ヴァーチャル世界を堪能
今回紹介する作品は、ヴァーチャル世界を舞台にした短編集
「デュアルマトリックス」です。デュアルという事で2本の短編が楽しめます。
収録されているのは、
「ヴォルテックス」と
「インフェルノ」の2本。
「ヴォルテックス」 増加する凶悪犯罪人を更生させる施設「ヴォルテックス」を舞台にしたサスペンス。無実の罪でヴォルテックスに送られた「ビンセント」は、そこでノルマとして一人の男を殺さなければならなくなる。良心の呵責に苛まれるが、殺人を断固拒否し続けた彼は、ヴォルテックスの真の姿を目の当たりにする・・・
「インフェルノ」 ゲームソフト開発を手掛ける「クリアトリックス」社は、囚人のデータを不正取得し、開発中のゲームの敵キャラとして使用するが、お人良し2人組みの囚人データが暴走して・・・?
ヴァーチャル空間をモチーフにした、全くタイプの違う2つの物語が楽しめるオムニバス。
ヴォルテックスの方が時間も長いし、考えさせられるテーマである。少し納得いかない展開だが、言わんとしている事はよく判る。ヴァーチャル空間を使った、大掛かりな嘘発見器であるヴォルテックスは面白い設定だと思うし、それを利用した人間の本質を抉るテーマは、個人的に好きなテーマなので、面白く見れた。
一方の「インフェルノ」は、登場キャラも軽く、内容的にも
お気楽な感じ。
ゲーム内に取り込まれたコソドロが、ゲーム(FPS)内のヒロイン(プレイヤーキャラ)に惚れ込んで、ゲーム内容を無視した行動を取り続ける。そうした行動が、ゲーム内容を殺伐とした物から平和的な物へ変えていってしまう。そんな内容のゲームに買った子供がキレるというシーンがある。これは、とかく残虐性がクローズアップされる現代のゲームに対する一種の警告とも取れる。深く考えれば面白い作品だ。
こうしたヴァーチャル世界を舞台にしたオムニバス作品は、時代的にテーマを探しやすいジャンルかもしれない。これからこうした作品が出てくるだろうか?
「デュアルマトリックス」 2001年 ドイツ映画
竜騎士採点(5点満点)
★★★☆☆ 内容はともかく、DVDジャケットに描かれているような男女は、
登場しません!特に女!実際は
ケバいアマゾネス系の女だ!
(巨乳だけど)
女優度数(5点満点)
★★☆☆☆ 両作品とも女優度低し。「ヴォルテックス」の方は全くやる気が無い!

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