2015/11/14


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このポスターにすっかり心を奪われて見て来ました。
赤ずきんちゃんを彷彿させるような狼と少女。

・・・でもあまりこの作品の神髄ではありませんでした。だって狼じゃなくてそもそも犬でした(^^;)・・・ガクっ!

それでも、おもしろかったです!舞台を映画にしているとは言え、その舞台自体がまず普通じゃなく、客席に挟まれて舞台があり、天井も奈落もフル稼働で垂直な空間の使い方が大きく、まるでほんとの3DIMAXなんです。サルティンバンコを小さくしてシェイクスピアをやったかのような。

森の妖精や魔法の中世的な夜を、ハイテクなプロジェクションとローテクな布やロープや棒のような小道具で、小さな舞台に夢物語を魔法で出してしまったかのようでした。

幻想的なビジュアルなのに、物語の展開は、とってもとってもとってもわかりやすいです。シェイクスピアらしい、複数のカップルの取り違えや、劇中劇があるんですが、登場人物のキャラクターがハッキリしているので混乱はまったくありません。私のようなシェイクスピア&舞台初心者にとって「話がわかる」はまず第1歩です。そこでひっかかると鑑賞の愉しみにまで行かれないことが多いです。

「夏の夜の夢」と言えば私は大昔にオペラッタを見たことがあり、それはなかなか一流のリンゼイ・ケンプ・カンパニーのをロンドンで見るという恵まれた機会だったにもかかわらず、人間の公爵とその婚約者vs妖精王と女王、という2大権力者カップルがうまく区別できず、さらに若い4人の男女も何が何だかわからなくなって混乱したまま、という情けない経験でした。

本作演出のジュリー・テイモアはブロードウエイ「ライオンキング」でトニー賞受賞演出家で、そちらは私は未見なのでコメントできませんが、なんとヘレン・ミレンがプロスペラ、妖精エアリエルをベン・ウィショーが演じた「テンペスト」の監督でもありました。なるほど、吸い寄せられたわけです。

ストーリーを明確に運びながらも、妖精パック(キャサリン・ハンター)と子供達が演じた妖精達がすごい身体能力と愛らしさで暗い森の魔法の世界を表現していました。子供達は体操選手かバレエダンサーかと思います。トウで歩くシーンもありましたから。バレエの振り付けとしてではないトウでの歩きが舞台にとりいれられているのは初めて見ました。しかもそれが効果的でした。

名優キャサリン・ハンターのパックは、ボウラー・ハットにスーツ姿のチャップリンみたいな衣装でしたが、それがコミカルすぎてあまり好きになれませんでした。いたずらっ子なのでどちらかというと少年風にしたのかもしれませんが、もっと中性的な衣装がよかったな。少女風でいたずらっ子というキャラがあってもいいんじゃないかな。

他の俳優さん達も、全員がはまり役!と思えたくらい巧くて、でも何と言っても楽しかったのは、若い男女4人のうちのボーイズがセクシーだったことです♬
最初はクラシックな衣装を着てるんですけど、恋愛関係がこじれるにつれ、4人がなぜか服をどんどん脱いでいくんですね。なぜだかわからないけど「いいぞもっとやれ!」的な自然さでした。

身分が低いけど身分が上のハーミアと恋仲のライサンダーは長髪で甘い顔立ち、同じ身分でハーミアの父が決めた許嫁のディミートリアスは、短髪をきちっと分けたお坊ちゃん。ライサンダーはただの色男でディミトーリアスはただのポッシュ野郎かと初めは思ったのですが、シェイクスピアらしく長ーーーい台詞をしゃべっているうちに、ふたりともなかなかいい男に見えて来ます。

そして脱いで行くうちに、だんだん2人ともカッコいいじゃない?と見えて来て、ハーミア、どっちとくっついてもどっちでもいいじゃん!ともうすっかり安心してしまうという、頭の中では脚本とは違う展開に(笑)。脱いだだけでちゃんと清潔な下着は全員もちろん身に付けたままなのですが、舞台だと生ですので見ている方もドキドキして、4人が魔法の雫でカオスに陥っている感じがよく伝わって来ました。

そして、町の職人達による劇中劇というのが出て来るのですが、その話も恋愛ものなのに、男性ばかりの配役でロシアバレエのようなアバンギャルドでかわいい衣装でほとんど不思議の国のアリスばりに不思議な世界で滅茶苦茶です。なんでこんな劇団が出て来るのが最初わからなかったのですが、それを落ち着いて「ばかだな〜」と鑑賞するのが、4人の若い男女とそこの公爵夫妻という新婚カップル3組です。さっきまでドタバタしていたのはその人達なのですけども、他人の恋愛沙汰を端から見たときの落ち着きぶりの差を見せるためだったのでしょうか。

恋愛の魔法でばかなことをしたのは夢にきまってるじゃない、と我にかえると思いますよね。3組のカップルは結婚したからこれから生活の現実へと足を踏み入れてゆくのであります・・・



全国順次公開ということです!
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