2015/8/30

ウィショーさんに会えた  ベン・ウィショー

きのう、バービカンのステージドアでハムレット公演後に待っていたファン達にベネディクト・カンバーバッチが話したこと「(サインや写真)はできればやりたいけど毎日はできないよ」・・・これを読んで、私がステージドアを遠慮してしまう理由がわかってスッキリしました。

俳優さんの本業は演技で、その真剣勝負の前後にファンに会うってどういう気持ちなんだろ?と、「もしも会いたくない気分だったら申し訳ない」って思ってたんですね、私。でもいつがOKでいつがNGなんてわからないし、俳優さんもファンに会うのを楽しんでくれる時も多いだろうし、既に大勢集まってるのに私がいてもいなくても何も変わらないということも知っていて悶々とするので、ベネディクトさんのように表明してくれるのはありがたいことです。


さて、悶々としながらも憧れの俳優さんに一目会いたい!というのがファンというものです。バービカンの方はリア友も一緒だったし大勢のファンが出待ちというニュースを見ていたのであきらめましたが、ベン・ウィショーの「バッカイ」は1人で行くしチャンスないかな〜と小さな希望を抱いていました。

劇場のアルメイダ・シアターに行ってみるとコンパクトなつくりで、ホワイエは広くはないけど、サンルームのような自然光が入るリラックスした雰囲気。客層は老若男女静かで知的な雰囲気の人が多く、落ち着いた空気にほっとしました。一番落ち着きないのは私ではなかろうかと思った時、茶髪で美人の東洋人の女の子が隣にいたので話しかけたら日本人ではなくて「ボストンから来た」とのことでした。1回目鑑賞の日は、スコットランドからロンドンに戻って来た日でもあり、無事に劇場に来れてお芝居を見ただけで大感激、パンフレット、脚本、ポスターを購入して帰りました。

2回目の時は、1回目の時は気持ちも時間も余裕がなくて忘れていたファンの必需品のひとつ「マジックペン」を途中のコーナーショップで購入。ペン1本が4ポンド(750円くらい)して、スルーしようかとも思ったんですが「この後文房具屋が見つかるとも限らないし、ここでケチってどうする!」と私の中のもうひとりの私に責められました。

この日は、この観劇が終わったらお泊まりしている家から別の友達の家に移る日で、終わってから11時頃に初めての家に行くの悪いな・・・と思ってたらなんと車で迎えに来てくれると・・・?!

ということで、劇が終わった後、私は劇場入り口で友人を待っていたのであります。
お客さんもだんだんはけて来て、やがて主に東洋人の若い女性客が残り、日本人が3、4人であと中国人と韓国人もヨーロッパ人もそれくらいずついるなあと分析してると、ペンテウス役のバーティーさんが出て来ました!ステージドアもなにも、お客さんと同じドアから出入りとは、ありがたや小劇場♫ Tシャツ姿は舞台で見るよりとてもスリムでした。ファンの方達とお話したり写真一緒に撮られたりして、その後すぐ横のカフェに入って行きました。

私はその様子を観察しながら(ドアがガラスなので外から見える)も相変わらず入り口で友達を待ってキョロキョロ・・・・と、ちょっと離れてやはり誰かを待っている金髪の人がいました。私が「この人、やはり俳優さんかしら、でも私は知らない人だな・・・」と思っていたら、日本人の方達が中から彼を発見して話しかけに行きましたので「やはり詳しい人にはわかる名の知れた人なのか」と。

そしてまた劇場を振り返ると、ついにウィショーさんが出て来ていたんです!

ファンの人達と和やかに話したり撮影していて、その様子が見える隙間もあるくらいの少人数、そして友人はまだ来ない・・・ここで話しかけねば一生の後悔、とこれを書いてもまだ心臓がバクバクして来ましたが、入り口から中に引き返してひとりの方が終わった時にウィショーさんの目の前に行きましたですよ。

