2015/5/28

ブライズヘッドふたたびコンプリート  その他の映画・ドラマ・舞台

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無料動画サイトGYAO!で毎週1話配信されたドラマ「ブライズヘッドふたたび(1981)」がついに11週目の最終回を迎えました。

もともとは、同じ原作の映画「情愛と友情(2008)」にベン・ウィショーが出ているのでDVDを見て好きになった話です。ドラマも見たいと思いながらも、11回とエピ数が多いし、古い作品なので英語版しか簡単には手に入らなかったので、今回の無料配信が神の手に思えました。

最初はセバスチャンに違和感があったドラマ版も、11回というその長さの分、原作に忠実に作られているような感じで、主人公チャールズのモノローグにじわじわと引かれて行きました。

映画に比べてセバスチャンの出番は全体の長さに比べ少ないようでしたが、彼だけでなく、妹のジュリアとコーデリアもきちんと描写されていて、一族全体をチャールズの目で眺め渡すことができました。

特にドラマが良かったのは、ジュリアとの関係に時間がかけられていたため、チャールズが彼女に惹かれることや、ふたりの絆に共感できたことと、

この話を理解するキーポイント、カトリック教会へのふたりの態度の違いが別れにつながる流れが、映画よりもわかったことでした。

同じイギリス人でも宗教の違いでどうしても同じ気持ちになれない、ということは私には難しかったのですけれど、

ドラマを11週かけて見るうちに、宗教とはお葬式の形式だけでなく、人の判断や行動の規範になっていることがわかって来ました。

説明するのは難しいのですが、私は特定の宗教に信心深い人間ではありませんけど、日本で生まれ育った人間には意識するしないにかかわらず仏教や神道が元となる文化的風習や世界観があり、それを科学的でないからと言って「くだらない」とか否定されたら、自分を否定されている気分になると思うのです。自分が愛する人には、同じことを信じてくれなくてもいいから、私が信じていることには敬意を払ってもらいたいと思います。

だけど、信じるだけでなくて、それが現実の行動に結びつくとなると、自分では受け入れて欲しいと思っても、立場が逆となり他人のそういう部分に敬意を払うというのは難しいことです。私も実は過去に「神様は〜〜と言っているから、それはできない」と言われて、その人を理解できないと思ったことがあります。


映画ではチャールズとジュリアとの関係がセバスチャンをチャールズから遠ざけたことになっていましたが、ドラマでは確かチャールズとセバスチャンのお母さんの関係がセバスチャンを遠ざけたけど、その時はジュリアはまだ関係なかったなど・・・かなり話の大筋も違っていたような気がするので、また映画の方も見なくては。

そうそう、ドラマ版のロード・マーチメイン(セバスチャンとジュリアの父)役は名優ローレンス・オリヴィエで、私は名前しか知らなかったのですけれど、映画のマイケル・カンボンよりも高貴な感じがしてよかったです。

「ブライズヘッドふたたび」も「情愛と友情」も、同じヨークシャーの館カースル・ハワードにてロケされており、現在も私有されていながらも、一般公開されています!あの、よく噂に聞きます、広大な屋敷存続のための方策でしょうか。こんな素晴らしいドラマや映画にロケーションを与えてくれたのですもの、ぜひとも貢献したいところです。屋敷のウェブサイトにも、ふたつの作品の対比が紹介されています → イベント

別のページに、館での撮影を歓迎するむね記載されていて、そちらにもジェレミー・アイアンズやマシュー・グードの撮影風景写真があります。→ ビデオカメラ
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2015/5/24

The Game 4   トム・ヒューズ

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ソビエトの秘密作戦「Operation Glass」に翻弄するMI5チーム、特にボビーはアルカディに偽情報を掴まされたのでは、と懐疑的です。が、まだその証拠がない以上、アルカディは唯一の手がかりとして、彼のフラットを調査し、彼の背後のMI5の敵を探し出すよう、ダディが命令を下しました。

