2018/1/14

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男  その他の映画・ドラマ・舞台



ドリス・ヴァン・ノッテンをご存知でしょうか。

ファスト・ファッションの勢いが止まらない昨今、ファッションデザイナーはそのクリエイションがそうしたコピー大量生産品の存在を可能にしているにもかかわらず、超有名ブランドネームほどには注目されなくなりました。

しかし2000年前後の、値段の高い輸入ブランドの服が売れていた時代にも、ほとんど広告を打つこともなく、服を買わない人でも多くの人が買うバッグやライセンス小物も作らず、

ひたすら職人気質の服をクリエイトし続けたデザイナーなのです。

それはファッション界では大変に珍しく、難しいことでもあります。

知ってはいても、私自身は彼の服が好きというわけではないので、今回この映画を見るかどうか躊躇していました。

しかし夫が行きたがったので(キングスマンよりも)運良くチャンスを逃しませんでした。自分以外の力に身を任せても良い結果が出る良い例でした。

それくらい、良質のドキュメンタリーでした。

1990年代の映像も交えながら、アトリエやショー会場での打ち合わせやフィッティング(どの服をどのモデルにどう言うコーデで着せるかを決める)と撮影の様子、インドの刺繍工場でのスタッフの生産指導、自宅での花を飾ったり料理をしながらのインタビュー、パートナーを含むスタッフの紹介、

を挟みながら、デザイナー自身が自分の会社の軌跡と、独立して巨大ファッショングループ会社に属さずにビジネスを続ける良さと難しさを語ります。

その語り方が淡々としていて冷淡ではありませんが冷静です。

また彼自身の着る服は、クオリティは良いのでしょうけど保守的でとてもファッションデザイナーには見えません。

しかも彼は休暇でさえも、1日の行動スケジュールを綿密に決めてその通りに行動するのです。その方が効率的に多くのものを見られるから。

静かな人ですが、想像への情熱と行動力がすごい。

イヴ・サンローランのような、感受性豊かで美しいクリエーションの才能がありながらも、時に自分自身をコントロールできないタイプと正反対のデザイナーです。

そしてそんなパワフルで理性的な彼でも疲れて苦しくなる時だってあり、そんな時は長年のパートナーに元気付けてもらうのだとか。

そんパートナーと住む家がまた美しくて、それをキープするのも高いエネルギーあってこそだなあと、

いい意味で、レベルの高い人間を見せていただいたような映画です。








1



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