2018/3/31


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10年も前の映画なのですが、「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008)原題「Let the Right One In」を見て打ちのめされました。

始まりからしてとてもとても静かに静かに始まり、降る雪だけのシーン、説明もセリフもないままゆっくりゆっくりと進行するのですが、これが昨今の「スピード感」とか「テンポの良さ」とは無縁で、しかしながらずっと飽きずに見ていられるのです。

主人公のオスカーは綺麗な少年ですが、同級生の中では純で子供っぽいのかイジメにあっています。

12歳という大人に成長する直前の、彼のとびきり美しい時がフィルムに刻まれているのが奇跡のようです。プラチナブロンドのおかっぱ頭、北欧らしい白い肌に控えめな顔立ちに、出てきた全ての衣装が映えていました。ブルーのセーターに茶色や濃紺(黒か?)のズボン、ベージュのライン入りのチルデンセーター、パパの赤いフリースジャケットetc. いじめられてズボンをトイレで汚された時に雪の中はいてたブルーのショーツ。体育やプールの時に見えるまだ丸い肩のライン、でもこれから成長するだろう男の子の華奢でもしっかりとした骨格、細すぎないまっすぐな脚。

時は1982年の設定(これは後から調べて知りましたが、現代のように思えてPCやスマホのない時代、もしや50年代位?と思うとスニーカーのデザインがそこまで古くない。あとオスカーのパンツが白というのが現代と違う。パンツはいつから色や柄が普通になったんだろう?ちょっと70年代の残ったファッションや家具、小道具がもう、シーンに映ってるだけで見飽きません。セーターの色や柄や形、ストックホルム郊外という設定なのですが、体育の授業で池にスケートをしに行けるとか、もっともっと田舎の村のような雰囲気です。オスカーの住む住宅はロンドンにもあるシンプルでモダンな公営住宅という感じ。

要するにパッとしない退屈な街をチャーミングに見せています。そこにエリを連れたおじさんが越してきて、オスカーや住人の関心を引きます。あ、やっぱり村社会ですね。首都ストックホルムといえども、なんて長閑かなのスウェーデン。

そのエリの方は黒髪で最初の頃は南ヨーロッパから来た子なのか、とかジプシーの子供なのかとも思える容姿だったのですが、アップだと瞳の色が複雑な緑だったり、光の当たり具合や映る角度でやっぱり普通のスウェーデン人かな?と思い直す微妙な顔でした。でもこの異様さはヘアメイクなどの演出でもありますが。

そして実は私、エリが女の子なのか男の子なのか知らずに見たので、最初男の子かと思っていたのです。顔つきで。服装も最初のうちどっちかわからない微妙な感じでしたが、セリフとピンクの透かし編みのセーターを着ているあたりでやっぱり女の子という設定か、と思い、ストーリー上は日本版だと最後までわからず、キャスティングを見て女の子が演じたと知りすっごいびっくりしました。だって少年が演じたようにも見えましたから。

私は最初は日本語吹き替えで、2回目を字幕で見ました。それで不思議なことに引っ越してきた時にエリと一緒にいたおじさんもヴァンパイアかと思い込んでいたのですね。大人と子供の二人連れヴァンパイアだと。牛乳飲んだりリンゴ齧ったりしてるのが2度目の時には人間である証明かとわかりました。

そうと分かってみたら、人間であるおじさんがエリのために生きてたことがわかり、急に悲壮な話とわかりました。

ヴァンパイア映画なので、かなり血が飛び散り、エリは血まみれになる(もっとうまく血を飲めないのか?長い間血を飲んで生きているのに?)のですが、これ不思議なことにグロいけど怖くないのですね。おじさん硫酸かぶって顔半ぶん溶けてるけどそれも見ちゃうのが不思議です。逆に「レッド・スパロー」は直視できないシーン多いというのに。

やっぱりそれはファンタジーというか、童話のような、いやはっきり本音を言うと少女マンガの空気感に近いからかな。「ポーの一族」ですよ。そういうマンガの世界だとグロが許せるのは「キングスマン」もそうでした。お伽噺だと「怖い」という記号としてはわかるけど心底怖くはないです。

ところでわからないのは、邦題の「200歳」はどこから来たのか?エリは「長い間12歳のまま生きてる」とは言ってたけど具体的な年齢は言ってなかったと思うのですが・・・

それと日本のぼかしではわからないとされているエリが去勢された少年という意味。いい意味でエロチックなのだけど、なぜ去勢されたのか。(ぼかされた理由もわからないけど)

