2013/11/16

I have control  Cabin Pressure

クリックすると元のサイズで表示しますskids75さんの写真

キャビンプレッシャー0104 Douz の感想とトリビアです。

ジョン・フィネモアはいつも伏線を何本も張り、エピソードの終わりまでにその複数の線がシュッと1本の太い綱となるように編むので、線が織り込まれる瞬間の快感も魅力ですよね。(よくできたドラマはみなそうでしょうが)

和訳して丁寧に台詞を読むと、伏線というほどでもない小さい台詞も、後で回収されることも多くて楽しいです。例えば、アーサーがDouzに着いてボロボロのパンダ・チャーター機を見て「サハラにはハイエナがいるの?」と口にしますが、それはガメツいマネージャーの正体がわかってくると、「ハイエナとはこいつのことだったのか!」とリスナーはニヤニヤできるという仕掛け。

あと和訳しきれない面白い台詞、今回はマーティンの「I have control.」でした。
Douzに厳しい条件で着陸に入る前のマーティンが何度も主張し、最後にダグラスが「.....you have control.」と譲ります。和訳ではビグルズ帽のマーティンの写真の下あたり。この「I have control.」「You have control.」は操縦を二人のパイロット間で誰がするのか明確にし、二人とも操縦席の目の前にある操縦桿に手を当てていてお互いに相手が操縦しているのだと思い込んで、その実誰も操縦していないという事態や、二人とも同時に操縦してしまい、コンピューターを混乱させるのをふせぐ操作の受け渡し手順です。(Wiki「操縦桿」などに出ています。また、少し前に日本にもキムタク出演の航空会社ドラマがあったそうで、このような台詞があったとネットで見つけました・・・?!)
そして着陸後も、ダグラスに暗に「機長として見くびられているかも」とそそのかされたマーティンは、躍起になって水増し請求書を解決しようとマネージャーと交渉し、ダグラスに言います。「 just a matter of showing them who's in control. /ただ誰が操縦権を握ってるかを示しただけだ。」さらに「 he's just one of those little men who've got a little job and so have to spend the whole time proving they're just as good as anyone else, you know the type./あれはつまらない仕事をしてるもんだから、常に誰よりも自分をよく見せようとしてばかりいる器の小さい人間の1例だ。いるだろそういうタイプ。」とまで言ってダグラスの失笑をかいますね。「It rings a faint bell./ピンときたような気がする。」

しかしその後さらに増額された請求書が来て、キャロリンにするりと交渉権をとられたマーティンが抗議する台詞にも「Carolyn! I'm dealing with this―it's under control! /キャロリン!僕がこの話はしてる ー 操縦中なんだ!」と出て来ます。it's under control.はどう見てもI have controlに呼応した台詞なので、control自体に操縦という意味はないけど和訳もあえて呼応させました。日本語として「話を操縦する」は変だけど、そこに固執するマーティンを出したかったので。

その後、ハイエナ・マネージャーが正体を見せ、キャロリンがダグラスを呼び出して「どうする?」と詰め寄った時のダグラスの台詞もこれが続くのですよね。「But don't you worry, Martin's in control./でも心配は無用だ、マーティンが操縦中だ。」・・・・そうとうダグラスは拗ねてますね。

でもそのダグラスとマーティンの険悪ムードがあったからこそ、最後に二人仲良く並んで操縦室での、DOUGLAS:「 Do you want me to drive for a bit, darling?/ちょっと僕に運転して欲しかったりする?」 MARTIN:「 No thanks, dear.  /いやいいんだ、ありがとう。」が気持ち悪いくらい友好モード。私もキャビンプレッシャーの和訳20エピソードやって来てdarlingとdearが二人の間に交わされたのはここくらいだと思います・・・コントロール争いの後、協力して危機脱出して築いた友情が、(たとえ一時だとしても)熱いのがわかります。


飛行機




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