サラとジョーはアルカディを尾行し、彼が郵便局の私書箱を利用していることを知ります。単純に尾行するという古典的な探偵業、マイクロフト・ホームズの「leg work(下働き)」という台詞を思い出すけど、この時代には先鋭の仕事だったのですね。私書箱の中身を調べるようサラはジョーに指示。

そしてKGBメッセンジャーであるアルカディが次にコンタクトをとる人物は女性とわかったので、サラがその人物に成りすまし待ち合わせ場所のレストランに行きました。もちろん盗聴マイクをつけて。アルカディを車で送って行ったのはジョー。アルカディは「君たちの仲間は誰も店にいないのか?」と不安気です。ジョーはNoと言ったけれど、会う人物はサラだし、厨房ではシェフが忙しく鍋を振り回すすぐ後でアランとボビーがヘッドフォンをつけてる(笑)。私ここでやっと気づきました。盗聴器というのは近くでないと聞こえないのですね?!知らなかったァ!
サラの懸命の芝居による聞き出しにも、情報は得られませんでした。アルカディ、スパイ行動にはビクビクしているけれど、不安を装うサラを慰めるなど人間性は信頼できそうなんですが。

スヌーカー・プールに新聞を読む紳士。保守的な調度のジェントルマンズ・クラブらしきポッシュな室内にボビーとアンドリューがいます。ボビーはそこで友人に仕事の協力を切り出すも、彼には断られ読んでいた新聞を見せられました。一面トップの見出しは「VICE RAID OF HAMSTEAD HEATH」ハムステッド・ヒースで売春・・・アンドリューは警視庁の人かな。ボビーは援軍を頼んでいるけど、その新聞の事件で彼の部署も手一杯だと言っています。とぼけるボビーにアンドリューは「you live up that way, don't you?(君あのへんに住んでるんじゃなかった?)」と。ボビーはベルクレイヴィア(!)に住んでると否定しますが、アンドリューは「ああ、間違いか。なぜかいつもあの場所と聞くと君を思い出して。」このあと、ボビーはこの話題をそらすのと報復も兼ねて、前エピでのアンドリューの援軍がいかに役に立たなかったかをネチネチと報告して部屋を出て行きます。おもしろくない顔のアンドリュー。

アルカディの私書箱を調べにジョーは郵便局へ。アナログ時代のハッカー手口が楽しい(失礼)です。税務署職員を装い「ロシアのブラックマーケット品がここに送られたので箱を開けてください」と正面から頼むももちろん断られたので「警察の人と捜査官と一緒に来させてもらわないとだめですね。」とかわいく諦めたフリをして、店番のおっちゃんのお茶に怪しい液体を入れました。おとなしく退散してお茶を飲んだおっちゃんが「うっ」とトイレに駆け込むのを待って作戦開始。工具で鍵を開けて、封筒ののり付けをやかんの湯気ではがし、中身を見たら封筒にまだ戻して、ちょっとシワになったのり付け部分をごまかすためか足で踏んづけてグリグリしてからまた箱に戻しました。完全犯罪!
(おっちゃんは外国人。流暢そうにしゃべってたけど基本文法が間違ってるの。つい外国人のよしみで同情しちゃいました。おっちゃんじゃなくてお姉さんだったら怪しい液体使わなくても開けてくれたかもしれなかったのにね。)(ロンドンでフラットの鍵をなくした友人がいたんですが、鍵明け業者さんはそれはものの見事に開けてくれたそうです。鍵、プロ相手には意味ないですね)

ボビーはダディに呼ばれて彼のオフィスに入いるとアンドリューが。例のヒースの事件で男娼が顧客にボビーと思える男がいたと証言していると。このことを言うのにとってもまどろっこしい表現を使ってます。礼儀正しい脅迫&復讐。極秘だし、たいしたことではないし、ただの妄想かも知れない、と言いながらも、現状をお知らせしてこの件は君に任せると去って行きました。にこやかに落ち着いてお礼を言うボビー、笑顔が固まってる。ボビーはダディに「あの男には会ったこともないし、この嫌疑は晴らせます」と言い、ダディもそれを認めつつも「ただね、こういう話は一度出たら戻すのは難しい・・・」とボソっ。ダディのポーカーフェイスが一番怖い。MI5内では、ボビーが通ると社員の笑いが聞こえるようになりました。