主役の2人は撮影当時11〜2歳くらいでしたが、映画祭での2人を見たらオスカー役の子はずいぶん身長が伸びてたし、エリ役の方は本当に女の子で胸が大きく成長してそれを強調する開いたドレスを着ていてびっくりしました。でも2人のバイオを見たら近年の作品が出てないので、子役で終わってしまったのかと残念に思います。特にオスカーは時々ビョルン・アンデレセンを彷彿とさせる美しさでしたもの。

私は2人がハグするシーンとても好きで「付き合う」とは「好きで一緒にいること」というのがまたキュンとして、「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」も思い出したりして、こういう不器用なふれあいってスウェーデンぽいのかな。最後の頃に血まみれの唇でエリはオスカーにキスしていたけど、お互いの胸に引き寄せあったり、ベッドに潜り込んだ時オスカーの背中側に入って腕に触れたり、という距離感がものすごくドキドキしました。

クラシックぽい曲はマーラーのようにも聞こえ、そこでも「ベニスに死す」と同じ空気が流れました。音楽は全体に良かった。レコードでポップスが流れたりもしたけどそっちも良かった。

そうそう、家を出たオスカーのパパは同性愛者なのでしょうか。はっきりとは描写されてなかったけれど、家に訪ねてきた男性のことを時々しか会えない息子よりも優先するとは特別な関係に思えました。パパ、息子と友人をちゃんと紹介してなかったのも2人の関係が特別だからかなと。もしそうだとオスカーが元少年のエリとこれから生きて行く暗示にもなりますね。

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2018/3/29

レッド・スパロー  その他の映画・ドラマ・舞台

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本日はミッドタウン日比谷オープンにつき、全国的には明日公開の映画が日比谷では今日から見ることができました。

たまたま運良くお休みだったので「レッド・スパロー」を見ることに。

女スパイというと、去年はシャーリーズ・セロンの「アトミック・ブロンド」もありました。セロン姐さんもカッコよかったですが、ジェニファーの方がスパイっぽくない意外性が好きです。

本当にこの映画は個人的にはジェニローを堪能するためにあるようなものでした。原作は元CIA工作員の書いたベストセラーで、ストーリーがどんどん何重にもひねて知的なスリルがあるのですが、

それよりも何よりもジェニローでした!

ボリショイバレエのプリンシパルだった設定ですが、実ははっきり言って彼女の体は首が長いこと以外は全くダンサーぽくないのです。ダンサーはやはり相当な(特に脚が)筋肉質で上半身は細いのです。ですので彼女がトップバレリーナだったということはあまり説得力がありません。

でもロシア人設定のヨーロッパの香りに包まれた服の着こなしや髪型、メイクはもうジェニファーのちょっと田舎っぽい、けどノーブルで品のある美しさにぴったりでした。彼女の前髪ぱっつんを真似したくなったほどです!顔が違うのに・・・

それにハニートラップ養成学校ではロシアらしいとは言えあまりにもステレオタイプの講義が開かれていてちょっと辟易。せっかくのシャーロット・ランプリング先生なのに。それでもジェニファーが作業着風の時代錯誤な制服を課題のために脱ぐと、ムチムチで可愛いのですよ〜。モデルのように細くもなくバレエダンサーのように筋肉質でもないけど、彼女の場合は弾力のありそうな肉付きと質でいいのです。完璧なのです。

ところで映画の中でも「冷戦は終わったなんて建前」と出てきますが、折しもイギリスでロシアのスパイを狙い一般人にも影響があった薬品の事件のニュースがまだ耳に新しい今日この頃、そこはリアルでした。

ロシアの諜報員の拷問はTTSS時代(1970年代)から半世紀ほど経っても変わってなくて、ロシアスパイときたら拷問、怖いですよ〜〜〜

元CIAの人が書いたものだから、拷問の残忍さは本当にそうなのか。007シリーズなんてその辺は出さずにスパイのカッコイイところだけ描いてますから見る方も楽ですが。

ジェニファー・ローレンス、シャーロット・ランプリング以外も、キャストは豪華で、
ジョエル・エドガートン、キリアン・ハインズ、ジェレミー・アイアンズです。
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2018/3/26

GUCCIのセバスチャン  ベン・ウィショー

高級ブティックのショーウィンドウは映画のようにロマンに溢れているものがあります。

2015年にアレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターに就任してからのグッチは、商品自体が独特のオーラを放ってますのでウィンドウ・ディスプレーもシンプルでもパワーがあります。写真では伝わらない3次元の深み、素材感も見ていて芸術品のように美しいからです。

有楽町阪急メンズ館の外に面したグッチのショーウィンドウは通るたびにドキドキするのですが、今日もまた心臓が飛び上がりました。

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こ、これは・・・!!!