足は進めたものの、生の輝きに目がくらみ、ただのモジモジ君と成り果てていた私を見て、ウィショーさんの方から「Hello...!」と声をかけてくだすって、もう何か言わなくては〜〜〜!と
私「バッカイの原作本を読んで来ましたが、
日本語訳でしたが、
それと比べてあなたの演技の方がもっと表情が豊かでした・・・!」
BW「そうー」
私「私、明日はあなたのハムレット見にV&A行くんです」
BW「期待するようなものかどうかわからないけど」
私「私遠くから来ましたからこんなチャンスはめったにないんです」
BW「来てくれてありがとう」ニコニコ
私「サインをいただけますか?」
BW「いいよ」
と、ここで例のペンをお渡しし脚本にサインをもらった私は急に気が大きくなり(図々しくなり)握手までしてもらってヨロヨロと退場・・・・

また外に出てみると、友人が旦那さんと車から出て来て会えました。
再会の喜びと、「役者さんに会えた〜」という喜びを友人と分かち合って、劇場を後にする時、さっきの金髪の人はまだそこにいて、目が合ったので私が思わずニッコリしたら彼もニッコリしてました。彼の待ち人はまだ来ないのかな、お先に失礼します・・・


その夜、友人宅のベッドで幸せにひたりながらツイッターを眺めていて驚いたことには、なんと私とお話中のウィショーさんの写真が?!

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all photos by 美和子さん

その写真は私の相互フォローさんがリツイートしてくれたものだったんですが、私の着ていた服とバッグが写真に入っていたのでわかったのです。話している最中は、お顔を全身全霊かたむけて見ているだけで、彼の全身見てる余裕なんてなかったから、もうびっくり、こんなかわいく立っていたのか〜〜〜とベッドでゴロンゴロンしていたのは言うまでもありません!

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そして、金髪の待ち人さんの顔に急に思い当たり、ググって見たら、やはりウィショーさんの配偶者のマーク・ブラッドショーではないですか!私達ファンがいるから帰れないのにあんな笑顔を見せてくれるなんて、ファンの存在も私が心配していたほど迷惑に思われてないのだな、とちょっぴりほっとできました。
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2015/8/28

舞台 バッカイ 感想  ベン・ウィショー

観劇目的の旅の初心者としての反省点があります。

今回ハムレットは2回、バッカイは3回観たのですが、日程を近いところに入れてしまったのです。それは、ロンドンの予定はなるべく短期にまとめておけばスコットランドとコツウォルズへの旅を入れやすいと思ったのでした。

しかし演技が日に日に変化するものなら、同じものを日程あけて複数回観た方がよりその違いを楽しめたかなあ・・・と。あと、これ重要なんですけど、ロンドン着いて1週間目に(バレエを除き)初めての舞台のバッカイ、最後のバッカイはそこから約1週間後で、脚本を買って眺めたのもあるけど、その1週間の差で台詞の理解度が上がっていました。まあ、単純に3回目の方が1回目よりよくわかる、というだけの話かも知れないんですけど・・・英語には最初の数日慣れなかったもので。

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アルメイダ・シアターのホワイエ
左にカフェ&バー、右に劇場

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ギリシア悲劇特集の特別メニュー「バッカイ」
チーズとザクロにクラッカーとパン、チャツネーの盛り合わせ


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幕はないので上演前はこんな感じ

さて本題に入りましょう。
「バッカイ」とは3大古代ギリシア悲劇作家エウリピデスの最後の作品ですので、ハムレットの400年よりももっともっと遡って2500年くらい前の作品ですが、今上演中のものはAnne Caesonによるa new versionです。

主な登場人物

ディオニューソス(ゼウスの息子/バッカス、ダイモンなどとも呼ばれる)
ペンテウス(テーバイの王/カドモスの孫)
カドモス(テーバイの建国者/ディオニューソス&ペンテウスの祖父)
バッカイ(コーラスの女声グループ)
それ以外の出番が少ない役が上記3人の役者によって演じられるのは
古代ギリシア悲劇の形式を踏襲しています。


まずキャスティングが素晴らしかったです。
ゼウスの息子にウィショー。しかもこの神の人間界での姿は、「長髪の巻き毛で色白で女にモテそうじゃないか」とペンテウスの台詞にあるんですよ〜
彼と敵対するペンテウスは人間ですが、一国の王。権力を持った男を演じるバーティ・カーヴェルはギリシア彫刻の美青年そのものの容姿です。古代ギリシアではオリンピックが生まれたことでもわかるようにマッチョな男が理想型でした。バーティーさんではスリムすぎるくらいですが、ベンくんが並べばマッチョに見えます。
カドモス役のケヴィン・ハーヴィーもとても上手く、本当にベテランの年配の俳優かと思ったら、バッカイ・プレスナイトのパーティー写真見たら他の2人と同世代の青年でした。3つの役のうちカドモス役に肌の色の違う役者さんを当てることにより、残り2つの役が共通項により浮き出て相反する存在がはっきり見える構図になったと思います。

