はライブに行ったこともあるんですが正直こんなに彼女の曲がいいと思ったのも初めて。

女同士の争いの話でも黒幕は年寄りの男、というのも今世紀のセクハラ問題を具現化してたし、
脚本家、ベテラン女優、新人女優のパワーバランスが面白く、当時は脚本家(男)が上で、唯一大スターの女優だけがそれを覆すとワガママと捉えられてたのか、とか。
マーゴの恋人が良かったな。

ジリアンは大人の女性としてロール・モデルにしたいです。
はて、それはなぜだろうと考えてみると、さかのぼることThe Fallでの役柄、正確に言えば部下アンダーソン(コリン・モーガン)との関係にありますね。しかしそのためには警視正とかになって部下を持たないとダメなのであった!

2019/10/29
PASSENGER LIST 08 コリン・モーガン
Episode 8: “The White Matchmaker”https://t.co/R7XgoABHqH pic.twitter.com/wawRO1bbWO
— Passenger List (@passengerpod) October 28, 2019
エピ8 The White Matchmaker
なななな何と最終エピです?!
クライマックスですね?!
謎は解けるのか、
また偽パスポートで搭乗した人物の話になど広がっちゃって、
収束しないままついに学校を停学処分にになったケイトリンはコナーの生存を諦め実家に帰ろうと決意。
・
・
・
ななななな何とコリンの出演がない?!
本当のクリフハンガーは、ケイトリンの携帯にコナーから電話があったことなんですが、
Help us.
という言葉を最後に、
いつもだったら最後の最後には出てきたトーマスが最後の最後まで出ないなんて、
こんな仕打ちに会うとは・・・・!!!!!
シリーズ2がなかったら、この補償はどうしてくださると?

2019/10/27
アール・デコの造本芸術 いろいろ
千代田区立日比谷図書文化館特別展「鹿島茂コレクション アール・デコの造本芸術 高級挿絵本の世界」
という長いタイトルの展示を見てきました。

運良く「見たいな」と思ったら2つ前の記事の「リア王」と同じ会場でラッキー!
ここは図書館に広い展示機能がついたようなところで、公園の中という環境もいいし、勤務先から地下鉄で隣の駅という、私にやさしい密かなお気に入りの場所です。
展示はだいたい無料ですが、これは入場料300円。
規模も300円な、あまり疲れずに気軽に見れる量です。
お気に入りは、このジョルジュ・バルビエの「ニジンスキー」シリーズ

線画のイラストは、題材がニジンスキーなどのダンスやファッションなどで、

ほぼ少女マンガなのですよ〜

でもこれが20世紀初頭のフランスで読者層は少女じゃなくて大人なので
エロさ爆発!で、ギリシャ/ローマ彫刻のごとく
男女ともに生まれたままの姿でポーンと描かれてるのもあれば、
一応身にまとってはいるけど、全身タイツとか、小道具で隠してるとか
そのポーズや顔の表情そのものがエロいので、
もはや大事なところが見えていても見えてなくても大してエロさに差はなかったです。
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という長いタイトルの展示を見てきました。

運良く「見たいな」と思ったら2つ前の記事の「リア王」と同じ会場でラッキー!
ここは図書館に広い展示機能がついたようなところで、公園の中という環境もいいし、勤務先から地下鉄で隣の駅という、私にやさしい密かなお気に入りの場所です。
展示はだいたい無料ですが、これは入場料300円。
規模も300円な、あまり疲れずに気軽に見れる量です。
お気に入りは、このジョルジュ・バルビエの「ニジンスキー」シリーズ

線画のイラストは、題材がニジンスキーなどのダンスやファッションなどで、

ほぼ少女マンガなのですよ〜

でもこれが20世紀初頭のフランスで読者層は少女じゃなくて大人なので
エロさ爆発!で、ギリシャ/ローマ彫刻のごとく
男女ともに生まれたままの姿でポーンと描かれてるのもあれば、
一応身にまとってはいるけど、全身タイツとか、小道具で隠してるとか
そのポーズや顔の表情そのものがエロいので、
もはや大事なところが見えていても見えてなくても大してエロさに差はなかったです。

2019/10/26
NTLive語る会vol.8「みんな我が子」 コリン・モーガン
もう8回目の「ナショナルシアター・ライブを語る会」。
きのうの夜(「リア王」講座)から丸1日もあけずに河合祥一郎センセイの司会進行とは、まるで私が河合センセイの追っかけのようなw
私にとっては初の「語る会」で何10年ぶりの駒場です。駅の出口=大学の門。

なななんか看板が目につく・・・

でも少し進むと簡素な感じで、文京区の東大に近い雰囲気

やがて門のところにあったようなダサくはない立て看板が

近寄ってみると

なななんてご親切に!

