愛は記憶と共に転生するか?
さて、今回紹介する作品は、
「シャーリーズ・セロン」主演のSFアクション
「イーオン・フラックス」です。
2011年、未知のウイルスにより人類の98%が死滅。しかし、科学者「トレバー・グッドチャイルド」の開発したワクチンにより人類は、危機を脱出した。
残された人々は、外界を遮断した都市「ブレーニャ」で、グッドチャイルド一族の統治により、平和に暮らしていた。しかし、その平和に疑問を持つ組織「モニカン」は、政府打倒の為戦士を送り込んだ。主人公「イーオン」もその戦士の一人だった・・・
さて、この作品、劇場で観る予定だったが、色々あって観る事が出来なかった。雑誌等の予告では、
頗る面白そうだったし、何と言っても主人公「イーオン」のコスチュームが、
スパンデックス系のピッタリスーツという事が眼を惹いたのだが、ノベライズを読んでみたら、それ程でもないのでは?という疑問が出てきた。
結論。DVDを観てみたら、
その通りだった。
以下ネタバレあり!
先ず、アクションはそれ程でもない。最後はともかく、全篇バリバリ撃ちまくるわけでもないし、ビシバシ格闘するわけでもない。主人公が反政府組織の戦士というフレーズに期待しすぎると、痛い目に遭います。ただ、動き自体は頑張っているし、綺麗だ。
SFらしい小道具のアイデアは良い物がある。
しかし、世界観自体に少し疑問がある。こういった外界から遮断された世界が舞台の作品は、かなりあるが、そこでの人々の暮らしを支えている要素(食物然り、工業製品然り)にリアリティーが感じられない。
すごく近代的な生活なのだが、資源とか外界を遮断して成り立つような世界ではない、と普通に感じてしまう。自給自足の説明があれば一応納得だが、何も無くすごくいい生活を送っているのは、SFとはいえ、いささか乱暴ではなかろうか?
と、少し取っ付き難い世界観だが、作品のテーマは実に
面白い。
作中の都市の人々は、全てクローンである。これは、ワクチンの副作用で女性が「不妊」になってしまったからだ。こうして人類は何世代もの間種を保ってきた。
主人公「イーオン」も例外ではない。更に彼女は「トレバー・グッドチャイルド」の妻のクローンなのだ。トレバーは、妻のDNAが破棄されたと思い込んでいて、イーオンに出会った時に驚愕する事になる。
結局テーマは、この2人のクローンが、転生しても持ち続けていた
「愛」により再び出会い、新たな時代が始まる、といった事なのだ。
DNAとは違う、人の想いや記憶は、肉体と共に
転生するのか?そう考えて観ると、作品としては中々面白いが、SFヒロインアクションとして観ると、つまらない作品と言えるだろう。
愛とSFが絡むとかなり感動的な内容になるが、この作品ではそこまで深く描ききれていないようだ。
「イーオン・フラックス」 2005年 アメリカ映画
竜騎士採点(5点満点)
★★★☆☆ 正直
レンタルで十分な内容。しかし、キャラクターだけで購入しましたヨ!
女優度数(5点満点)
★★★★☆ 主人公「イーオン」のコスチュームだけで観る価値はある!

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