物語は単純で、神話の神様が人間に接する近い存在だった(ゼウスが人間の女に子供を産ませるくらいですから!)古代ギリシアにおいて、高い文明を築いた人間が神を神とも思わなかった罪により罰せられる、しかも当時の神を鎮める手段であった動物を生け贄として捧げる儀式に倣い、神に憑かれた女が動物の生け贄と同じに息子を生きたまま四肢を引き裂くという残酷なやり方で愚かさを思い知らされるのです。

こんなあり得そうもない生臭い怖い話ですが、そこはウィショー神の怪しい説得力で、神に狂った女達をどうせセックスが目的なのだとバカにする理性的な男から、そのセックスに耽る女の集団の姿を見たくないか?バレないように女の姿で近寄ろう、という提案で、女装して女を覗きに行くいやらしい男に変えてしまうので、クライマックスは喜劇ですらあるのです。

理性的な男にそんな無理な豹変をさせるには、人間を超えてると思わせる存在感がデォニューソスに必要です。そんな役にベン・ウィショー以外に誰が適役か思いつきましょうか?????

舞台の床は本来観客席と同じ高さですが、この舞台用に正方形の高さ80cmくらいのステージが中央に設置され、そのまわりに木々のような山脈のようななだらかな凸凹の丘が3方を囲んでいます。舞台に役者さんが出入りするには、その凸凹を越えなくてはならないせいか、ディオニューソスは袖のないロングドレスのような衣装で早く動く時、両手で裾を持ち上げるので神の御御足が人間界に露出されておりました・・・嬉しい恐れ多い・・・。


リシア悲劇と言えばドレープの羽衣にサンダルと言ったロマンティックな衣装で、そのままでも十分じゃないの!別にモダン版を作らなくても・・・と思うのですが、今回、古典に現代衣装を持ち込む意味をこの「バッカイ」にて知りました。

はっきりと現代の衣装を着るのはペンテウス。現代のお金持ち/権力者そのもののパリッとしたスーツ姿です。立ち姿や話し方でもわかりますけど服は記号なのでよりわかりやすいのです。

それからデォニューソスは、彼を崇めないペンテウスとその国の人間を戒めるために人間の形をしてやって来るので、それを強調する登場時の姿は白いTシャツにちょっと落ちかかったジーンズ。その格好でHow do I look? Convincingly human?(どう見える?人間らしいかな?)というモノローグがあるのですが、動きでシャツがめくれ上がって腹部が見える様子は神々しかったです・・・いいですか?ジーンズは落ちかかってるんです・・・

バッカイは、現代の服の上に古代ギリシア風の衣装を着ていました。バッカイは国の女に加えて外国からディオニューソスの旅について来た女もいるので、そのことが女優さん達の人種の多様さでも表現され、それがアフリカ系の人の民族衣装などで強調されたと思います。

そのバッカイは古代ギリシャ悲劇の様式のひとつであるコーラスを受け持っています。それがまたディオニューソスに憑かれた集団を表すのにぴったりでした。そしてまた、他の3人の俳優は2つから3つの役をこなすので、着替えの時間を無理なく作れる形式です。

古代ギリシア悲劇の知識ゼロの状態で原作を日本語訳で読んで臨みましたが、やたらに古代っぽさ韻文ぽさの日本語文体に比べて、とても表情の豊かな、わかりやすく躍動感あふれる舞台でした。

始まりからしてこうでしたから ー

Here I am.
Dionysos.
I am
son of Zeus, .......



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上の写真は、外からホワイエをガラスのドアごしに見たところ。
このただの劇場の出入り口から誰もが出入りするので、入出待ちはここという小さな劇場のありがたさです。そのありがたみに与ったウィショーさんとの遭遇編は次回♡
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2015/8/27

旅の心配事  イギリス

私のこの旅の不安は3つありました。

@5年使ってない銀行口座からお金おろせるか
  ・・・キャッシュカード旅行前に出したら期限が切れてた(涙)?!