ついて行きますとも

(途中でカフェなかったなあ・・・おなかすいた)

壇上ゲスト:
松岡和子(シェイクスピアの翻訳で有名ですね)
水谷八也(早稲田大学文学学術院教授/「みんな我が子」パンフ寄稿)
柏木しょうこ(字幕翻訳家)
兵藤あおみ(演劇ライター)
中村未知子(カルチャビル←日本NTLive配給)
NTLive、シェイクスピアや演劇界で活躍されている豪華メンバーです。
河合先生はNTLiveで多いシェイクスピアのご専門ですが、なんと学生時代にこのAll My Sonsにジム役で英語劇に出演されたこともあるそうで、イギリス演劇だけじゃないのですね。All My Sonsのセリフを読んでもシェイクスピアに聞こえました!
水谷先生は新訳をされていて、芝居の終盤にあるジョーのセリフの中の「All my sons」の訳をそのままタイトルにしました。「彼らもまた、我が息子」と。
いいですね!だってそこで英語で見てる人はタイトルの意味を知るんですもの、日本人だってそういう楽しみは欲しい。
松岡さんの感想:ナチュラルな演技でまるで映画を見ているようだった。映画俳優さんたちだからなのか。NTLiveのために作られたような舞台では。
これに対し、水谷先生が「ビル・プルマンの視線の演技なんて劇場ではわかりませんよ、あれは映画の演技です」と。
ふむふむ!
私も劇場で見て気付かなかった涙や表情にスクリーンで驚いたのも無理はなかったのね!
(でもここで誰もコリン・モーガンの表情には言及してくれない)
柏木さんによるとライティングも凝っていて俳優が喋っている時にスポットライトが比喩的な場所を照らしたりしていたそうで、若いエッジーな演出家が伝統的な芝居の中で見せた反抗では、と兵藤さん。
そしてそして、
話の中心は、ジョーとケイトで、
ジョーはアメリカ的理想像(西部劇の男)家父長制の象徴として、町でも部下に罪を着せた男と知られていても「成功」した男として社会的に容認されていた。ただしビル・プルマンは親分肌の男らしさはあまり見せずその点ではミスキャストなのでは、という意見も。へーなるほど。
ケイトは実は裏幕で「夫が息子を殺したなんてありえない」世界を演出し続けていた。
いや、ストーリー的には私の最初の感想は「弱いふりしてみんなを自分の都合通りに動かす女怖い」だったから、黒幕というより明らかだったんですけど・・・
このふたりの隠蔽は、資本主義に生きる人誰にでも起こりえることだよね、というアーサー・ミラー節の話が深く掘り下げられて、
参加した一般人の質問受付コーナーに。
ここで私はフツフツと「誰もクリス(コリン・モーガン)とアン(ジェナ・コールマン)の話をしない」ことについてグルグル迷いだしました。
どうもみんなの関心はそこにはないようだけど、私が来た目的はそっちなのだから、ここで私が何も言わなければ「日本での『みんな我が子』への関心は私とは全く違ったところにあったんだ」とがっくり頭を垂れて帰るしかない。
勇気を振り絞って
「私はあの若いふたりを見るために行ったんですが(ここでロンドンまでと言うのを忘れる)専門家の先生からのコメントを聞かせてください。」