私書箱に入っていたフランスからの絵はがきと、アルカディのフラットにあった絵はがきの意味はカウントダウンでした。ジョーの見つけた絵はがきはちょうど「1」、アルカディの国外逃亡か何かが起こると読んだ一行は車に給油していたアルカディを追い、寂れた空港に向かいます。(また同じ顔ぶれで車で追跡、ってアルカディにばれないのかなあ)

空港で起こったのは・・・アルカディの妻子との再会でした。
6年前、フランスの大学で知り合った女性の妊娠がわかった時、KGB命令で英国に戻ったアルカディはKGBの脅威なしに妻子と暮らす計画をたてていたと言うのです。

サラがアルカディに「Operation Glass」とはただの惑わしではないか、こうしている間にも本物の陰謀が別の場所で進んでいるのではないかと尋問すると、「それが本当だとすると、私の亡命も知られていることになる。しかし私がそれを決意したのはこの作戦が始まってからだからそれはあり得ない。本当に彼らが知っていれば今頃私の命もなかったはず」とアルカディ。

アルカディが情報さえくれれば、家族と平和に暮らせるようMI5は保証するとジョーは持ちかけます。しかし裏切ったら最後オーディンに殺されるとアルカディは怯えています。オーディンの名に密かに息をのむジョー。

MI5チームの会議で、ボビーはまたアルカディに厳しい目を向け、オーディンが英国内にいることをアルカディに酔って漏らした友人から更に情報を聞き出すよう、オーディンをおびき出させるよう提案します。友人を危険に巻き込ませるのは難しいだろうというサラの危惧を
ボビー「断ればMI5からの保護を打ち切るといい」
ジョー「妻子の命を盾に脅迫するのか」
ボビー「気分を害したしたのなら申し訳ないが」
ジョー「強制により得た情報には信憑性ない」
しかしダディに「アルカディは唯一の持ち駒だ」と決定命令を出されてしまいました。
ボビー得意気。

その脅迫を聞いて哀しそうな
アルカディ「This is meant to encourage me?/俺を励ましているつもりか?」
ジョー「It’s meant to help you understand./わかりやすく言ったつもりだ。」
(・・・こういう英語の運び、好きなんです)
ジョー「この作戦を阻止するためオーディンをおびき出せたら、家族全員の安全を保証する。」
アルカディ「もししないと言ったら?」
ジョー「MI5は我々の提携の終結を考慮せざるを得ないだろう。」
アルカディ「あの子は6歳なんだ。」
ジョー「だから・・・協力してほしい・・・」

アルカディはその友人をストリップ・バーに呼び、ジョーとジムも同席。
踊り子のBGMはブラック・サバスにT.レックス。リアタイですね。
電話通信会社勤務のその男にオーディン情報を渡さねば家族に危険が、という脅迫の続き。

アルカディを追跡した時、ウェンディの気転で空港をつきとめられたお礼にと、ボビーは彼女を食事に招待しました。ウエイターがフランス語を話すポッシュなレストランには、事務官と奥様ではない同伴女性がいっぱいなのに気づいたウェンディは、社内で不利な立場(ヒース事件のこと)にいるボビーが自分を利用していると怒って出て行ってしまいます。(ウェンディ、秘書とは言え陰謀渦巻くMI5トップチームの職員ですからね、彼女の言う通り、ボビーはウェンディを見くびっていたのでしょう。工作には自信ありそうなボビーですが、ポッシュすぎて市井の人、特に女性の感情と知性に鈍感すぎ。だから出世できないんじゃ?)