A劇場チケットとか電車の切符とかネット予約したけど発券できるのか・・・?
    ・・・実はこれもやったことなかった?!

Bスマホ用のモバイルWifiを友達に買ってもらうけど、使えるかな?
    ・・・スマホ時代になってから海外行ってなかった?!
  

特に@とAはもしできなかった旅行がダイナシ!!と不安度はかなりのものでした。
ロンドン着が金曜の午後でシルヴィ・ギエム直行してしまったので、
銀行が開く次の月曜の朝、さっそく銀行へ!

何が不安って、カードがなくて、イギリスの銀行では預金通帳や印鑑登録はないのでどうやってお金をおろすのか?ということ。明細書&残高証明や手紙などは送られて来ていたのでまずはそれとパスポートを持参したら、窓口で口座番号から調べてもらえました。

その結果、私の口座はしばらく使用されていなかったのでブロックされている、それを解除すると言われてほっとしたのもつかの間、調べるうちにその担当員がマネージャーを呼び・・・結論、解除できないからその口座はもう使えないと・・・ガーーーン!!!

しかし私には娘の名義のもうひとつの口座があったので、私の口座から残金をそっちに移すという方法で、微々たる残金ですがお金は失わずにすみました。

結局、娘名義の子供預金にはキャッシュカード対応もないので、チェック(小切手)帳を見せて窓口でサインをしてお金をおろすという、古いイギリス映画でしか見ない方法で私は自分のお金をおろせることにはなりました。カーでではどのATMからも24時間無料でおろせるイギリスにて、私は月〜金の銀行の営業時間にのみアクセス可能というタイムワープ状態でした(笑)。


お金の問題が解決して、次は、オンライン予約のチケットの受け取り。

こちらも鉄道切符は、機械にクレジットカード挿入と照会番号の入力のみで簡単にOK。

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ちなみに座席指定は、窓側or通路側だけでなく、テーブルのある向き合い席か、飛行機みたいな同じ向きの列か、その場合は進行方向かその逆か、静かな席か、と細かい希望も可でした。予約した時点で、イギリスの長距離列車はよく映画に出て来る「外にロックのついたドアを挟んだ向き合い席」しか知らなかったので、その選択肢の詳細がいまひとつ理解できなかったのですが乗ってみて即納得。向き合い席というのは、1車両に2〜6組くらいあり、残りの席は半分が進行方向ならは残り半分は逆方向に席が固定されたつくりなのでした。新幹線みたいに自分でクルっとまわして向き合い席にするなんてのじゃなかったんです。あれは家具を固定せずに多目的利用する和室の発想だったのだな。静かな席というのはそういう配慮をするべきコンパートメントがある・・・けど混雑して子連れの人がその席にしか座れない時は、静かでない席になってしまうんですが。

劇場のチケットは、オンライン購入したら送ってもらうこともできますけど英国ロイヤルメイル(郵便局)の国際郵便には謎の遅れが生じることもあるので「劇場で受け取り」にしました。

問題は、今回複数のチケットを予約しているので何のチケットに何が必要だったか混乱してしまったこと。とにかく照会番号を控えて、あとはクレジットカードがあればなんとかなるであろうと、まずはアルメイダ・シアターの窓口に行ってみました。そしたらまずきかれたのは「当日券かどうか」ということと。当日券はすでに発券されてて窓口の人が私の名前から探してくれました。私の本名はSHIMANOでAにアクセントをおいて発音すると100%通じるのですが、もしも飯田さんとかだったらEを探したりしないのかな・・・なんて余計な心配が頭を過りました。さらに私はアルメイダのバッカイを別の日もとっている旨を告げると、きかれたのは「郵便番号」でカードも照会番号も念のために持って行ったパスポートも必要なかった・・・・