水谷先生「ファンなんですか?」
私「はい。」
水谷先生「クリスとアンよかったですよ」
・・・ここで終わりそうに見せかけその間に思いついていただいたのか、
「クリスという人は爽やかすぎる男ですけど、単純でウブな青年というだけではなく、戦争で多くの部下を失ったと言っている。もしかして見殺しにもしてるかもしれない。日本の自然災害にもあるんだけど、生き残った人の罪悪感を持ち続けていて、自分は幸せになってはいけないと思い込んでいる。だからアンとの距離感もあり、自分としてアンとキスをするよりも元恋人の兄としてのキスになってしまうんですね。」
ナールーホードー
そして柏木さんが「アンは1日のうちでやたら着替えるんですけど、4着も着るんですけどあれは何かしら」
(*ドレス2着とプラスカーディガンだけじゃなかったでしたっけ?)
水谷先生「それはやはりアンの美しさを見せて彼女と結婚したいという気持ちを見せるんじゃない」
(昼のドレスからお出かけ用のドレスに着替えて、夜になったからその上にカーデを羽織っただけじゃないのかなあ?と思った私とは違う専門家の先生だなあ・・・)
それと面白かったのは、
「この後、クリスとアンは結婚しないよね。」
と柏木さんがおっしゃったことです。私には「そして結婚する」としか想像できなかったので。それから会場は、結婚する派vsしない派に分かれました。
確かにクリスの性格としては、自分の親がアンの親にしたことを許せないでしょう。
でもここで、なぜ私がふたりが結婚すると思ったかと言うと、アンはもともとすべてを知っていてもクリスと結婚したいからです。
そして柏木さんもおっしゃってましたが「ジェナ・コールマンは可愛らしい顔をしてものすごく気が強い役をドクター・フーでやっていた」
イギリスにいる人は皆それを知ってジェナを見てると思うんですよ。
方やコリン・モーガンは、ほとんどの役で「報われなく」でも誰かを守る忠誠心が強く健気な役多し。
この組み合わせならば、ジェナが「私と結婚して乗り越えましょう。ふたりで1からお父さんとは違うものを作ればいいのよ。」と言えばなんだかんだで生きるならそれしかないと思うクリスが目に浮かびます。
幸せになるかどうかはまた別の話ですけど、ジェナが欲しいものを手放すなんてありえないんです。← 完全にクララとヴィクトリア
すみません、あまりにも私以外の皆さんが完全にジョーとケイトに集中、隣のスージーとかリディアとジョージは昔付き合ってたよねとかの話は出たのになぜかクリスとアンの話が聞けなかったものですから、レポのつもりが最後は自説シャウトになってしまいましたことをお許しください。。。。
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きのうの夜(「リア王」講座)から丸1日もあけずに河合祥一郎センセイの司会進行とは、まるで私が河合センセイの追っかけのようなw
私にとっては初の「語る会」で何10年ぶりの駒場です。駅の出口=大学の門。

