ラブクラフティアンは観るべし!
今回紹介する作品は、アメリカが生んだ偉大なる怪奇作家
「ハワード・フィリップス・ラブクラフト」(H・P・L)の小説を原作とする映像化作品
「ネクロノミカン」です。
ラブクラフトは、宇宙的恐怖
(コズミック・ホラー)というジャンルを生み出した作家で、代表作は、超存在「クトゥルフ」の恐怖を描く
「クトゥルフの呼び声」。他の作家が、同様の世界観を共有し書き出した作品を総称して
「クトゥルフ神話」(体系)と呼ばれている。
ラブクラフト作品は何回か映画化されているが、今回紹介する作品は、
3話のオムニバス形式。禁断の書物
「ネクロノミコン」に記された奇怪な物語を、ラブクラフトが読み進めるという形で物語が進行する。
第1話 「The Drowned」(原作:壁の中の鼠) 海沿いに経つ古びたホテルを相続した男が、ホテルに纏わる奇怪事件に巻き込まれる。ゴシックホラーの体裁で、ラブクラフトの世界観を上手く再現している。ストーリーは単純だが、雰囲気が良く最初の
掴みとしては及第点だ。
第2話 「The Cold」(原作:冷気) 連続猟奇殺人を追う記者が、不老不死の研究をしていた博士の噂を聞き、博士の住んでいたアパートを訪れる。そこで管理人「エイミー」から聞いた驚愕の事実とは・・・?
日本人監督による為かジャパニーズホラーテイスト全開。ストーリーが練られていて実に上手い作り。じっくりと話を楽しむ事が出来る。
第3話 「Whispers」(原作:闇にささやくもの」 逃亡中の犯人を追う「ポール」と「サラ」は、事故を起こす。サラが気が付くと、ポールが何者かに廃ビルに引きずり込まれる所だった。ポールを救うべく廃ビルに潜入するサラ。しかし、そのビルには「ブッチャー」という魔物が潜んでいた!
グロ全開のアクション編。全体的にグチャグチャしてます。ここに登場する魔物は原作で言う所の
「ミ=ゴ」。原作とはイメージがかなり違うが、結構有りなデザインだと思います。ただ、このお話ラストが報われなさ過ぎ。まぁ、クトゥルフ神話らしいラストではありますが、ちょっと
後味悪いですね。
以上、3話を読んだラブクラフトに、彼方から怪物(ティンダロスの猟犬?)が襲いかかってきますが、仕込み杖で大立ち回りを演じるラブクラフト。本人は病弱だったそうなので、
イメージ違う〜。で、上手〜く禁断の魔道書ネクロノミコンを失敬してしまうラブクラフトで終わる。
各話共ホラーの上手い演出が光る。どの話もラブクラフトっぽさが上手く表現されていると思う。原作を忠実に再現するだけが映像化ではないと思うので、
酷評される事が多い第3話も、個人的には(ラストも含め)
問題ないと思う。
今回は、ラブクラフト作品を知らない方を置いて行く紹介となってしまったが、ホラー作品としてみれば1作品で3つのテイストが味わえるので、お得な作品ではなかろうか?
竜騎士評価(5点満点)
★★★★☆ かなり個人的な感想。冷静に見ると星3つ位だろうが、クトゥルフ神話好きとしては
贔屓目に評価せざるをえない。
女優度数(5点満点)
★★★☆☆ それぞれの話に女性は登場する。どなたも良い味出してます。2話に登場するヒロインはシャワーシーン(軽い濡れ場も)の
サービスあり。

0