このアナログさは小劇場アルメイダでのことであって、ウエストエンドのギールグード劇場では電車と同じくクレジットカードと照会番号で機械からチケットが出て来ました。


最後のモバイルWifiは、ちょっと大変。

旅行者用には、ネットで予約してヒースローにて受け取るレンタルがよいとriekさんに教えていただきました。一応泊めていただく在英の友人にも持ってないかきいてみたところ、持ってないけど今後も使えるなら彼女が購入してもよいとのこと。イギリスにはPay as you goと言って、契約なしで使った分だけの料金を払う携帯やスマホがあるのでWifiもそれなら端末購入+GB料金で短期で使え、ブランク後にもまたGBを買えば再度使えます。

友人は私の到着後すぐに使えるように前日に購入しておいてくれたのですが、それが、なぜかスイッチがonにならず購入店に行って確認してもらいました。お店の人がその端末をonにしてから実際に使えるまで最長で12時間かかるという話で、それなら前日手続きしたものはすでに24時間たっているからonになってないと変なのですが、その翌日になってもまだ使えるようにならず購入店に駆け込みました。そして記録をチェックし何か手続きをやり直し返事はまた前日と同じ・・・。

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デザインがポップでかわいいEEという会社のもの

大手のVODAFONEだけどその端末個体の問題なのかシステムの問題なのかは知らないけど、友人と私はもうこれは信用できないと判断し、別の店へ行って別メーカーのを買いました。そしたらそれは、お店の中でいくつかの情報を入力しただけで即使えるようになったじゃないですか!それが正常な姿なのでしょうが夢のように嬉しかったです。VODAFONEは返品決定!!友人は購入代金として45ポンドを店に支払い、私は彼女にレンタル料金として30ポンド支払いました。何度もイギリスに旅行する方も、これを購入しておけばレンタルよりもお得です。

ちなみにWifi は、友人宅にいる時はその家の、ヒースロー空港や鉄道駅、長距離電車内、カフェ、町の電話ボックス付近などでは無料で使えますので、モバイルWifiはバスで移動中などに活躍しました。地下鉄は東京と違って圏外なので使えません。よって無料の新聞METOROやEvening Standardを読む時間となります。(笑)


以上3点の心配事は、いずれもコンピューターの絡む案件で、だけどお金や通信など現代生活の必需品へのアクセス。私が機械に弱いのはもちろん、システムに慣れない外国で、あわてたり英語が分からなくて対応できなかったら、日本にもしも何か忘れて来たら・・・と不安の種となりましたが、これをクリアした後は住んでた時の感覚も戻ってほっとしました。

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2015/8/26

Tea at the Ritz  イギリス

多感な10代の頃、QUEENのフレディ・マーキュリーの歌が大好きでした。
ロックな歌もあったけれど、特に好きだったのは今ならわかる(!)
ノエル・カワード(俳優/劇作家/歌手/作曲家)風の古風でダンディで小粋な曲でした。そんな曲のひとつ「懐かしのラヴァー・ボーイ」の歌詞に、

Dining at the Ritz we'll meet at nine precisely
(one, two, three, four, five, six, seven, eight, nine o'clock)
I will pay the bill, you taste the wine
リッツでお食事するから9時きっかりに待ち合わせだよ
(1、2、3、4、5、6、7、8、9時)
僕がごちそうするから、君はワインを味わって

という1節がありまして、地方の町の高校生だった私には
なんともオシャレな別世界の夢物語かとウットリしていたのです。
しかしフレディが頭に描いていたであろうリッツ・ロンドンは実在し
東京でアフタヌーン・ティーの場数を踏んだ今の私には手が届く存在だと気がつきました。

住んでいた時には、上流階級の場所には足を踏み入れようとはしなかったけれど、観光客となって訪れる私に怖い物はない。アフタヌーン・ティーのお値段はひとり50ポンド。あの夢の世界のドアを開けてもらえるのなら!リッツの絨毯を踏めるのなら!

