水戸東シニアのグランドを練習に使っているのは、土・日・祝祭日だけです。
平日のグランドは、誰もいなく淋しいものです。
ところが、そのグランドに平日も大きな声が聞こえるようになりました。
とある高校の野球部が、そのシニアのグランドで練習をしているのです。
水戸平成学園高等学校硬式野球部です。
昨年、水戸市根本町に出来た「通信制」の高校です。
小さなことが原因で、高校をやめてしまった生徒や、家庭の事情などで全日制の高校へ通えない生徒など様々な生徒さんが在籍している高校のようです。
中には、高い志で野球名門校に入ったけれど、ひょんなことで挫折してしまって退学してしまった生徒もいるそうです。
それでも、高校で勉強がしたい! それでも野球がやりたい! すばらしいじゃないですか!
昨年秋には、高等学校野球連盟(高野連)に加盟して、この春から本格的に野球部活動が始まりました。
今年の夏には、県大会に出場を目指しているそうです。
グランドは、使えば使うほど良くなっていくものです。「グランドを貸して欲しい。」と言われたとき、二つ返事で了承してしまいました。
先日、その野球部の初練習が水戸東シニアのグランドで行われました。
私も見に行ってきました。その初練習に・・・。
野球が本当に上手い子もいれば、ソフトボールしかやったことしか無いような子とか、選手は様々です。
でも、高校野球をやりたいと思う心は、ヒシヒシと伝わってきます。
友人と上手くコミュニケーションをとれなかった子が、野球部が出来たと聞いたら、頭を坊主にして入部してきた・・・とか。楽しそうに、一生懸命練習していました。
もちろん、女子マネージャーも希望者がいるそうです。
野球部の顧問は、坂倉先生と言います。
県内各地の高校で監督さんを務めた方です。その後、友部町の教育長まで歴任された先生です。茨城放送の高校野球解説もやられていたそうです。
そのような方が、真剣に生徒さんと向き合って、野球を教えています。
「笑っちゃうほど、野球はへたくそですよ。」そう言いながらも、彼らを優しい眼で見続けています。
本格的に甲子園を目指す有名高校の野球も「高校野球」ですが、彼らのような野球も、やっぱり「高校野球」なのです。
甲子園はゴールかもしれませんが、彼らにとって甲子園は、そこを目指すスタートラインでもあるのです。
まだまだ、へたくそな(失礼)彼らですが、私が彼らの応援団第一号になることに決めました。
以前に書いた(昨年12月27・28日)「小説・熱球」(重松清著)に出て来るような「ザワ爺さん」のように、一生懸命彼らを応援してあげたいと思います。
どうか皆さんも、彼らの野球を見守ってあげて下さい。そして、応援してあげて下さい。
平日、夕方、水戸東シニアグランドで練習しているのが彼らです。

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