本日未明、ザクの愛称で親しまれたAngelRose KIRARAが永眠いたしました。6才8ヶ月という若さでした。
14ヶ月前、急に痩せだした頃から闘病は始まりました。
でも、食が細いわけではなくよく食べるし、よく遊ぶし、便も良好だったので、私の希望で無理な治療や入院はしませんでした。どんどん痩せていく一方で年を越せるかどうかも分からない状況でしたが、今日まで14ヶ月も生きてくれました。
昨日まで、痩せ細ってはいるものの、よく食べてよく遊んで、話しかけたら返事をしてくれて、とても元気でした。
まだ時間はあると思っていました。
まさか本当に眠るように旅立ってしまうとは思いもしませんでした。
ザクは産まれたときから病弱で、生後二ヶ月の頃はずっと私の部屋に設置した高濃度酸素室で過ごしていました。普通の仔猫と一緒に遊べるようになるまで一ヶ月掛かりましたが、それからは順調に成長し、キャットショーにもたくさん行きました。
一番思い出深いのは、2010年アメリカ、
アルバカーキで開催されたOn Safariです。生後11ヶ月の彼女は、私たちの思いを遙かに超えた成績を残してくれました。アメリカやカナダの蒼々たるブリーダーが大勢参加するベンガルの国際ショーで、Best Female(雌のトップ)とBest Rosetteという輝かしいタイトルを獲得してくれたのです。会場でKIRARAの名前が発表されたとき、思わず耳を疑い、そして涙が止まりませんでした。
その後、日本のキャットショーでも素晴らしい成績を残し、リージョナルウィナーを獲得しましたが、引退後、さらなる試練がありました。子宮蓄膿症を患い、通院と投薬の日々が続いたのです。幸い根治し、2012年には5頭ものすばらしい仔猫を産んでくれました。そのうちの2頭が胡蝶さんとかれんちゃんです。けれど、ザクが妊娠出産したのはこれが最初で最後でした。
2015年5月、病気療養のため、ザクは女の子たちが暮らす二階の広いプレイルームから、1階にある仔猫出産用の小さなケージに引っ越しました。
自分のためだけに与えられるご飯や水、専用のトイレ・・・。普通の家庭で可愛がられる愛玩用の猫として育たず、1年間もショーキャットとして勤め上げた彼女にとって、その空間はとても居心地の良い特別な部屋になりました。
日に日に痩せ細っていくけれど、食欲があって、元気があって、毛づやも目の輝きも失うことなく、1年と2ヶ月、ザクは機嫌良くその部屋で過ごしました。
もっと何かしてあげたらよかったと、あとから悔やむのは嫌いです。
だから、何も後悔はしません。
ザクは苦痛もストレスもなく、最後まで元気に挨拶をして、眠るように旅立ちました。
とても親孝行な良い娘です。
ありがとう。そして、さようなら。

RW SGC AngelRose KIRARA