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最初、間違ってclubのドアに手をかけ門番のおじさんににっこりと「ここに入るの?」ときかれた私・・・・(汗)

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サロンの入り口は向かって左のこちらでした

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この際、忙しいおじさんを呼び止めて記念撮影までする

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お兄さんとも
ウェイターは全員男性で、国籍も年齢も幅広い
ベテラン風の人に勤続年数を訪ねたら、
「ローングタイム。君が生まれる前からいるかも。27年だよ。」
いやいや、私ももっとローングタイム生きてるから


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ティーは「ラプサン・スーチョン」にしましたよ

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3段トレーの下からまずサンドイッチ
左からチーズ、サーモン、きゅうり、エッグマヨ、チキン、ハム
大きいし、ほっんとに美味しゅうございました
この時点でお腹は半分くらい


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2段目はスコーン
これも大きくてクロテッド・クリームもたっぷりついて
お腹容量80%・・・・

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いよいよ最上段
てっぺんにはリッツのライオンもついてます
ケーキとマカロン


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ケーキのころに、ワゴンに別のお菓子を乗せたボーイが回って来るんです
すでに容量は98%だけど、苺のホワイトチョコレートケーキを追加でいただきました
文句なしの美味しさで完食
(でもマカロンはこっそりバッグに忍ばせました!)


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サロンを出た所でもボーイさんに写真を撮ってもらいました
彼らは写真を撮られるようなホテルで働くことに誇りを持っているでしょうから
喜んで撮ってくれます

ドアマンのいる外への扉からこのサロンの前までは、いわば公共の場でもあるので、サロンに予約しなくても実は入れます

一度高い敷居を上がると、みんな親切でフレンドリー
さすが一流のおもてなしを提供する所でした

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2015/8/25

舞台 ハムレット 感想  ベネディクト・カンバーバッチ

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私が観たのは8/8と11、脚本はシーン順にオリジナルからの変更のある「To be, or not to be?」から始まるプレヴューでした。(この公演のプレビュー期間中にフライング記事が出て問題になったため、プレヴュー=本公演前の公演とは、プレスナイト=マスコミ招待のある日=この日以降にジャーナリストは一斉に記事を書く、という劇場公演の仕組みを学習しました)

TVや映画と違ってアップ画面のない舞台、果たしてちゃんと見えるのか(私の席は8列目)豆粒くらいにしか見えないのか?不安をかかえて行ってみたバービカンの舞台は、客席の面積と比較すると左右に広く奥行きもあるのでステージの存在感が大きい劇場でした。ただ顔の表情もしっかり見るにはオペラグラスを使いました。それでもセットのバルコニーが私の席の側、左だったので、ここで演技がある時は役者さんに近く少しお得。いやそれは実は右側でもそちらにも役者さんは移動するのですが、高いと目の位置が同じくらいになる嬉しさが(笑)。

ところで8/8は、前半で2度の中断があるという珍しい公演に当たりました。

まず幕が開きハムレットの姿が見え既に演技が始まっていたところで・・・また幕が閉じてしまったのです。劇場担当者が閉まった幕の前に出て来て、謝罪と技術上の問題が発生、やり直すのでそのまま席で待つとの指示をアナウンスしました。5分後くらいに、再び幕が開くと、今度は音楽が流れてハムレットの台詞が始まりましたので、問題とは音楽が出なかったのだなとわかりました。

子供のハムレットを使ったポスターから期待していた通り、そのイメージを発展して立体にした美しいセットは、まるで高級ファッション雑誌のモデルの背景のような豪華さで、そこがデンマークの王宮だという説得力に溢れていました。時代はシェイクスピアの原作と現代の間の近い過去あたりの設定のようでしたが、特にひとつの時代と特定していないのは衣装が現代、しかし音楽をレコードで聞く時代表現から推察できます。美術セットも動物の剥製や木の枝など自然のものや、劇中劇を強調する舞台上の劇場がノスタルジックで、ファンタジー世界のハムレットの物語でした。

その映画的な美しさの中で悩む王子ハムレット。ベネディクトさんの動きや表現はどこからどこまでが彼のアイディアなのか演出なのかはわかりませんが、とてもわかりやすく王子なのに身近に感じられるハムレットでした。と言っても英語の台詞はわからないところがとても多かったので台詞の内容についての難易度は不明ですけれども、例えば10歳を過ぎたくらいの子供にもぜひ見せたらシェイクスピアに興味を持って教育上よろしいのではないか、と思わせるような親しみやすさです。