帰宅したボビー、ベルグレイヴィアの家でママが待ってました!友人から、息子がハムステッド・ヒースで男を買っていると言われた!と。ママお酒飲んでるし、手を上げて「キモい変態めが!なんでもしてあげたのに!ヤワだからみんな人にとられっぱなしで!パパと同じよ!出てお行き!」
(あ〜あ・・・ママ・・・うすうすはわかっていても他人に言われるとね。ところでパパと同じって・・・パパもゲイだったの?ただの無能者?だけどボビーもご苦労ですのう・・・)

さて脅迫されたアルカディの友人と彼が会うと連絡が入りました。チームはKGBの罠かも知れないが、うまく行けばOperation Glass情報が得られると賭け、たとえ友人が裏切りオーディンが現れたとしても彼を捕らえるチャンスとダディが令を発しました。(素朴な疑問。オーディンがただの雇われ殺し屋だとは思わないのだろうか?)場所はSquareスクエアと呼ばれる町中の小さめの公園です。そこを2時間封鎖する命令を飛ばすボビー、自分の威信をかけるにしてもママの幽霊に取り憑かれたのかのように怖い。

盗聴器をお腹につけられ、ジョーと打ち合わせをして向かうアルカディ。ジョーが「Trust me.」とバックアップを保証するも、ここに来てアルカディはソビエト側に自分の寝返りを知られていたら?と恐れ始めました。戦場に向かう新人兵士のように妻子と僅かな時間を過ごすアルカディ。

その家族を見る時のジョー、甘酸っぱい。ユリアの回想シーンで彼女には9歳の子供があったこと、ジョーにはお父さんの思い出もないことがわかりました。奥さんにユリアを、そして娘には自分を投影しているようです。

スクエアの回りはビルで囲まれ、その窓から銃口を定める姿が。アルカディにもMI5にも気づかれてないけど。緊張の中、友人は現れ、アルカディと言葉を交わしてまた去って行きました。アルカディがジョーに持ち帰って来たものは「Phoenix」と書かれた小さな紙切れでした。再び追う謎が。

チーム会議では皆フェニックスのことしか考えていない中、ジョーはアルカディが義務を果たしたので、家族と住める家と新しいIDを手配するよう念を押しました。ついに念願の亡命が。(この時、ジョーは「安全な家をout of Londonに」と言ったのですけど、ダディの出した家はEast Finchley。そこは一応地下鉄も通ってるロンドン市内なんですけど当時は市街だったのかな。以前は日本人学校もあり日本人とユダヤ人が多く住む=安全で静かな住宅地でした)

ダディはアルカディの友人について、ジョーが彼はただ友人の頼みをきいただけでその器ではないと言ったにもかかわらず、ボビーの反対意見、彼は有能だから利用しない手はない、という方を採用しまう。ジョーの微妙な表情が痛い。・・・しかしその頃すでにその友人は血まみれで息絶えていました。MI5敵に筒抜けだ。

ボビーはダディの部屋で2人きりのときに「噂や嫌がらせで辞めることはありませんから。申し立てには正面から立ち向かいます。退職金で片を付けられるつもりもない。」「公聴の権利もあるしその件ではあなたは不利でしょう。」(ここ、バレリーナのことで脅してる)と鼻息荒いです。ダディの方は「まだ何も起こってないし、あの青年は口述を修正したようだし、身を縮めて怯え込まない限り、君は潔白ということでは。」ボビー「私も時間の問題だとは思っていましたが。」(安心したボビー。穏便なダディが相変わらず怖いのが彼には見えないのだろうか?)

夜中に新しい家に向かう車中で、アルカディはジョーに打ち明けます。「フェニックスは君らの中にいる。MI5にはもぐら(二重スパイ)がいる。」友人が公園でアルカディとハグした時に盗聴器に入らないよう耳もとでささやいたのはこのことだったのか!この時点でジョーとアルカディはその友人の死は知らないですね。
空っぽの家に着きました。
A「落ち着いたら、子犬を買ってやるんだ。幼い子はペットがいた方がいいと思って。」
J「僕もずっと子犬が欲しかった。」
A「そうか。じゃ君にも買ってあげようかな。」
ほのぼの〜
J「みんなももう着くから待つだけだ。お茶飲む?」
A「たのむよ。」
キッチンに向かうジョー、新居の反対側の部屋を見に行くアルカディ。