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クマちゃんが・・・!!!!!

私の頭にフラッシュバックしたのはもちろん「情愛と友情」のセバスチャン=ウィショー。

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だって公式のコーデはこちらですよ、このコンセプトと全く違う。どう考えてもこのおズボン見てセバスチャンがフラッシュバックした方がグッチのVMDご担当者にいらっしゃるんでしょ?是非お目にかかってお話ししてみたいものです。

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2018/3/25

ケーキ大惨事  イギリス

3/25の今日は、実は東京宝塚劇場「ポーの一族」千秋楽ライブビューイングの日で、私は抽選のチケットを申し込んだので仕事の休みをとって備えていた・・・けど当たらなかったため何も用事のないお休みとなりました。(苦苦苦)

そこで最近滅多にやらないケーキを焼いてみることに。しかも大好きなヴィクトリア・スポンジ!!やる気スイッチMAAAAAAAAAX!

ヴィクトリア・スポンジとはサンドイッチ形式になっていて2枚のスポンジの間にバタークリームと苺やラズベリージャムが挟まっているのが代表的。そういう形式のケーキのために、薄手の丸いケーキ型がふたつセットになったものもイギリスで買ってあります。

・・・・しかし我が家のオーブンは2段に出来ない日本で普通のオーブンレンジなため、厚めのスポンジを焼いてそれを2枚にスライスして作ることにしました。

私の予想図としては、ケーキは型から膨らんで高さがムクムクっと増すであろう、というものでした。

しかし現実は厳しい。

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型からはみ出した分はマリー・アントワネットのスカートのように下で膨らんでしまいました。

もう、あるものはスカートでも使え!ということで、無理やり乗せましたですよ!

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見た目こそモンスターですが、味の方はクリームまで手作りした甲斐があって美味しく、娘と私であっという間に半分ペロリ。

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美味しくできた秘訣は、なんのことはない、これのおかげです。

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イギリス在住の友人に「ヴィクトリア・スポンジをできたら買ってきて」というお土産リクエストをしたのですが、生ものですのでこっちを買ってきてくれたというわけです。

しかしね、この袋のレシピにあるように30分ほどでサクっと焼くには、イギリスのキッチンにあるようなでかいオーブンで上下段または左右に2枚置いて同時にスポンジを2枚焼かなくては出来ない相談だったのです!
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2018/3/24

ハンドメイズ・テイル侍女の物語  その他の映画・ドラマ・舞台

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全10話のドラマシリーズ、現在6話まで配信されています。

はっきり言って、ディストピアと言うだけあって暗く辛いです!!

それなのに配信された途端に見てしまうのは、主人公の境遇とその架空の国のシステムが残酷すぎて気が気でないのと、そしてそれが現実離れしていそうで、実は私たちの国日本や他の女性の地位が低い国の女性の境遇と同じか紙一重という、肌に迫るリアリティのせいです。

「子は宝」と日本でも言いますが、不妊人口が増え出生率が極端に落ちた国がとった政策は、妊娠能力のある女性を「侍女」という名の妊娠出産マシーンとして強制労働させ権力者の子孫を残そうというもの。6話では、さらにその女性を輸出という人身売買の話まで持ち上がっています。

代々女性の地位が元から低い日本やイスラムの国などは、女性が差別されてもそれが日常であり、日本などは地位が低いながらも何とか女性でも独立して生活できる道はあるので差別されても生きていけますが、このドラマでは、アメリカのような国が突然国の軍隊の圧力によって「従うか殺されるか」の二択になるのですから悲惨です。

でも、そんな悲惨は話がドラマとして見ていられるのは、侍女の赤い制服とか、身分の高い夫人達の緑の制服の様式美、

それと一見平和な庭のある美しい住宅地、古風な室内が映画並みに美しいからです。

あとドラマの語り口として面白いのは、まず現在のその圧政の国と登場人物を描き、それから物語の進行に従い、過去の体制だった頃の登場人物の生活が描かれて、

「こう言う経過をたどって今に至る」というフラッシュバック方式で人物が描かれていること。

これって、日本人は最初自分をさらけ出さず社会人としての均一の仮面をかぶっていて、その人を知る程にその人のユニークな面や深い部分の個性を知っていく付き合いに似ていると思います。

あと残るは4話で、主人公は果たして元の家族と再会できるのか、果たして妊娠するのか、国としてはこのまま続くのか、いろいろときになる怖いドラマです。



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