私が意外に感じたのは、悩めるシリアス劇だからもっと重たく冷たく頭のいい、ベネディクトの役歴で言えばチョコレート王とかシャーロックみたいな雰囲気かと漠然と予想していたのに、幕が開いてみたら反対に、素直で必死なフランケンシュタインのクリーチャーとかワッツ先輩のような天然王子に見えたことです。それは多分、時代設定を考えていた時に感じた「ファンタジー物語ハムレット」の主人公だから、純真無垢な精神を表現していて、実際の俳優を使わずに全員子供モデルで表現した1年前に制作されたポスターから一貫している世界ではないでしょうか。

そうそう、8日の2度目の中断は、ハムレットの父王の幽霊が奈落に消えた後、舞台に残って演技を続けていたハムレットに、謎の人物が静々と近づいて何かを告げた後、その人物が客席に向かって再び「技術上の問題により演技を続けると危険なので中断します」と告げたのでした。幕が閉まり、「また?!こんなことってあるのか?今日の舞台は最後まで見られるのか?」と騒然となる客席。席を立って外へ出ようとする人も現れた時、幕の前、1列目の客席の前にヒョコっと姿を現し話し始めた人は、なんとさっきまで王子だった人ではないですか?!

主演役者自ら謝罪と忍耐への御礼を客席に向かって生声で叫ぶ・・・・フレンドリーにもほどがある・・・・
2度目の中断で、同じ劇場担当者に鎮静を任せるのは忍びないと思った責任感の強いベネディクトさん、彼のおかげで客席もほっこりしました。中断にはびっくりだけど、舞台よりもっと客席に近いところで、演技以外の姿を見られたことで、アクシデントだけれどこんな事態に遭遇できるのもプレヴューの楽しみのひとつでもあるか・・・と思わせて、そして今度の中断は少し最初より長かったけれど、無事にまた幕は開きました。

私は実は、シェイクスピアのハムレットは母と恋人に怒り責め続けるのが苦手だったのですが、ベネディクトが提示した「人を信じては傷つく幼い心が叫んでいる未熟な魂」にそれも少し納得できるようになってきました。

それとこれも原作ではあまり自己を感じられず存在感がなかったオフィーリアの描き方が生き生きとしていて好きでした。父や兄に身持ちを良くしろと諭される若い娘でも、思春期以降ならば人格もきちっとあったはずなのに、シェイクスピアの時代にはそれが軽んじられていたのが、肉付けされていながらもハムレットの母に対応する処女性も保っていたと思います。


昨日がプレスナイトだったため今は公式記事が出始め、最初のシーン原作どおりに変更になったとチラリ目にしました。本公演は10/15のナショナル・シアター・ライブで、英国その他の国では劇場と同時に各地の映画館で見られるのですよね。日本も時差はあるけど翌日くらいには映画館で見たいですね!!


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同じ会場バービカンでの映画特集のポスター


8/27追記´Д`書き忘れてこれはどうしても言っておきたい不思議なこと

ファンになって以来3年以上見続けていたせいなのか?この舞台で実は私「デンマーク王子を見た」気がしなくて、ずっと「演技するベネディクトさん」を見ているという認識の仕方でした。それは映像と違って生身の人間を見るからなのか?例えばシャーロックを見る時の私の脳は、「俳優ベネディクトさん」よりも「高機能ええかっこしいシャーロック」として見ています。同じハムレットでも、ローリー・キニア、デヴィッド・テナント、ベン・ウィショーのをナショナル・シアター・ライヴやDVDで見ましたが彼らはデンマークの貴公子に見えたんです。映像で時折アップもあったから感情移入しやすかった?舞台だと生身に注目してしまって物語に入っていってないからでしょうか?

追記の追記プレスの信憑性を疑う

2度の中断があった日、終了後のステージドアにてベネディクトによるファンの皆へ「演技に集中できないので動画や写真をとらないで」というアナウンスがあり、その中でもそのメッセージをさらに皆に伝えて欲しいという彼の願いに応え、その様子を撮影した動画がネットに拡散されました。同時にそれを記事にした媒体もあり、「客席に録画していることを表す赤いライトが見えて集中できず舞台が中断された」と書かれていました。
事実は「音楽が出なかった」と「奈落がステージに再び上がらなかった」ために中断されたのであり、録画ボタンで集中力を削がれたためではありません。
この件で、プレスというものは事実のウラをとらないで記事を書いているんだな、と改めて実感したのでありました。
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