ジョーの背後で銃声。

オーディンが潜んでいた。「裏切り者を始末に来たよ。そいつなら心配ない、もう死ぬから。またね。」
胸を至近距離から撃たれたアルカディは駆け寄ったジョーの元で苦しみ死んだ。
ジョーの「sorry…」「ごめんよ…」の小声が震える・・・・





*next timeのお知らせの映像があまりにもツボでした♡
この部分が終わってからエンドロールに入るので今回エピの一部として貼る(こじつけ)

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<単語・イディオム>
たくさんの意味を持つ場合、その単語が出て来た台詞での意味と思われるものだけピックアップします。
今回もボビーのせいでここが膨らむ〜〜(笑)

disillusion  幻滅させる
determine 決心する
in situ (ラテン語)本来の位置
look out of place 場違いに見える
tap phone line 電話を盗聴する
bolshie 反体制の
vice 悪徳、性的不道徳、売春
raid 襲う
by the bye それはそうと
mater おかあさん(古めかしい表現だがおどけて)
associate〜with〜 〜で〜を連想する
commandeer 奪い取る
put the kibosh on 〜を阻止する
rent boy 若い男娼
punter 顧客
the lie of the land 事態
for the record はっきり言って
alleged 申し立てられた
encounter 衝突
reprisal 報復
save all one's bacon 危うく難を逃れる
capital <俗>=excellent
divulge 暴露する(教養を感じさせる種類の語。by英辞郎/もちろんボビーの語彙)
offend someone's sensibilities (人)の感情を害する
coercion 強制
at an end 終わり
desk officer  事務官
heifer 若い牝牛、小娘
repulse うんざりさせる
competent 有能な
exploit 〜を不当に使う=利用する
and so forth その他、〜など
force out  解雇する
allegation 申し立て、疑惑
shuffle off 転嫁する
gardening leave  同業転職や退職時に最新情報を口外しないよう有給がもらえること
ghastly 恐ろしい
euphemism 婉曲表現
limp 足をひきずること
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2015/5/23

「追憶と、踊りながら」感想  ベン・ウィショー

映画館の先着プレゼントにこちらのファイルいただきました
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今日から劇場公開の「追憶と、踊りながら」、さっそく見て来ました。
英語版DVD「Lilting」を見た感想は → こちら と こちら2

英語版DVDを見た時と、劇場版を見た感想の違いは、日本語字幕のおかげで登場人物の感情がより強く理解できたと思ったことです。

特にこの作品は半分は中国語なので、そこは英語を読むという私にとっては二重苦だったわけです!

言葉とは不思議なもので、(それがこの映画のおもしろさを作ってもいるのですが)母語だったら何も考えなくてもわかるけど、大人になってから習った外国語の場合、左脳をフル回転して理解しているので、感情を理解する右脳をも同時に働かせるのは労がいるのだと思います。

同じ英語でも耳から聞いて理解する場合は、言い方やスピード、表情と同時なので感情もわかりやすいのですが、なぜか字幕だと文字通りフィルターが間にあるようにダイレクトに感情が伝わってこないのです。(ロスト・イン・トランスレーション〜♪)

で!

日本語字幕で見たら、リチャードがカイの死後老人ホームに尋ねて来る前に、カイの母ジュンは、息子とリチャードの関係を知っていただろうと思いました。

だからこその嫉妬でリチャードのことを嫌っていたのではないのでしょうか。でなければ、ジュンがリチャードを嫌う理由が特に何もないではないですか。

それなのに、カイはお母さんにカミングアウトしようとして苦しんで、そのための作戦でディナーを計画して、その途中で交通事故にあって死んでしまうなんて、辛い。

誰が悪いから事故にあったというわけではないけれど、リチャードにとってはカイの苦しみはお母さんの存在が原因で、だからといって彼女を憎むこともしないリチャードの気持ちが切なく、そして感情的にならない彼の理性は、強い。

このリチャードの知性と心の強さがどうすごいかというと、中華料理が得意でベーコンいためるのに菜箸を使うことから推測して、東洋文化を理解しようとし、まるごと受け入れられる広さなんです。

