2019/9/23

マイ・ビューティフル・ランドレット  その他の映画・ドラマ・舞台

英国公開は1985年、日本では1987年の本作デジタルリマスター版が映画館上映されると知り、一生に一度のチャンスかも?!を逃してはならぬとオタクの重い腰を上げ恵比寿まで行ってきました。

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タイトルではクレジットの文字が洗濯中の洗濯物のようにクルクル回り、音楽は泡がプクプク言ってる曲が延々と流れてかわいいのなんの・・・!

しかし私はこの映画を見てダニエル・デイ=ルイスの大ファンになったというのに、話はほとんど覚えてなかった・・・というか、よくわかってなかった。

主役はダニエルのジョニーとは言いながら、パキスタン人青年のオマールの方が出番が多く、彼の父親から叔父一族までオマールのすべて見せます的。

対してダニエルの方は家族は誰も出ないし家もほぼなく、パンクでナショナルフロントな友人もジョニーがオマールと働き出したら移民のために働く裏切り者と敵になってしまった・・・・こ、孤独!

そしてオマールがまた曲者で、無邪気な好青年かと思いきや、母国語も話す親の世代と違ってイギリス育ちなので家族をも裏切っても成功しようとする上昇志向者。

なのに、ニコニコとジョニーに近づいて彼の目をまっすぐ覗いて犬のようにフレンドリーな顔と、昔、移民排斥のパレードに参加したジョニーの過去を責め続ける・・・という別の顔も見せるんですよ!なんだお前!

ジョニーの方は罪の意識を感じ、もう悪党の仕事は辞めたのに、オマールのために犯罪を犯すわ、オマールの叔父に見込まれて、かつて自分がされた空家に住み込んだ住人を追い出す仕事まで受けてしまう。

ダニエルの美しい腕や肩や長い脚を鑑賞しながら、ダニエル大丈夫か!と始終ハラハラさせられました。

見かけは強い不良だけど、ダニエル、すごく優しい。病気の友達を看病したり、昔から移民に好かれていたってオマールも言ってたけど、まあ、きっと繊細だからイギリス人よりおとなしい移民が好きだったのかも。

しかし昔見た時はパキスタン人にも興味がなければイギリス社会のこともよくわかってなかったので、そんな難しいことは出てこないのにぼんやりとしかストーリーを味わえてなかったんですね。

今見ると、80年代はまだサッチャー政権で、イギリス自慢の社会福祉や労働者の保護が減り、労働者階級の荒くれ者が自分達がまともな仕事に就けないのは移民のせいだ、と過激派がああやって暴力をふるってたんですね。

それに空家に勝手に住み込むスコーティングもまだ盛んだった。それがどういう政府の方策があったのか詳しくは知らないけど今はほぼない・・・サッチャーもまだ福祉を根こそぎにはできなかったから失業手当で長期生きてる若者が溢れていた。

ダメダメでも一応生きていけてる時代で、しかし今見るとやはりあの暮らしはひどい。前に見た時は私も若かったので汚いフラットでもあまりそうは思わなかったけど、今は色々経験したからあの汚さが手に取るように想像できちゃいます。

掃き溜めの鶴だったジョニーのことをオマールも「ボロボロになっても美しい」って言ってて、暗い映画館でウンウン、と一人リアクションしてきました。


そのジョニーを思わせるような、ダニエルの近年の姿。このタトゥーはいつからあるんだろう。ジョニーの時はなかった。

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