なななんか看板が目につく・・・

でも少し進むと簡素な感じで、文京区の東大に近い雰囲気

やがて門のところにあったようなダサくはない立て看板が

近寄ってみると

なななんてご親切に!

ついて行きますとも

(途中でカフェなかったなあ・・・おなかすいた)

壇上ゲスト:
松岡和子(シェイクスピアの翻訳で有名ですね)
水谷八也(早稲田大学文学学術院教授/「みんな我が子」パンフ寄稿)
柏木しょうこ(字幕翻訳家)
兵藤あおみ(演劇ライター)
中村未知子(カルチャビル←日本NTLive配給)
NTLive、シェイクスピアや演劇界で活躍されている豪華メンバーです。
河合先生はNTLiveで多いシェイクスピアのご専門ですが、なんと学生時代にこのAll My Sonsにジム役で英語劇に出演されたこともあるそうで、イギリス演劇だけじゃないのですね。All My Sonsのセリフを読んでもシェイクスピアに聞こえました!
水谷先生は新訳をされていて、芝居の終盤にあるジョーのセリフの中の「All my sons」の訳をそのままタイトルにしました。「彼らもまた、我が息子」と。
いいですね!だってそこで英語で見てる人はタイトルの意味を知るんですもの、日本人だってそういう楽しみは欲しい。
松岡さんの感想:ナチュラルな演技でまるで映画を見ているようだった。映画俳優さんたちだからなのか。NTLiveのために作られたような舞台では。
これに対し、水谷先生が「ビル・プルマンの視線の演技なんて劇場ではわかりませんよ、あれは映画の演技です」と。
ふむふむ!
私も劇場で見て気付かなかった涙や表情にスクリーンで驚いたのも無理はなかったのね!
(でもここで誰もコリン・モーガンの表情には言及してくれない)
柏木さんによるとライティングも凝っていて俳優が喋っている時にスポットライトが比喩的な場所を照らしたりしていたそうで、若いエッジーな演出家が伝統的な芝居の中で見せた反抗では、と兵藤さん。
そしてそして、
話の中心は、ジョーとケイトで、
ジョーはアメリカ的理想像(西部劇の男)家父長制の象徴として、町でも部下に罪を着せた男と知られていても「成功」した男として社会的に容認されていた。ただしビル・プルマンは親分肌の男らしさはあまり見せずその点ではミスキャストなのでは、という意見も。へーなるほど。
ケイトは実は裏幕で「夫が息子を殺したなんてありえない」世界を演出し続けていた。
いや、ストーリー的には私の最初の感想は「弱いふりしてみんなを自分の都合通りに動かす女怖い」だったから、黒幕というより明らかだったんですけど・・・
このふたりの隠蔽は、資本主義に生きる人誰にでも起こりえることだよね、というアーサー・ミラー節の話が深く掘り下げられて、
参加した一般人の質問受付コーナーに。
ここで私はフツフツと「誰もクリス(コリン・モーガン)とアン(ジェナ・コールマン)の話をしない」ことについてグルグル迷いだしました。
どうもみんなの関心はそこにはないようだけど、私が来た目的はそっちなのだから、ここで私が何も言わなければ「日本での『みんな我が子』への関心は私とは全く違ったところにあったんだ」とがっくり頭を垂れて帰るしかない。
勇気を振り絞って
「私はあの若いふたりを見るために行ったんですが(ここでロンドンまでと言うのを忘れる)専門家の先生からのコメントを聞かせてください。」
水谷先生「ファンなんですか?」
私「はい。」
水谷先生「クリスとアンよかったですよ」
・・・ここで終わりそうに見せかけその間に思いついていただいたのか、
「クリスという人は爽やかすぎる男ですけど、単純でウブな青年というだけではなく、戦争で多くの部下を失ったと言っている。もしかして見殺しにもしてるかもしれない。日本の自然災害にもあるんだけど、生き残った人の罪悪感を持ち続けていて、自分は幸せになってはいけないと思い込んでいる。だからアンとの距離感もあり、自分としてアンとキスをするよりも元恋人の兄としてのキスになってしまうんですね。」
ナールーホードー
そして柏木さんが「アンは1日のうちでやたら着替えるんですけど、4着も着るんですけどあれは何かしら」
(*ドレス2着とプラスカーディガンだけじゃなかったでしたっけ?)
水谷先生「それはやはりアンの美しさを見せて彼女と結婚したいという気持ちを見せるんじゃない」
(昼のドレスからお出かけ用のドレスに着替えて、夜になったからその上にカーデを羽織っただけじゃないのかなあ?と思った私とは違う専門家の先生だなあ・・・)
それと面白かったのは、
「この後、クリスとアンは結婚しないよね。」
と柏木さんがおっしゃったことです。私には「そして結婚する」としか想像できなかったので。それから会場は、結婚する派vsしない派に分かれました。
確かにクリスの性格としては、自分の親がアンの親にしたことを許せないでしょう。
でもここで、なぜ私がふたりが結婚すると思ったかと言うと、アンはもともとすべてを知っていてもクリスと結婚したいからです。
そして柏木さんもおっしゃってましたが「ジェナ・コールマンは可愛らしい顔をしてものすごく気が強い役をドクター・フーでやっていた」
イギリスにいる人は皆それを知ってジェナを見てると思うんですよ。
方やコリン・モーガンは、ほとんどの役で「報われなく」でも誰かを守る忠誠心が強く健気な役多し。
この組み合わせならば、ジェナが「私と結婚して乗り越えましょう。ふたりで1からお父さんとは違うものを作ればいいのよ。」と言えばなんだかんだで生きるならそれしかないと思うクリスが目に浮かびます。
幸せになるかどうかはまた別の話ですけど、ジェナが欲しいものを手放すなんてありえないんです。← 完全にクララとヴィクトリア
すみません、あまりにも私以外の皆さんが完全にジョーとケイトに集中、隣のスージーとかリディアとジョージは昔付き合ってたよねとかの話は出たのになぜかクリスとアンの話が聞けなかったものですから、レポのつもりが最後は自説シャウトになってしまいましたことをお許しください。。。。