ジュンが息子にたよるのは、異国の地で言葉による現実的な助けがいること以外にも、中国系親子の絆の強さも、日本と同じかそれ以上だからだと思うんですね。だからこそカイは親をホームに入れたことに罪悪感をもってしまうのです。

老人の一人暮らしかホーム暮らしが当たり前のイギリスにはそういう感情はないです。親の面倒を見られなくて苦しむカイの気持ちは、普通のイギリス人にとってはわかりません。いつまでも英語を覚えないで、いい年の息子を一緒に住まないと言って責めるなんて変なバアさんと思うイギリス人多いでしょう。(でも自分のことを大切にしないと文句言うイギリス人の老婆はいる。姫育ちだからな。)


ところで、箸使いのアップはなかったあたり、実はウィショーくんはあんまりじょうずじゃないのか・・・と疑ってみました。リアリズムの映画じゃなくてよかったね!(←決めてる)





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2015/5/20

ゼロの未来  ベン・ウィショー

テリー・ギリアムは前からどちらかと言うと気になる監督ではありましたが、実はその映像に情報が多すぎて見るのが辛いと思っていました。

とことがこの「ゼロの未来」、未来のロンドンが舞台で街も会社も情報で埋め尽くされているのですが、辛くないのです。監督のインタビューを読んだら、それは秋葉原にインスパイアされたとのこと!なるほど〜、私には見慣れてるから目に馴染んだのかな。

ブレードランナーやドクター・フーなどのデジャヴー感さえ感じて、しかもストーリーも、管理社会での人間性を問う、という、あまりにもシンプルなものだったので拍子抜けしたくらいです。

しかし見に行った劇場にはってあったポスターに、「主人公がコンピューター」という意味のコピーが書いてあって、それを帰り際に見たので、「私の解釈がなってなくて、実は主人公は人間ではなくコンピューターというオチだったの?!」と「やはりギリアムはそう単純には行かなかったか!」と思ったのですが、公式サイトや、映画サイトの解説を見てもそれらしいことは書いてなかったので、あれは私の読み間違いだったのでしょうか。

実は主人公とヒロインのコールガールにあまり感情移入できなかったのに比べ、脇役達がそれを補って有り余る程にとっても魅力的だったので、写真をペタリしておきます♡


期待通りのウィショーくん
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今までで一番好きなマット・デイモン
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また新たな側面ティルダ様
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2015/5/19

フュースリの悪魔  いろいろ

中野京子著「怖い絵3」という本の表紙は、フュースリの「悪魔(1781)」です。

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本によると、この絵は当時も大変な人気で、いくつもヴァージョンが作られ、革命前の貴族の館を飾ったそうです。

夢の中で女性をレイプし絶頂をもたらす者の正体が腹の上の醜い悪魔なのだそうです。それをカーテンから覗いているのは馬で、男の好色のシンボルなんだそうです。うーむ、私には馬も悪魔に見えますが。

フュースリは、フェミニストのメアリ・ウルストンクラフトから恋い焦がれられて、一緒にパリへ行こうと誘われたそうです。が、既婚者の彼は断り、メアリは単身パリへ渡り、別の男性と結婚して娘を産むものの、産褥熱で亡くなったそうです。

同じ名前をつけられたその娘も、長じて後に母と同じく既婚者に言い寄りましたが、今度は奥さんを追い出し結婚してしまいます。その相手とは詩人のシェリー。そうです!娘のメアリが「フランケンシュタイン」の作者だそうです。

この絵には既視感があると思ったら、ケン・ラッセルの「ゴシック」という映画のヴィジュアルではないですか。

それで私は、ゴシックのヴィジュアルを見てからン十年たってから、寝そべる女性の上にしゃがむ小男の写真に元ネタがあったことを知りました!あああああ。

映画「ゴシック」はメアリとシェリーがバイロン卿の別荘に滞在した時の出来事を描いていて、バイロンの別荘にも、この絵を飾っていたそうです。

ああ、なるほど〜、なるほど〜!「ゴシック」が見たくなりました。

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