良い意味でも、悪い意味でもSFです!
今回紹介する作品は、何処と無く、退廃的なイメージ漂うSF作品
「トランス」です。
近未来都市「セプルベタ島」で島民12000人が突如姿を消す。折りしもラーセン教授が、宇宙からのメッセージを受信したと発表し、世界は混乱していた。
これは、宇宙人の侵略なのか?大統領は島の調査を開始。調査隊はそこで、奇妙な現実を目にするのだった・・・
宇宙人とサスペンスを織り交ぜた、異色SF作品。
以下
ネタバレ
本質は、サスペンス。「パーパー」という臓器移植を手掛ける医者が、不足する臓器を調達する為に、宇宙人の侵略を利用したのが事件の真相。ただし、パーパー自身の設定が
「性別を持たない人間」である事が、作品のキモ。
高度な医療がある世界らしく、人間の脳(視床)に特殊な薬品を打つ事で、他人と
感覚を共有出来るという設定が面白い。
パーパーは、女性と男性の役を切り替えながら生活しているが、性
(SEX)に関する感覚は体験出来ない。そこで、養子にした娘「イヴァ」と感覚を共有する事で、女性の感覚を経験する。
次は男だ!と言う事で、イヴァの
(即効的)彼氏であり、主人公である「ラーセン」と感覚を共有しようとする。
ここで主人公が抵抗するのが、普通の展開。しかし、今作品はこの後に意外なドンデン
(でもないけど)があります。
個人的には、この脳改造により、他人と感覚を共有するという設定だけで十分面白いと思う。更に、SF的ギミックとして、大統領(女性)が行う
「網膜尋問」なる能力(というかシステム)が秀逸。
これは、死んだ人間の網膜に焼き付いた最後の光景を読み取る、というシステムで、特殊な器具を目に当てて、溶媒液に映像を転写するもの。何処と無く一昔前のSFを想起させるギミックだ。
電脳的な脳改造とアナログ的なSFギミックが上手く盛り込まれている。
SF作品らしく、説明不足な所もあるが、ギミックと、世界観が好きならば面白く観れる作品だ。
「トランス」 2002年 カナダ映画
竜騎士評価(5点満点)
★★★★☆ 地味だが、雰囲気は好きです。以前紹介した
「13F」等が好きならば、面白く観れるはず。「性」がテーマの一つであり、
セクシャルシーンもあります。
女優度数(5点満点)
★★★★☆ ヒロイン「イヴァ」は、役柄としてSEXシーンがあるので見所。役者自体も、細身ながら妖艶な魅力のある美女。殆どのシーンで、身体の線を強調するスーツを着ているのも嬉しい演出だ。

↑こちら「13F」雰囲気はこの作品に近い(?)

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